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笑顔千両

2013-09-16 20:47:35 | 編集手帳
9月12日 編集手帳

俗に「男は度胸、女は愛あい 嬌きょう」と言うが、
男も愛嬌があるに越したことはない。
「可愛気かわいげ」にまさる長所はない、
と述べたのは評論家の谷沢永一さんである。

〈才能も智恵も努力も業績も身持ちも忠誠も、
 すべてを引っくるめたところで、
 ただ可愛気があるという奴やつには叶かなわない〉
と(新潮社『人間通』より)。
大相撲の元大関、
エストニア出身の把瑠都関(28)がそうだろう。

勝ち相撲のあと、
カブトムシを捕まえた少年のような笑顔で花道を引き揚げてくる。
ひいきの力士が負かされても憎めない。
早くに父親を亡くし、
女手ひとつで育てられたと聞いて、
里親になったような心持ちで土俵を見守ってきたファンもいたはずである。

膝の古傷が完治せず、
十両陥落を潮しおに引退するという。
相手の頭越しにまわしを取り、
自分の後ろへうっちゃりのように投げ捨てる。
あの「波離間はりま投げ」を披露する怪力のお相撲さんはこの先、
そうは現れないだろう。

〈蒼天に髻もとどりとけし相撲かな〉
(原石鼎せきてい)。
さみしいが、
仕方がない。
これまで遠くから無事を祈ってきただろう故郷のご母堂に、
“笑顔千両”の息子さんをお返しする。
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尖閣諸島 国有化1年 民間交流のいま

2013-09-16 08:09:49 | 報道/ニュース
9月11日 おはよう日本

北京の観光名所 故宮。
この1年間 日本人観光客の姿はまばらである。
北京で旅行会社を経営している孫波さんは日本の大手旅行会社と提携して日本人向けのツアーを手掛けている。
日中関係の悪化に伴って客が減り続けほとんど仕事がなくなったと言う。
(旅行会社経営 孫波さん)
「最悪です。
 日本人客は8~9割減です。
 儲かることはなく赤字です。」
一方の中国では日本への個人旅行が回復傾向にある。
北京の日本大使館が発行した中国から日本への個人旅行用のビザの件数はこの2か月間は去年より10%多くなっている。
(参加した市民)
「政治関係は良くないが市民レベルでの交流には影響ない。」
こうした傾向の背景には中国で尖閣諸島をめぐるニュースの受け止め方が変わったためだとみられる。
尖閣諸島関連の中国メディアのニュースの件数と中国版ツイッター“ウェイボー”への書き込み件数は
去年9月 尖閣諸島国有化直後はニュースとともにウェイボーへの書き込みも急増した。
しかしその後 尖閣諸島について報じられても書き込みは増えていない。
中国政府がメディアを通じて対日批判を繰り広げても一般国民の関心は高まらなくなったのではないかという見方が出ている。

「みなさん こんにちは。
 私は劉牧言と申します。」
8月から長野市の高校で1年間の留学生活を始めた劉牧言さん。
日中関係は厳しくてもアニメなどを通じて知った日本文化をもっと学びたいと考え留学を決めた。
「日本の漫画 中国にもある。
 『ワンピース』が一番好きです。」
すでに日本語を4年間学んでいる劉さんは日中関係の改善に貢献するのが夢である。
(劉牧言さん)
「将来は必ず日本と中国の友好の懸け橋になれると思う。」
(高校生)
「反日がすごいかなと思ったけど劉さんはすごく日本を知ろうとしていた。
 日本語も上手い。
 周りの情報に惑わされたらだめと感じた。」
(早稲田大学 大学院 天児慧教授)
「時間がたてばたつほど誤解の溝が広がっていく可能性があると思う。
 日常的に両国の人々が接触・交流する部分がもっとアピールされていいんじゃないか。」

この1年で悪化した日中関係。
政治的な対立が深まるなかで民間交流を地道に進めていくことがあらためて求められている。
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