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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

雨に消えた夢・昭和49年夏<完>-作:平舘俊弥(S50)

2016年09月12日 | 白堊野球物語
◆一高まさかの延長サヨナラ負け②

いつの間にか、雨の市営球場に鳴り響く試合終了のサイレン。
それでも私は敗戦が信じられない。
スコアボードを見る。
雨にかすんでよく見えない。

盛一 1010000000 2
花泉 0101000001 3

千葉の背番号と重なり合って「1」がかすかに見えた。
「ほんとか一高が負けたの。嘘だろう。」
「信じられん。信じたくない。」
降り続く雨の中、泣きながら引きつる声で敗戦歌を謳う。
「俺が一高生として野球を見ることはもうないんだな。」
そう思ったら、また涙が流れた。

この敗戦が同年秋の優勝、翌年夏の決勝進出につながるのであった。

<完>

なお、佐藤泰久先輩より資料の協力を頂きました。ありがとうございました。