8月7日 NHK「おはよう日本」
かき養殖の街
南オーストラリア州コフィンベイ。
養殖業者の数は約40件にのぼる。
その1つを営むガイドラさん。
もともと漁師だったが25年前から養殖を始め
いまでは年間約500万個を生産している。
(かき養殖業者 がイドラさん)
「これは殻は小さいけど身はたっぷり入っています。
糖分や白く滑らかな脂分が多いほど塩分が少なく
うまみもあります。」
毎朝 日の出とともに出発。
コフィンペイの海には沖合にある大陸棚から流れ込んでくるプランクトンが豊富に含まれていて
“世界で最もかきの養殖に適した場所の1つ”とも言われている。
船は15分ほどで浅瀬にあるかきの養殖場に到着。
日本ではかきを筏から海中に吊るして育てるが
オーストラリアではかごにいくつも入れて水面近くで水平にぶら下げて育てるのが主流である。
かきが波でお互いにぶつかり合い形や大きさが整いやすくなるという。
がイドラさんは潮の満ち引きに合わせてかごが適度に水面から出るように高さを変えていく。
かきは水面から出ると殻を固く閉じようとして身が引き締まってうまみが増すからである。
1年余かけてじっくり成長させたがイドラさんの自慢のかき。
弾力もありおいしい。
がイドラさんのかきは国内の品評会などでも最上級として高く評価されていて
各地から注文が入るという。
(かき養殖業者 がイドラさん)
「この国で生産されたかきに誇りを持っています。」
コフィンベイでは人々にもっとかきに親しんでもらおうというツアーも始まっている。
大きな作業服を着て養殖業者に連れられて向かった先は
海の中に設置されたテーブルである。
となりにあるのはかきの養殖場。
参加者はかきと同じように海につかりながらオーストラリアでのかき養殖の歴史や方法を聞く。
そしてかきをより身近に感じたところで
「殻の深い部分を手に置いてふた側を上にします。」
殻の開け方を教わったあと海から取り上げたばかりのかきを試食する。
海水の塩分が効いていて「お店で食べるかきよりもおいしい」と
参加者からの評判は上々である。
(参加者)
「最高のシーフードだ。」
「かきを食べるには最高の環境だよ。」
ツアーを実施している地元の人たちも一風変わった手法に手ごたえを感じている。
(かき養殖業者 ヘンリキセンさん)
「ツアー参加者は関心を持ってくれました。
感想も大変良かったです。
今後もおいしいかきを育てていきたいです。」
独自の養殖方法で育てられる かき。
オーストラリアの食文化に一味違う楽しみを添えている。