8月6日 読売新聞「編集手帳」
おなじみの第一生命「サラリーマン川柳」には、
ペンネームが作品のおもしろさに欠かせない役割を果たすものが少なくない。
ここ数年の入選作から、
好例を一つ引く。
<辞めますも
SNSで
済ます部下>(旧新人類)。
自分もかつては先輩にあれこれと不思議がられた世代ではあるけれど…
そんな風刺がペンネームから余すことなく伝わる。
「新人類」が流行語大賞となったのは1986年のこと。
当時の若者は当然みな中年になっている。
死語同然の趣も漂う時代にあって、
久々に鮮度高く「新人類」と呼ぶ声を聞いた。
女子ゴルフのメジャー大会、
全英オープンを渋野日向子選手(20)が制した。
攻める。
迷わない。
笑っている。
テレビ中継を解説した樋口久子さんが興奮気味に何度か繰り返していた。
「全く新しいゴルフをしている。
新人類ですよ」。
緊張からパットをショートさせる選手も目立つなか、
おにぎりやタラ味の駄菓子を口に入れつつ、
勢いよくカップにボールを放り込んでいく。
度胸と愛嬌が海外メディアをもしびれさせ、
「スマイル・シンデレラ」と報じられている。
快挙にして、
新鮮だ。