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自動運転のカギ 人工知能

2013-09-08 08:00:01 | ビズ プラス
9月1日 BIZ+SUNDAY

IT企業が集まるアメリカ シリコンバレー。
世界の自動車メーカーが自動運転の開発拠点を相次いで設けている。
進出するメーカーの狙いはCARS(スタンフォード大学自動車研究センター)との連携である。
日本やドイツの自動車メーカーなど21社が研究者を派遣し共同研究を行っている。
各メーカーが開発に力を入れているのが自動運転をつかさどる人工知能。
(スタンフォード大学 CARS クリスチャン・ガーデス教授)
「自動運転の残された課題は非常に優れた決定を下すプログラミングだ。
 緊急の状況になると決定を下すのは難しくなる。
 ブレーキを踏むべきか?
 曲がるべきか?
 ほかの車を避けるために2つを組み合わせるべきか?
 ほかの車は何をしているのか?
 と考えなければならない。」
ガーデス教授はいまドイツの自動車メーカーとともに車の限界に挑んで高速での自動運転に取り組んでいる。
高速になると車の操作が難しくなり事故の危険性が高まる。
そこでガーデス教授は高度な運転技術を持つレーサーの走行データを解析。
レーサーたちは車がスピンしそうになるとハンドルやアクセルを瞬時に調整して車を安定させる。
ガーデス教授はレーサーの走行データを蓄積し人口知能に学ばせている。
学習した人工知能はスピンしそうになってもレーサーと同じ操作を車に支持できる。
去年の自動運転車ではカーブでタイヤが滑り走りが安定していない。
まだ最適なハンドル操作ができていないからである。
今年は高速でもスムーズな走りが実現できている。
データの蓄積が進み人工知能が車を適切に操作できるようになったからである。
(スタンフォード大学 CARS クリスチャン・ガーデス教授)
「私たちは車から最も高い性能を引き出そうとしている。
 このプロジェクトから一般的なドライバーが
 車をより安全に自動運転できるシステムに結び付けたいと考えている。」 
この研究所の責任者は自動車産業にとってシリコンバレーがますます重要になると指摘している。
(スタンフォード大学 CARS責任者 スウェン・バイカー博士)
「これから自動車の革新技術では
 エレクトロニクス ソフトウェア ITが決定的な要素になっていく。
 ここシリコンバレーこそが自動車の技術革新の中心地になるだろう。」

国内でも本格的な研究が進んでいる。
東京農工大学大学院の永井教授の研究室では
トヨタ自動車と共同で一般の道路で走行に対応した人工知能を開発している。
永井教授はドライブレコーダーがとらえた映像を8万件解析し事故につながりやすい場面のデータを蓄積。
バスが止まっていたりボールが転がってきたとき
飛び出しの危険を予測し減速するよう人工知能に学ばせている。
永井教授はトヨタのテストコースで研究成果をもとに事件を繰り返している。
こうした人工知能の開発には実際に車が走る公道での実験が欠かせない。
グーグルやドイツのボッシュは行政などから特別に許可を得て公道での走行実験を繰り返している。
しかし日本では公道での走行実験は認められていない。
いまの日本の法律は自動運転を想定していないためである。
このため仮に自動運転車が実用化されても公道を走ることはできない。
(日産自動車 アンディ・パーマー副社長)
「最大の生涯は規制の枠組みが国によって違うことだ。
 世界中の国々が
 特に日本が認めてくれることを望む。」
日本ではこれまで別の角度から自動運転の研究を進めてきた。
車と道路が一体となって自動運転を実現するシステムである。
90年代には道路に磁石を埋め込み車側のセンサーでそれを検知。
車線からはみ出さないよう誘導するシステムを開発した。
さらに歩行者を道路側に設けたセンサーが検知し無線で車に知らせるシステムを開発中である。
しかし欧米の動きを受け国はようやく去年から車の自動運転を後押しする政策に乗り出した。
国と自動車メーカー、学識経験者が集まりまず高速道路での自動走行を目指して環境整備に取り組んでいる。
(国土交通省 高度道路交通システム推進室 奥村康博室長)
「各国でもいろんな技術の開発が活発に進んでいる。
 それに負けない技術を日本発でやる。
 日本がこの分野をリードしていく。」

 
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