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バリ島 “脱プラスチック”最前線

2019-08-15 07:00:00 | 報道/ニュース

7月22日 NHKBS1「国際報道2019」


インドネシアは海に流出したプラスチックごみの量が世界で2番目に多いという試算がある。
これに危機感を抱いたリゾート地のバリ島では
あの手この手で脱プラスチックの取り組みが始まっている。

美しいビーチが広がる世界的なリゾート地として知られるバリ島。
しかしその沖合には海中を漂う大量のプラスチックごみ。
その間をエイが泳いでいる。
去年公開されたその映像は世界に衝撃を与えた。
独特の伝統文化が息づくバリ島。
もともと植物の葉っぱなどが入れ物として使われていた。
ポイ捨てされても環境への影響は大きくない。
しかし生活習慣の変化とともにプラスチックの袋や入れ物が増えている。
ごみを分別する習慣があまりなく
処理施設の整備も遅れているため
プラスチックごみが海に流出するようになったのである。
(州政府環境局 担当者)
「このプラスチックごみの現状を放置すれば
 環境に深刻な影響が出ます。」
そこで地元政府は6月
プラスチック製のレジ袋を禁止する条例を施行した。
これを受けて新たな取り組みを始めたスーパーがある。
「これはバナナの葉っぱです。
 プラスチックではありません。」
これまで野菜を束ねていたプラスチックのテープの代わりに
バナナの葉や竹製のひもを使うことにしたのである。
(店の担当者)
「バナナの葉で包んだ方が新鮮に見え
 お客さんの反応も上々です。」
さらにいま注目されているのが
ある植物から作られた脱プラスチックの袋である。
インドネシア各地で栽培されているキャッサバから作られている。
キャッサバは日本でも人気のタピオカの原料としても知られるイモである。
バリ島で5年前に創業した会社が開発した。
キャッサバのデンプンを独自の技術で粒状に加工。
これを熱で薄く伸ばすことで
1日500キロの袋を生産している。
会社では
天然成分で出来ているため
たとえ海に流れても水に溶け
環境への影響もないとしている。
着色などもできるため注文に応じさまざまなタイプの袋を作っている。
(開発した会社の担当者)
「キャッサバはインドネシアでは安く簡単に手に入ります。
 しかも袋は80日以内に土に返るのです。」
バリ島でキャッサバ製の袋を使う店が徐々に増え
観光客にも好評である。
(オーストラリアからの観光客)
「とても素晴らしい。
 オーストラリアにあれば・・・。
 これがキャッサバなんて本当にすごい!」
ただキャッサバ製の袋は日本円で1枚5円ほど。
まだ大量生産できないこともあり
プラスチック製に比べて値段は5倍以上である。
庶民の台所となっている屋台では
今もプラスチック製の袋を使うしかないと頭を悩ませている。
(屋台 店主)
「プラスチックの袋無しで商売する準備ができていません。」
バリ島で始まった“脱プラスチック”の動き。
深刻な海洋汚染に歯止めをかけることができるのか。
世界から注目されている。


 

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