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夢は国産ウイスキー“韓国のマッサン”

2016-01-03 07:30:00 | 報道/ニュース

12月12日 おはよう日本


ウイスキーは塾生に何年もかかるため
韓国ではウイスキーはすべて輸入に頼っている。
韓国でもウイスキーを楽しむ人たちが徐々に増え
輸入量は世界8位。
愛好者からは国産ウイスキーの誕生を期待する声が高まっている。
(ウイスキー愛好者)
「韓国でもウイスキーができればいいと思います。」
「国産をつくるとなるとお金も時間もかかります。」
愛好者の間で注目されている人がいる。
キム・チャンスさん(29)。
韓国で初めてとなるシングルモルトウイスキーの生産を目指している。
自宅で行っているウイスキー作りの実験。
アルコールを蒸留して原酒を作る工程である。
(キム・チャンスさん)
「韓国には蒸留所がないので個人的に練習せざるを得ない。」
できた原酒は樽に積め熟成させる。
数か月すると琥珀色のウイスキーができる。
キムさんがウイスキーにのめり込むようになったのは23歳のとき。
その奥深さに魅せられた。
その後一℃は勤めた貿易会社を辞め
バーテンダーや酒の販売員などを経験。
去年はウイスキーの本場スコットランドを訪れ
102か所すべての蒸留所をまわった。
あこがれは「マッサン」のモデルとなった竹鶴政孝。
自らの手で韓国ならではのウイスキーを作りたいと考えている。
(キム・チャンスさん)
「竹鶴さんの情熱と強い意志を見てとても励みになりました。
 この人のようにやりたい。
 いや なりたいんです。」
忘年会シーズンを迎えたソウル。
ウイスキーを飲む機会も増える時期だがその飲み方は独特である。
ウイスキーにビールを混ぜて飲むいわゆる爆弾酒。
酒の席の楽しみ方として広く親しまれている。
「韓国人は早く酔える爆弾酒が好きです。
 早く酔えば早く友情を分かち合えるから。」
店にはビールと安いウイスキーがセットになった「爆弾酒セット」なるメニュー。
お酒の味をじっくり楽しんでいるとはいえない。
キムさんは国産ウイスキーを作ることで飲酒の文化を変えたいと考えている。
(キム・チャンスさん)
「ウイスキーの本当の味がわかれば
 爆弾酒のような飲み方ではなくゆっくり楽しむ方法が広まります。
 新しい国産ウイスキーを作り
 ウイスキーを楽しむ文化が生まれるよう頑張りたい。
キムさんは日本を訪れた。
ウイスキーの生産技術を本格的に学ぶためである。
向かったのは埼玉県秩父市にある蒸留所である。
1週間ウイスキーづくりを体験させてもらえることになった。
この会社は7年前からウイスキーの生産を始めた新しいメーカーである。
事業をどう起ち上げ軌道に乗せたのか
キムさんはそのノウハウを学ぼうと考えている。
社長の肥土伊知郎さんは
短期間で海外の品評会で高い評価を得る世界的なブランドに育て上げたカリスマ経営者である。
キムさんがとり出したのは自家製のウイスキー。
肥土さんたちに試飲してもらおうと持参した。
その評価は
「正直な話をしますよ。
 それぞれウイスキーらしき要素は持っているんだけど
 長期熟成させていないからひとつにまとまっていない。
 やはりバラバラな感じ。」
「ウイスキーとしては余韻が少ないのかな。
 熟成年数もあるので。」
「試験的にこれだけのものが作れるのはすごいですし
 とても将来楽しみだと思います。」
(キム・チャンスさん)
「熟成が足りないのはわかっていたので指摘は当然だと思います。」
自己流で模索してきたウイスキーづくり。
実際の生産現場では
衛生状態を保つことやコストを抑える方法など知らないことばかりである。
キムさんはどうしたら事業を起ち上げられるのかも知りたいと思っていた。
(キム・チャンスさん)
「ウイスキーづくりにはお金が必要ですか。
 それはどうやりましたか。」
(ウイスキー会社社長 肥土伊知郎さん)
「将来のビジョンを金融機関や利害関係者にプレゼンし
 今こういう状態だけど将来こうなると説明できれば
 協力してくれる人は必ず見つかると思いますね。
 どうぞ頑張ってください。」 
(キム・チャンスさん)
「目標がより具体的になりました。
 早く自分の知識と能力が向上すれば10年後くらいには夢は実現すると思います。」
日本で学んだ技術を韓国で生かせる日が来るのか。
キムさんは長い道のりを見据えている。  

 

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