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李首相が語る中国経済の現状

2013-09-20 07:03:26 | ビズ プラス
9月15日 BIZ+SUNDAY


中国で経済運営に責任を持つのは温家宝前首相からバトンを引き継いだ李克強首相である。
李首相はこれまでの高い成長をひたすら追いかける姿勢を転換して持続可能で安定的な成長を目指すという方針。
5年前の四川大地震やリーマンショックで
4兆円の大規模な経済対策をうって公共投資主導の成長を図らざるを得なかった。
しかしその結果は環境破壊や貧富の格差の拡大につながった。
李首相としては今度こそ安定成長に切り替えないと中国の成長は長続きしないという強い思いがある。
李首相の経済政策全般をリコノミクスと呼び中国語では李克強経済学である。
・投資主導から消費主導へ
・規制緩和・市場重視
・環境保護重視
中国の大連で開かれた世界経済フォーラムで李首相が講演した。
(世界経済フォーラム 11日 李克強首相)
「最近こうした議論を聞く。
 『中国経済は早々に失速するのではないか』
 あるいは『ハードランディングするのではないか』という見方さえある。
 これに対して皆さんに申しあげたい。
 中国経済はいまモデルチェンジ 構造転換とグレードアップの重要の段階にある。
 経済の基礎は安定し良い方向に向かっている。
 いま構造転換を図るなかで潜在成長率が低下し
 経済成長が高速から中高速になるのは自然なことだ。」
(アメリカ人参加者)
「中国政府が今の経済問題に真剣に取り組む姿勢が感じられた。」
(オーストラリア人参加者)
「講演は非常に力強かった。
 特に中国が引き続き開放を進めると聞き安心した。」
(東レ 小泉愼一相談役)
「経済のことをわかっている。
 やるべきこと特に『構造改革』と『イノベーション』
 2つのキーワード これをしっかりやるというのが一番基本だ。」

(精華大学 李稲葵教授)
「いまの経済発展モデルは持続可能ではない。
 我々は転換が必要だ。
 なぜかと言えば中国は投資が多すぎ個人消費が不足しているからだ。
 自然環境も持続可能ではない。
 中国は石炭を大量に使っている。
 自家用車もアメリカ人が好むような大型の車が今人気だ。
 低燃費車を好む日本人ではなくアメリカ人に似てしまった。
 中国人は東京のみなさんのように公共の交通機関を使うことを学ばないといけない。
 李克強首相が構造転換の必要性を強調するのはこうしたことが背景になっている。
 障害となるのは官僚が既得権益にしがみつくことだ。
 投資の書類を審査したり評価したりする権限はなかなか手放さないだろう。
 李首相は『いくら勇敢な戦士でも自分の腕を断ち切るのは難しい』と
 中国の昔話を使って改革の難しさを説明している。
 また中国の目指す市場経済とはどういうものかを国民に説明できるかどうかも大事だ。
 中国経済の持続可能に必要なものは改革 改革 改革。
 そして理論している暇があったら実行すること。
 かつて小平氏が言った通り
 政府の介入の度合いを探ること
 そして企業や消費者に自然環境の保全を求めること
 エネルギー 土地 資源について効率的に利用しているのは日本である。
 日本は中国が学ぶべき先生だ。
 経済改革を目指している姿は前の指導部と全く同じだ。
 しかし達成するためのアプローチが異なる。
 李首相はより市場に依存した手法をとろうとしている。
 エネルギーや資源をどこにどう配分するかは市場に任せている。
 その結果価格が上がったとしても国民はエネルギーや資源の利用を控えるのならば容認する。
 それが新指導部の特徴だと考えている。」


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