7月10日 NHK「おはよう日本」
言葉の通じない外国でけがをしたり病気になったりした際
医師と外国人患者の橋渡し役となるのが
外国語で専門用語を理解する医療通訳。
大阪では6月のG20大坂サミットに合わせて
この医療通訳を充実させようという動きが出てきている。
大阪泉佐野市の病院。
訪れたのはブラジル人の女性。
隣に付き添っているのは外国人患者と医師をつなぐ医療通訳である。
「けがのことを教えてください。」
「海岸で石にあたってけがをしたんですけど
薬はありますか?」
医師の言葉を患者の母国語のポルトガル語に訳して症状をわかりやすく説明する。
(ブラジル人患者)
「言いたいことを全て言うことができるし
お医者さんの言っていることが全てわかるので
とても安心して診察が受けられます。」
救急患者の受け入れを行う関西空港に一番近い病院
りんくう総合医療センター。
2006年に関西で初めて外国人を専門的に受け入れる診療科を設けた。
現在 医療の専門用語も理解する医療通訳は13人。
英語や中国語など4か国語で対応している。
(ポルトガル語医療通訳)
「専門用語は先生に分かりやすく言ってもらえますかとか
この病気はどういうものなのかという質問を通訳からして
外国人患者に分かるように説明しています。」
りんくう総合医療センターで外国人患者受け入れの責任者を務める 南谷かおり医師。
G20サミットは医療通訳を充実させるきっかけになると考えている。
(りんくう総合医療センター国際診療科 南谷かおり部長)
「今後ラグビーW杯 オリンピック
最終的にはエキスポまでをカバーをしていくのにあたって
今回のG20は一番最初のトライアル的な意味でも大事だと思っています。」
増え続ける訪日外国人。
限られた数の医療通訳をどう効率的に運用し
外国人に手厚い治療を行うか。
大阪府が打ち出したキーワードは“遠隔通訳”である。
大阪西成区の山本第三病院では最新の通信機器を導入した。
タブレット端末がG20サミットをきっかけに大阪市内の23の医療機関に設置されることになった。
タブレット端末は大坂北区にある民間の外国語の通訳センターとオンラインでつながり
医師と外国人の患者
それに医療通訳が同じ場にいるような環境を作り出せる。
G20の期間中
英語 中国語 スペイン語 ポルトガル語 韓国語で24時間対応することにした。
病院では医療通訳の活用が外国人患者へのより的確な診療につながると手ごたえを感じている。
(山本第三病院 総副院長)
「こういう通訳機械があったら的確な診断・適切な治療ができるので
非常に助かります。」
外国人が安心して滞在できる大坂へ。
G20サミットをきっかけに医療通訳のすそ野が広がろうとしている。