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女性が活躍!変わる建設業界 

2016-01-06 07:30:00 | 報道/ニュース

12月15日 おはよう日本


いま建設現場が変わろうとしている。
女性用作業着のファッションショー。
現場でのおしゃれな着こなしを提案している。
若者に人気のマンガ。
主人公は土木の仕事をする女性“ドボジョ”。
さらに写真集まで。
建設現場で生き生きと働く女性たちの姿が満載である。
これまで男性中心だった建設業界が
いま女性たちの活躍に熱い期待を寄せている。
(日本建設業連合会 有賀長郎事務総長)
「今までの流儀じゃいけません。
 女性たちをどんどん増やしていかないといけない。」
建設現場で働く職人などの技能者で女性の占める割合は約3%。
この数字からも建設業界は極めて男性中心であることがわかる。
しかし深刻な人手不足を背景に
いま建設業界では女性たちを増やす動きが加速している。

地下30mにある工事現場。
全長102㎞に及ぶ天然ガスを運ぶためのトンネルが掘り進められている。
男性の作業員たちが見守るなか地下に資材を降ろすクレーンを操縦するのは女性。
掘り出した土を運びだすダンプカーを運転するのも女性である。
力仕事ができなくても機械を使いながら
女性たちは建設現場で大きな役割を果たしている。
こうしたなか大手ゼネコンの清水建設も変わり始めている。
全国で働く女性社員が集まった会合。
この会社では女性の新卒採用を大幅に増やしている。
特に増やしているのは建設現場で働く技術系の社員である。
7年前の8倍以上にのぼっている。
(清水建設 宮本洋一社長)
「今以上に女性の発言力 発信力が強化され
 新しい風が吹き込んでくることを期待している。」
この会社では男性中心だった建設現場で
女性が働きやすい環境にしようと取り組んでいる。
現場監督を務める伏見みや子さん。
まず最初に取り組んだのがトイレの問題である。
これまで男女兼用が一般的だったが
女性専用トイレを設置。
生理用品を処理しやすいよう紙袋も備えた。
さらに伏見さんは現場で働く女性たちと話をする中で新たな改善点を見つけた。
「車の中で着替えていました。
 車の中でコートを羽織るような感じで。」
「言ってくれてよかった。」
そこで安心して着替えられるように上司と相談して女性専用の更衣室を作ったのである。
もっと改善できることがないか
昼休みに様々な職種の女性たちが集まって話し合っている。
(清水建設 伏見みや子さん)
「会社全体が良くしようという気持ちにもつながっていくと思うので
 みんなが働きやすい環境を整備していけたらいいと思う。」
会社では女性同士が情報交換できる場も設けている。
女性の現場監督だけを集めた研修。
現場で働く男性たちとのコミュニケーションで悩む若手に先輩たちがアドバイスをした。
(若手社員)
「女のいうことは聞きたくないとか冗談半分に言われた。」
(先輩社員)
「何かものを頼むとき
 名前でなになにさんお願いしますねと
 『大工さん』『鉄筋屋さん』という呼び方をしたらそういう対応で返してくる。」
会社はこうした場で悩みを解消してもらうことで女性たちに長く働いてもらいたいと考えている。
(清水建設ダイバーシティ推進室 西岡真帆室長)
「男性の職場に突然女性が舞い込んだ感じがあるかもしれないが
 しっかり育成して定着して貢献してもらうというのが
 全体の大きな流れかなと思う。」
人手不足に悩む職人の世界でも女性たちを増やそうという動きが広がっている。
壁に漆喰などを塗る左官の仕事を請け負う会社。
社長の原田さんは女性職人の積極的な採用を行ってきた。
現在8人の女性が働いている。
職人の1人 福吉奈津子さん。
2人の子どもを育てながらママ左官として働いている。
1人前の職人になるまで数年かかるとされるなか
会社は技術を持った福吉さんになんとか残ってほしいと考えた。
そこで妊娠中は現場での仕事ではなく
事務所で材料の発注などのバックアップ業務をしてもらうことにした。
会社は福吉さんと産休や育児休暇の取得についてついて相談。
産後3か月で復帰してもらうことにした。
さらになるべく自宅に近い現場や
土日の休みの休みが取れる現場を選んで仕事を割り当てるようにしたのである。
(左官職人 福吉奈津子さん)
「会社の制度がなかったら建設業で働き続けるのはちょっと難しかったと思う。
 続けてきてよかった。」
(原田左官工業所 原田宗亮社長)
「女性でもすごくやる気がある人はいっぱいいると思う。
 まだまだ受け入れ先が少ないだけだと思う。
 女性でやる気のある人をどんどん見つけて育てていく方が会社として延びると思う。」
現場では楽女性が増え始めている建設業界。
しかしその数を増やすには業界全体で柔軟な働き方を認めていく必要があると専門家は指摘する。
(芝浦工業大学工学部 蟹澤宏剛教授)
「建設業では現場に1日仕事があるときはいる。
 ないときはいない
 これが極端なので
 今日は早く帰りますということがそもそもない。
 建設現場で働いている人の視点で少し考え直さなければならない。」

 

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