7月11日 NHKBS1「国際報道2019」
国土の9割以上を山に覆われた旧ソビエトのタジキスタン。
人口は約930万人で
かつて遊牧民が多く暮らした伝統が今も引き継がれている。
首都ドゥシャンベは東西の文明をつないだシルクロードの交易でも栄えた都市である。
交易で行きかう人々がひと息ついた憩いの場所の名残りとして今も伝わるのがチャイハナ。
家族や友人と訪れてゆったりとお茶を楽しめるカフェである。
食事もできることから時代を超えて市民に人気のスポットとなっている。
(常連客)
「この小さな個室がとてもいいんだ。
古い様式が再現されていてね。」
店の奥から良いにおいが漂ってきた。
このチャイハナ1番のメニュー シャシリクである。
シャシリクは下味をつけた肉を金串に刺し炭火でじっくりを焼き上げた炙り肉のこと。
かつて遊牧民が羊の肉などを剣に刺し豪快に焼いて食べたとも言われる伝統の肉料理である。
さまざまな香辛料をふんだんに使うのがタジキスタン流。
さらに新鮮なレモンの果汁に肉を漬けて肉を柔らかくするのがおいしさの秘訣だという。
(料理人)
「塩 数種類のスパイス
天然水とレモンで肉をマリネします。」
ジューシーでスパイシーな味わいは昔からお祝い事のごちそうとされてきた。
(店長)
「うちの肉は脂がのっていておいしいんです。
肉を柔らかくする仕上げが重要です。」
東西の文明が交差するタジキスタンで
人々の空腹を満たしてきたシャシリク。
飾り気のない調理方法がシルクロードの味を今に伝えている。