12月15日 キャッチ!
景気の回復が続くアメリカ。
住宅建設も盛り上がっている。
アメリカの年間の住宅の件数は100万戸を超え
リーマンショック前の水準に持ち直している。
フロリダ州の建築現場で働くエモリー・ボトフさん(54)。
地元の大手建設会社の幹部として現場を仕切っている。
(エモリー・ボトフさん)
「住宅受賞が伸び市場の回復は顕著です。
波に乗っているように感じます。」
ボトフさんは以前は社員15人の建設会社の社長だった。
しかしリーマンショックで会社は破たん。
自宅も失って今は借家住まいである。
(エモリー・ボトフさん)
「1999年から会社を経営していましたが
2008年の不況で会社は一気に傾きました。
あの頃は必死になればなるほど深みにはまる状態でした。
一家の主としての務めを果たせない現実がつらかったです。」
その後の7年 地元のレストランで働きながら家族4人の生活を支え
ボトフさんは立ち直りのきっかけを模索していた。
今年の夏 建設会社の幹部の仕事を得てようやく自信を取り戻した。
収入も安定してきたため再びマイホームを持とうと決断し
最近 物件めぐりを始めた。
住宅価格が値上がりするなか
ボトフさんは少しでも早く購入する家を決めたいと思っている。
(エモリー・ボトフさん)
「長いトンネルの出口が見えてきました。
不動産は家族に残す遺産ですから家を持つことは重要です。」
一度は自宅を失いながらも再起を果たし
あらためて家を買おうというボトフさんのような人が徐々に増え
“ブーメラン・バイヤー”と呼ばれるようになっている。
(不動産業 マーク・ジョセフさん)
「“ブーメラン・バイヤー”が増えているのでこれから数年の見通しは明るいです。
彼らが増えてくれれば住宅価格はもっと上がっていきます。」
住宅市場の回復は
アメリカ有数の高級リゾート地フロリダ州マイアミでは一層鮮明である。
鄒億円の高級物件を別荘として買うニューヨークの金融関係者などが増えているという。
マイアミの高級マンションの価格は4年で2倍に値上がりしている。
(マイアミ不動産協会 クリストファー・ゾラーさん)
「いまのマイアミの不動産市場は活気にあふれています。
買い手も売り手も興奮しています。
とても良い状況です。」
しかし一部では回復を通り越しバブルの兆しも指摘されている。
FRBの金融緩和で市場のあふれたお金を背景に
不動産ファンドの多額投資がマイアミに流れ込み
値上がりに拍車をかけているという。
ファンドが1区まるごと買い取り話題になった高級マンションもあちこちにある。
不動産ファンドの資金はマイアミにとどまらず近郊の住宅街にも流れ込み
相場を大きく押し上げているという。
(不動産業 マーシャル・イスカーさん)
「この家はやや古い物件です。
2011年には約430万でしたがいまは3倍の約1,650万円です。」
地元の不動産業 マーシャル・イスカーさんは
この5年間で500件以上の住宅を不動産ファンドに売却した。
そのなかには約19万ドルで買い入れ
その日のうちに約30万ドルでファンドに転売した物件すらある。
しかし最近は市場が過熱気味だと感じている。
取引も次第に難しくなってきたというこどである。
(マーシャル・イスカーさん)
「ファンドは手軽な物件を求めていますが
彼らの理想の物件はあまりないです。
住宅価格が急上昇しているので売れる物件がないのです。」