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スヌーピーが教えてくれた

2016-01-16 07:30:00 | 報道/ニュース

12月24日 おはよう日本


スヌーピーは1950年から半世紀にわたって
アメリカの新聞に掲載されたマンガ「ピーナッツ」のキャラクターである。
最近 可愛らしさだけでなく
マンガの中でスヌーピーと子どもたちが交わす会話に
人生を前向きに生きる知恵とユーモアが詰まっていると人気が高まっている。

マンガの主人公チャーリー・ブラウン。
不器用で弱気だが誰からも好かれる少年である。
チャーリー・ブラウンの飼い犬のスヌーピー。
いつもマイペースでのんびり暮らしている。
彼らと個性豊かな仲間たちの何気ない日常生活を描いたマンガ。
たとえばこんな会話が交わされる。
「人生という本には後ろの方に答えが載っていないんだ。
 これがぼくの新しい哲学さ。」
「あなたなんか悩んでるでしょ。」
  「あなたは人生を無駄に過ごしてるわ。
   もっとできることがたくさんあるんじゃない?」
  「ぼくもそう思うけど
   犬であることがフルタイムの仕事なんだ。」
問題とまともに向き合うのは好きじゃないんだ。
 問題解決の一番いい解決方法は
 避けることだと思うんだ。
 避けられないほど大きくて難しい問題なんて
 存在しないんだ。」
登場するのは子どもと動物だけだが
日々の悩みや不安を上手くやり過ごす処世術が描かれている。
いま彼らの言葉が静かなブームになっている。
東京渋谷の書店に設けられた特設コーナー。
スヌーピーたちから生き方を学ぶための本が並んでいる。
6年前に1作目が出版され
次々と続編が出されているこのシリーズ。
出版社によると30代や40代の働く女性に特に人気があるという。
スヌーピーたちの言葉にずっと支えられてきたという浅賀桃子さん。
心理カウンセリングを行う会社を経営している。
都内の有名大学を卒業した浅賀さん。
当時 女性の社会進出が進んでいたが
就職氷河期と呼ばれた時代だった。
浅賀さんは希望していたのとは全く違う仕事に就いた。
不満を抱えながらも先輩や同僚に認められたいとひとり仕事に打ち込む日々。
そんなとき心に響いた言葉がある。
いつも勝気な女の子ルーシーの言葉である。
「私の人生よ。
 私がしたいようにするわ。
 私は私だもの。
 私の人生よ。
 私が生きなきゃならないの!
 少し手助けは必要だけど。」
(浅賀桃子さん)
「自分に自信がなかったりすると
 この道でいいのかなと悩んだりして
 “生きるのは私よ”とはっきり言ってもらえると
 “ああそうだよね”と。
 さらにオチで
 “ちょっとした手助けはいるけど”と
 これもすごく真実だと思っていて。
 自分だけでは生きられないのが人生だと思う。
 そういうときには手助けがいる。
 助けてもらえばいい。 

 そのうえで自分の人生を有意義に生きよう。」
その後 自分に合う仕事を求めて転職を繰り返した浅賀さん。
その頃励ましてくれた言葉もある。
「毎晩いっつもおんなじだなあ。
 赤いお皿でご飯を食べて
 黄色いお皿で水を飲む。
 今晩は逆にしてみようかな。
 人生短いんだから少しは楽しまなきゃ。」 
迷った時こそ肩の力を抜いて生きよう。
10年以上かけてようやく自分がしたい仕事にたどり着いた。
(浅賀桃子さん)
「決してみんな完璧じゃないし
 何度も同じ失敗をしたりと
 私たちにそっくりなところもいっぱい出てくる。
 そんな中でも何かしら生き抜くすべを見つけていたり
 他のキャラクターが“こうしたらいいんじゃないの?”とヒントになることを言っていたり。
 日常生活でも生かせるし
 悩みすぎていると忘れているような視点を気付かせてくれる。」
スヌーピーの作者はアメリカ人のチャールズ・シュルツさん(1922-2000年)である。
2000年に亡くなるまでひとりで作品を作り続けた。
アメリカ中西部の小さな町で移民の子として生まれたシュルツさん。
内気でコミュニケーションの苦手な少年だった。
漫画家として不遇な時代を過ごし
そうした実体験から得た人生哲学を作品に反映してきた。
アメリカ社会で広く受け入れられてきたシュルツさんのマンガが
いま日本人の心に響いている理由。
それは生き方や価値観が多様化するなかで
逆にどう生きればよいのかと迷う人が増えているからではないかという分析もある。
去年 働く未婚女性600人を対象に行った調査で
スヌーピーたちの言葉の中から最も共感する言葉として選ばれたのが
「ときどき あなたがどうして犬なんかでいられるのか
 不思議に思うの。」
「配られたカードで勝負するしかないのさ。
 それがどんな意味であったとしても。」
このスヌーピーの言葉に救われたという1人 
ヘアメークアーティストの荒川絢さん(34)。
家庭の事情で幼いころから祖母1人に育てられてきた荒川さん。
16歳のとき祖母が亡くなり
高校を中退して働きに出た。
自分だけがどうしてつらい目に合わなければならないのか。
そんな時出会ったのが先ほどのスヌーピーの言葉だった。
(荒川絢さん)
「小さな問題でくよくよしてもしょうがないというメッセージを受け取った。
 今の境遇をどうこう言ってもしょうがない。
 できることでなんとかしなきゃ
 そういう前向きな気持ちになった。」
その後仕事をかけもちして働き
夢だったヘアメークアーティストになることができた。
わき目もふらず働いてきた15年。
最近 胸に留めている新しい言葉がある。
「まーた寝てるのね。
 そんなに休む必要ないんじゃない?」
「明日が素晴らしい日になるかもしれないから
 たくさん休むんだ。
 たぶん素晴らしい日々じゃないだろうけど・・・
 もしそうならぼくは準備万端だよ。」
頑張りすぎない。
そして明日はもっといいことがあるはずだ。
荒川さんはこれまで以上に仕事の生活も楽しめるようにになったという。
(荒川絢さん)
「力み過ぎちゃっているとき
 リラックスするために本を手に取ることは多い。
 じわじわ来る。
 直接的な言葉ではないので読み終わったときに響く。
 あとから来る。」
仕事や結婚 育児
そして複雑な人間関係。
さまざまなストレスとともに生きる現代の人々の心に
スヌーピーの言葉が響いている。

 

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