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国連事務総長の贔屓

2013-09-02 08:00:01 | 編集手帳
2013年8月28日 読売新聞

気に入った者を引き立てて力添えすることを「ひいき」という。
漢字では〈贔屓〉、
やけに「貝」の字が目につく。
貨幣としても通用した貝は古代人の宝物である。
時は移れど、
贔屓にもなにがしかの宝物がついて回るらしい。

政治家の宝物は国民の人気だろう。
その人が厳正中立であるべき立場を踏み外し、
自分の国をえこひいきしたのは、
宝物に目がくらんだせいかも知れない。

「正しい歴史(認識)が良き国家関係を維持する。
 日本の政治指導者には深い省察と、
 国際的な未来を見通す展望が必要だ」。
韓国出身の潘基文パンギムン国連事務総長が記者会見で安倍政権を批判した。

盧 武鉉(ノムヒョン)政権の外相として対日強硬路線を指揮した人だから、
そういう考えが腹にあっても不思議はないが、
いまの立場で口にするとは驚きである。
国連事務総長の値打ちがいくらか下がったのは間違いない。
この先、
いろいろなもめごとで調停役の責務を果たせるのか疑問が残る。

責務の責は、
とげを意味する「朿し」と「貝」とが合わさってできた文字という。
良心のとげが刺さった宝物を懐に収めたところで、
あとで胸が痛むだけだろう。
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