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藤圭子さんの怨歌

2013-09-01 09:09:31 | 編集手帳
8月24日 編集手帳

8月は流れ星の季節である。
ペルセウス座流星群を見た方もあろう。
3回はおろか、
1回の願い事も唱え終わらぬうちに、
夜空に消えていく。
一瞬のきらめきは、
いつまでも記憶に残る。

その人を、
作家の五木寛之さんは「流れ星」にたとえた。
日本の歌謡史に光って消えた、と。
藤圭子さんが62歳で死去した。
自殺か、
とも報じられている。

「がんばれ」と励ましてくれる友はありがたいが、
愚痴を言い合う友が恋しいときもある。
歌も同じで、
「上を向いて歩こう」と肩を優しく叩たたいてくれる歌に感謝しつつ、
「どう咲きゃいいのさ、この私」の嘆き節に慰めてほしい夜もある。
藤さんの“怨歌(えんか)”がそうだったろう。

何処どこで生きてもひとり花
何処で生きてもいつか散る…
(詞・石坂まさを、曲・猪俣公章、
『女のブルース』)。
一緒にうつむき、
涙で酒を割ってくれた藤さんの歌を止血剤にして、
心の傷を癒やした人は多かろう。

〈星一つ命燃えつゝ流れけり〉(高浜虚子)。
聴き手の孤独と不幸に歌で寄り添ったその人にさえ、
人生の穏やかな秋を天は許してくれない。
生きるとはむずかしいものである。
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“女性に教育を”

2013-09-01 08:00:02 | 報道/ニュース
8月24日 おはよう日本

(マララ・ユスフザイさん)
「1人の子ども 1人の教師 1冊の本 1本のペンで世界を変えることができます。」
国連で演説する1人の少女の呼びかけが世界に共感の輪を広げた。
女性の教育の権利を訴えイスラム過激派に去年10月銃撃されたマララ・ユスフザイさん。

マララさんの故郷パキスタンでは
学校を舞台に教育の大切さを訴えるユニークなアニメが注目を集めている。
パキスタン発のテレビアニメシリーズが先月から放送が始まり人気を集めている。
黒づくめの衣装をまとった主人公の女性が悪と戦う物語である。
主人公は普段は学校の教師。
悪役の男たちは女の子のための学校を閉鎖しようと企んでいる。
「女は家にいて掃除や洗濯をして料理を作っていればいいんだ。」
「学校を閉鎖したら運営費が俺たちのものになるぜ。」
学校の門には鍵がかけられてしまった。
「学校に行きたいの。 
 邪魔しないでよ。」
そこに現れたのが正義の味方。
身につけているのはイスラム教徒の女性の衣装のひとつブルカ
“ブルカ・アベンジャー”
教科書を武器に敵を懲らしめる。
ペンで校門の鍵を打ち砕いた。
「悪巧みももうおしまいよ!」
敵を退治した後テレビを見る子供たちに訴えかける。
「教育はあなたたちの権利よ。
 将来のために本とペンを友だちにしなさい。」

主人公の女性教師の声を担当するアニー・ジャフリさんは
海外の大学を卒業した後パキスタンでタレントとして活動している。
アニメを制作しているのは首都イスラマバードにあるスタッフ約30人のプロダクションである。
パキスタンから女性差別をなくそうと去年から製作を進めてきた。
製作が続くさなかの去年10月 
当時15歳のマララさんがイスラム過激派に頭を銃撃される事件が起きた。
ジャフリさんは強い衝撃を受けた。
自分も女性の教育の普及のために力を入れていこうと決意を新たにした。
(アニー・ジャフリさん)
「とても悲しい出来事だった。
 国中が大きなショックを受けた。
 女性が教育を受けられる社会にしていくには努力を続けなければならないと感じる。」
試写会では女性教師の活躍に子どもたちは大興奮。
「勉強は私たちの将来のために大事だとわかった。」
「学校の悪者を僕が倒してやりたかった。」

このアニメが人気を呼ぶなか女性たちにも新たな動きが出始めている。
マララさんの故郷であるパキスタン北西部のスワート地区で今年5月
一般の女性だけで村の物事を決める国内で初めての会合が開かれた。
これは“女性ジルガ”と呼ばれている。
ジルガは本来男性の長老だけが許される地域の意思決定機関である。
時には女性の結婚相手まで決めてきた。
今回初めて“女性ジルガ”を呼びかけたタバスム・アドナンさん。
マララさんが銃撃を受けた後も女性の権利のために戦う姿に勇気づけられたと言う。
この日のジルガでは女性が通える学校を増やすための運動を進めていくことを確認した。
(参加者)
「女性が教育を受ける大切さをみんなで話せてよかった。」
(タバスム・アドナンさん)
「女性自身が自分たちの権利を知り
 人生で何をすべきか決められるようになるべき。」

“女性ジルガ”に対しては地区の男性から批判の声もあがっているが
参加する女性は増えて700人にまで達している。
マララさんへの共感は世界に広がっていて
国連はマラらさんの誕生日7月12日を“教育の大切さを訴える日”にさだめ
この機運を盛り立てていこうとしている。

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