7月17日 NHK「おはよう日本」
職人が研磨機で1本1本丁寧に磨いているのはアルミ製のストロー。
従来の使い捨てのプラスチックストローに代わるものとして
3年前商品化された。
新潟県燕市の金属製品メーカー。
アルミ製のストローを開発した アイデア セキカワ 常務の関川さん。
きっかけとなったのは海のゴミの問題だった。
サーフィンが趣味で毎週のように長岡市沖の日本海へ通っていた関川さん。
そこで目にしたのはペットボトルやプラスチックは容器のゴミだった。
(関川さん)
「海がどんどん汚れていくのを見ると
他人事ではないかなというところで。」
金属加工の技術を生かして少しでもプラスチックごみを減らしたい。
関川さんはアルミ製のストローの開発を決心した。
しかし立ちはだかったのは父親で社長。
(社長)
「ストローを作って売れるのかって言ったんですね。
僕の考えは“ストローは使い捨て”。
大反対ですね。
売れるはずがないと。」
(関川常務)
「反対されたときはダメかなって思いましたけど。
最近になって海洋プラスチックのニュースが多くなってきている。
日本にもそういったニュースがどんどん入ってきて
やっぱり ぎゃふんと言わせるくらい販売数を伸ばしてやろうという思いでした。」
飲食業界の環境への取り組みを後押しに
父親の反対を押し切った関川さん。
こだわったのはストローを口にしたときの感触である。
表面だけではなく内側までステンレス製の小さな球で1本ずつ磨き上げていく。
磨く前と磨いた後のストローでは
金属を切断したときにできる凹凸が消え
内側までなめらかに仕上がっている。
燕の金属加工技術を集めたアルミ製ストロー。
価格は1本700円と使い捨てストローよりも値は張るが
今では国内外から問い合わせが相次ぎ
去年の出荷本数は前の年に比べて1,4倍に増えた。
横浜市のカフェ。
去年8月から店内のプラスチック製ストローの提供をやめ
全て関川さんのアルミ製ストローに切り替えた。
アルミは熱が伝わりやすいため
冷たい飲み物は冷たいまま。
(来店客)
「飲み物が冷たく感じるからすごくいい。」
「口に入れた時にザラザラ感とかもないですし
すごく違和感なく飲めます。」
さらに
「可愛い。
夏っぽい。」
色が鮮やかでインスタ映えするとカメラに収めるお客さんも。
(カフェオーナー)
「評判はいいですね。
アルミ製のストローにしたことによって洗う手間や衛生管理の難しさがあるけど
繰り返し何度も使えることと
無駄にごみを捨てなくて済むこと
いいと感じましたね。」
そして今
関川さんは今後
身の回りのさまざまなプラスチック製品が別の素材に置き換わっていくと考えている。
いま開発しているのはアイスクリームやアイスケーキ用のスプーンである。
プラスチックごみを減らそうと進められる商品開発。
関川さんは
環境意識の高まりは燕の金属加工技術を生かすチャンスだと考えている。
(アイデア セキカワ 関川常務)
「人それぞれだと思うんですよね エコって。
この技術を生かして
ストローだけではなくもっと違うエコな製品を作っていきたいなと考えて
アイデアのある製品を作っていきたい。」