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フランス アフリカの文化財 返還をめぐり議論高まる

2019-08-04 07:00:00 | 報道/ニュース

7月11日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


アフリカの文化財の多くはヨーロッパの美術館や博物館で展示されている。
しかし7月
古代エジプトの王ツタンカーメンの石像が
イギリスのオークションで6億円余で落札されたことにエジプト政府が強く反発するなど
保護の在り方が論議を呼んでいる。

かつてアフリカの国々を植民地としたフランス。
国内にはアフリカ地域の文化財が約9万点あるとされる。
フランス南西部ボルドーのアキテーヌ美術館の倉庫には
アフリカに起源をもつ文化財がずらりと保管されている。
この美術館では約2,500点が保管されているが
植民地時代に持ち出されたものや
どのような経緯でフランスに持ち込まれたのか
分かっていないものもある。
フランスでこうした文化財をめぐって議論が高まったきっかけが
去年11月マクロン大統領が
かつて植民地だったベナンの文化財26点を返還すると発表したことである。
19世紀後半
フランス軍が今のベナンと戦争中に王族から略奪した文化財が中心で
パリのケ・ブランリ美術館に保管されている。
しかし返還について訪れた人たちの意見は分かれている。
(賛成)
「変換することはいいこと。
 アフリカの文化遺産なのですから。」
(反対)
「作品の状態にもよるけど
 アフリカの管理体制が心配です。
 前例を作ると後が大変。」
美術史研究者 ベネディクト・サボワさんは
返還すべきだという政府への報告書をまとめた。
アフリカでは文化財を管理できないなどの強い批判も受けたが
それでも変換することがアフリカ諸国の人たちに必要だと考えている。
(美術史研究者 ベネディクト・サボワさん)
「アフリカの若者が先祖が築いた文化遺産と触れ合うことができないのは問題です。
 作品がアフリカに戻ることで
 さまざまな新しい交流が生まれてくるのです。」
6月アフリカの文化財の返還についてより身近に考えてもらおうと行われた演劇。
「きょうはみなさんと悲劇的な話を考えるために来ました。」
略奪された文化財がヨーロッパで競売にかけられてしまうという物語。
演じている多くはアフリカにルーツを持つフランスの若者たちである。
演劇の指導を行ったエマニュエル・カデさん。
異文化交流をテーマにしたNGOで活動するなか
なぜフランスにアフリカの文化財があるのかと
子どもたちが問いかけてきたことをきっかけにこの演劇を始めた。
(エマニュエル・カデさん)
「ヨーロッパの美術館では歴史を説明せずに文化財が展示されています。
 子どもたちは歴史の事実を知りたいと痛切に願っています。」
演劇では
略奪された文化財の扱いをめぐってアフリカの王妃とフランスの政治家が激しく対立する。
(王妃)
「この文化財はイギリス人が植民地から略奪したものなのよ。」
(政治家)
「違う。
 これは私たちのコレクションだ。
 渡すことはできない。」
演劇の最後は観客を巻き込んで議論に持ち込む。
Q.あなたの考えは?
(反対)
「フランスで保管するべきです。
 返還したらなくなってしまうかもしれません。」
(賛成)
「多くのアフリカの人がここに来ることができないんだ。
 “人類の文化財”の人類とは?
 世界中を旅行できる人だけが人類だとは言えません。」
(エマニュエル・カデさん)
「アフリカ文化財の返還に関して問題意識を持つことが必要です。
 旧植民地の人たちとの関係を変えていき
 皆で話し合うべきだと思います。」



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