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外国企業 相次ぐホテル買収

2016-01-29 07:30:00 | 報道/ニュース

1月21日 おはよう日本


いま全国のホテルや旅館が爆買いされている。
富士山を望む人気の温泉観光地 箱根。
そこにある休業中の旅館に下見に訪れた中国の不動産関係者。
これまでに静岡県や山梨県にある4つのホテルを約10億円で買収してきた。
4年後の東京オリンピックを控え
多くの観光客が見込める日本のホテルや旅館は新たな投資先として魅力だと言う。
(中国の不動産関係者)
「日本はオリンピックがあるので
 ホテルに投資すれば5年以内に必ず利益をあげることが出来る。」
外国企業によるホテル・旅館の買収は増加し続けている。
過去5年間の明らかになっている外国企業の買収件数は
2012年以降は毎年10件以上
合わせて61件にのぼる。

歴史ある温泉地として知られる伊豆修善寺。
去年9月 地域のホテルが中国企業に始めて買収され大きな衝撃が走った。
(中国企業 社長)
「今後 我々がホテルを経営することになった。
 皆さんと一緒に頑張っていきたい。」
買収したのは中国の旅行会社。
6億4千万円で購入を決めた。
22年前に開業したこのホテル。
しかしここ数年 客室の稼働率は下がり続け赤字に転落していた。
そんなホテルを買収した中国の会社は確実に利益を上げる戦略を持っていた。
伊豆のように富士山近郊や関東など外国人が好む観光地のホテルを買収。
自分たちが企画したツアーにこうしたホテルを組み込み団体客を取り込む。
それによりホテルの稼働率を高く保つことが出来る。
12月 中国本社から送り込まれた徐さん。
中国人団体客のニーズに徹底してこたえることで高い利益をあげようとしている。
多くの料理が並んだ方が豪華だと感じるという中国の人たち。
このため料理は懐石料理のように1皿ずつ出すことはせず1度に出すことにした。
土産物コーナーに置いたのは北海道の人気のお菓子。
伊豆の特産品にこだわらず
中国人に人気がある商品なら何でも取りそろえた。
買収から4か月
こうした取り組みの結果 中国人の宿泊客は急増。
客室の稼働率は8割を超え
12月の収益は過去最高となった。
徐さんはいま自社のツアーをさらに拡大し
周囲の旅館にも中国人客を受け入れてもらおうと考えている。
この日 修善寺の旅館組合を訪れ相談を持ちかけた。
(徐さん)
「たくさんの中国人客に修善寺に来てもらおうと考えています。
 皆さんにもご協力いただきたいと思います。」
(旅館組合 浅羽一秀理事長)
「組合の皆さんも期待していますし
 協力してくれるなら一緒にという気持ち。」
好調な中国人客。
しかし今のままでは日本人客が離れてしまうのではないかという懸念の声も出始めている。
予約は中国人団体客で埋まっている。
翌月の予約画面の空き室を示す部分はわずかしかない。
常連の日本人客でさえ断らざるを得なくなることも多くなった。
食事の面でも頭を悩ませている。
サービス部門の責任者 小林美仁さん。
これまで大切にしてきたきめ細かいもてなしができなくなると危機感を抱いている。
買収前の倍に増えた宿泊客。
しかし従業員の数は同じままである。
この日は50人近い中国人の団体客の対応に追われていた。
こうしたなか思わぬ事態が起きた。
小林さんの目が行き届かず
1組の日本人客にメインの料理が出されないままとなっていたのである。 
料理が届けられた時すでに食事は終わろうとしていた。
(小林美仁さん)
「本当は常に誰かがいて
 常にお客さんの状況を把握しているようでないといけない。
 僕らとしては日本の人に少しでもいい評価をいただいて
 中国のお客さんがいてもいい宿だよっていう部分を見せないと
 日本のお客さんが離れていってしまう。」
どうしたら日本人客をつなぎとめられるのか。
小林さんが目をつけたのが徐さんが企画した春節の餅つきのイベント。
そこに日本人客も参加させたらどうかと持ちかけた。
(小林美仁さん)
「会場から餅つきが見えるわけじゃないですか。
 そこで餅つきを始めて
 日本の人も見れば寄って来るので
 日本のお客様にも私もやりたいなという人がいるかも。」
じっと耳を傾けた徐さん。
旅館の賑わいにつながるならとその提案に賛成した。
(小林美仁さん)
「中国の人にもちゃんとしたことをして喜んで帰ってもらいたい。
 日本の人にもちゃんとしたことをしたいというのが僕らの思い。
 僕らもできる限り力を合わせてやらないといけない。」

 

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