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昭和43年白堊野球物語15-作:佐藤泰久(S42)

2016年09月02日 | 白堊野球物語
◆沖縄・興南との戦い-2

準々決勝、アルプススタンドの一高応援団はだいぶ増えていた。
序盤は一高が押し気味に試合を進めたが、やがて「魔の4回」がやってきた。
これまで8試合わずか3失策の一高守備陣が乱れたのである。
4安打を集中され、内野の3失策で4点を失う。
興南が打つごとに「ウォーン」と唸り似た何とも言えない音が球場全体を包む。
観客の多くが復帰直前の沖縄を応援しているのだった。
前2試合ではまったく無かった現象だ。
そして5回6回と集中安打と失策で計6点を献上。
小笠原から三浦へのスイッチ後は、三浦はピシャリと興南打線を押さえた。
小笠原の自責点はわずか2であった。

なんの負けるか我ら盛岡一高、こういう時こその応援だ。声を限りの応援が続く。
5回赤沢の犠飛で1点、8回川村のタイムリーで2点、9回3塁に駒木をおいての小笠原のタイムリーで1点と追い上げた。
しかし、9回2死キャプテン高橋のレフトファールフライで万事休した。一瞬静寂の一高応援団。興南の校歌が流れる。

盛岡一高 000 010 021  4
興南高校 000 424 00x 10