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多彩!ベルギービール

2013-09-26 07:00:09 | 報道/ニュース
9月21日 おはよう日本


ベルギービールは約1,000種類。
ベルギーでは古くからビール造りが盛んで
チェリー味、リンゴ味、酸っぱいビール、甘いビールなどユニークな味わいのものもある。
なかでも人気なのが修道院で造られたビール。
ベルギーの一部の修道院では運営費を賄うために伝統的にビールを醸造して販売している。
ところが数百年の歴史を持つある老舗の修道院のビールめぐって論争が起きている。

ベルギー南部のロシュフォール。
人口1万人の小さな町の名物は町の名をつけたビール「ロシュフォール」。
そのコクと香りは世界中のファンを引き付けてきた。
「このビールは俺たちの誇りだよ。」
ビールづくりを支えてきたのが豊かな自然の湧水である。
数百年間一度も枯れたことの無い地下水。
その水で造られるまろやかな味わいがロシュフォールビールの大きな特徴である。
このビールの味が変わってしまうかもしれない事態が起きている。
ロシュフォールビールをつくっているのはサン・レミ修道院。
修道院の裏手の丘には石灰石を掘る採石場がある。
今 採掘の規模を拡大する計画が持ち上がっているのである。
修道院の人たちはこの計画に驚いた。
修道院では約400年前にビールづくりを始めた。
秘伝の製法は修道士たちの間で受け継がれてきた。
生産ラインに機械を導入した今も昔ながらの作り方や原料にこだわって伝統の味を守っている。
年間の生産量は約3,500キロリットルとベルギー全体の1%にも満たないものの
世界各国に出荷されている。
そのビール造りに欠かせない水を修道院では水源から直接引き込んでいる。
採石場の計画では水源に近い深い地層にある石灰石の採掘を計画している。
修道士たちは
石灰石が地下水の不純物を取り除きビールの風味を高めているのに味が変わってしまう
と反発している。
(サン・レミ修道院 修道士)
「私たちのビールの風味は酵母や水の微妙なバランスで成り立っています。
 水が少しでも変われば今の味わいは失われてしまいます。」
修道院では環境保護団体などと協力して反対運動を展開。
水源の保護を求める署名サイトを設けたところ約30か国から1万人近くの署名が集まった。
(サン・レミ修道院 修道士)
「ビール造りは私たちの国を代表する産業であり文化です。
 私たちの代で途絶えさせてはなりません。」
採石会社は別の場所から同じ地下水をくみ上げることを提案。
水質はこれまでと変わらないとしている。
(採石会社 広報)
「地下水の量も質も変わることなどありませんよ。
 この計画は地域の経済に必要なんです。」
人口1万人の小さな町の住民の意見も大きく分かれている。
「水が変われば子の味のビールはもう飲めなくなってしまう。」
「水を守ることも大事だけどここで暮らす人たちの将来の雇用を守ることも大事だよ。」

伝統のビールの味を守るべきか
採石場を拡大し地域経済を発展させるべきか。
世界で人気を集めるビールの街が大きく揺れている。
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