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新市場の開拓を 中国に挑む日本企業

2013-09-25 08:00:00 | ビズ プラス
9月15日 BIZ+SUNDAY


9月8日 中国大連市で大規模な介護関連の展示会が開かれた。
高級感を売りにした老人ホームの事業者や介護用品のメーカーなど300社が出展。
多くの来場者でにぎわった。
急速に高齢化がすすみ2050年には人口の3割が65歳以上になるとされる中国。
介護ビジネスは重要な成長分野になると見込まれている。
埼玉県でグループホームの運営や訪問介護を手がけるウイズネットは中国に進出して3年になる。
(ウイズネット 高橋行憲社長)
「中国のマーケットサイズはとんでもない大きさだと思う。
 日本はいま8兆円だがその50倍から100倍になる可能性もある。」
この会社では日本式の訪問介護サービスを行っている。
「こんにちは。
 訪問介護サービスに伺いました。」
この日ヘルパーが訪ねたのは87歳の男性の家。
中国では家政婦に介護を頼む人が増えているが介護の専門知識を持ったヘルパーはまだ多くない。
料金は1時間49元(約800円)。
家政婦の1日の料金が約80元(約1300円)に比べると安くないが
日本式の丁寧なサービスでシェアを広げていく戦略である。
「優しくて細やかで非常に満足している。
 毎回彼女が来るのが待ち遠しい。」
さらに高橋さんは中国の老人ホームへのコンサルティング業務も始めた。
地元の団体が運営する老人ホームから日本式の介護を取り入れたいと相談があった。
中国の老人ホームの多くは宿泊と簡単な食事を提供するだけである。
充実した介護サービスは無い。
室内は閑散としている。
バリアフリーとは程遠い状態である。
高橋さんはこの施設を足掛かりに将来的には中国で本格的に老人ホームを展開したいと考えている。
(ウイズネット 高橋行憲社長)
「老人ホームの経営 デイサービスの運営 それと訪問介護の運営
 先々 100億企業 日本円にして100億円の企業を作りたい。」

一方 いま中国が抱える最大の課題は環境汚染である。
この分野に商機を見出す日本企業も現れている。
名古屋市で下水処理施設のメンテナンスを手掛けるエステムは去年中国で事業を始めた。
きっかけは5年前に改正された中国の水質汚染防止処理法。
工場排水などの水質には厳しい基準が設けられ
違反した企業には最高で100万元(約1600万円)の罰金が科されることになったのである。
中国事業を任された営業部長の三石信和さんは当局の強い姿勢が中国企業の環境意識を変え始めたと感じている。
(エステム 環境ソリューション部 三石信和営業部長)
「排水規制が厳しくなったというよりもともと厳しい規制がある。
 日本と同じくらい。
 それを順守する方向に動いている。
 ビジネスチャンスはもっと大きくなる可能性を秘めている。」
中国進出から1年。
すでに4社とメンテナンスの契約を取り付けた。
冷凍食品をつくる工場では排水を川に流す前に浄化する。
これまで汚染の程度を見た目や勘に頼って判断していた現場い測定器を使った水質検査やデータ分析の手法を導入。
必要なアドバイスをする。
(冷凍食品工場の従業員)
「このような検査はしたことがない。
 彼らの仕事はとても細かい。」
月に1度 定期的にメンテナンスを受けることで水質は大きく改善したと言う。
(エステム 環境ソリューション部 小酒井萌永さん)
「最初は臭気がしたりとかそういう問題もあったが
 機械の修理をしてもらったりこちらの提案通りにやってもらって
 臭気も改善しているし水質のほうも良くなっている。」
三石さんはいまさらなる業務の拡大に取り組んでいる。
排水処理施設の建設を手掛けて140の取引先がある中国企業とコンサルティング契約を結び
蓄積してきた下水処理のノウハウやメンテナンスの技術を有料で提供している。
日本の技術の高さを知ってもらい知名度を上げることでさらに大きな取引先の獲得を目指しているのである。
(山東思源水業工程 運転事業部 李作光部長)
「設備のメンテナンスや長持ちさせる優れた技術を日本は持っている。
 日本の技術を学びそれを実践していきたいと思う。」
(エステム 環境ソリューション部 三石信和営業部長)
「民間の会社のみならず
 下水処理場 中小の都市の下水処理場への貢献も今後のターゲットにしたい。」





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