7月23日 NHKBS1「国際報2019」
”試験ダメだったけど・・・ほめてください!”
“まだまだ改善の余地があるということですよ”
“ジェットコースターに7回も乗ったよ!ほめてください”
“勇気があるね!”
“7回も!お金持ちだね!”
次々とネット上で書き込まれる“ほめ言葉”。
中国ではいまSNS上でほめ言葉がブームとなっている。
ブームの火付け役は大学生。
同じ大学の学生同士などで互いにほめ合うグループが相次いで誕生している。
上海の大学院で学ぶ黄さん。
就職活動中
自信を持てなくなりそうなときに助けられたのがほめ合いグループだった。
(“ほめ合いSNS”を活用 黄さん)
「友人やクラスメートも忙しく
書き込んでもすぐに返信は来ませんが
このSNSならいつでも1人か2人は励ましてくれる人がいます。」
希望する企業の試験を直前に控えたこの日
黄さんはこんな書き込みをした。
(黄さん)
“土曜日に就職試験があるのですが自信がないです
はげましてください”
すると
“緊張しているのは試験を重視している証拠です
真面目な人ですね
ほめてあげます”
“書類選考を突破したのですね
高い能力を持っていてすごいです”
(“ほめ合いSNS”を利用 黄さん)
「試験に対するモチベーションが上がりました。
同じ大学の学生なので知らない人でも温かな家族のように感じます。」
この“ほめ合いブーム”をビジネスチャンスととらえる動きもある。
上海で金融会社を経営する劉さん。
本業のかたわら
今年3月からネット上で希望者を徹底的に“ほめ上げる”サービスを始めた。
客は自分の簡単なプロフィールやほめてもらいたい内容を記入し
サービスを受けたい日時を予約する。
料金は5分間で約750円(48元)
10分間で約1,000円(68元)。
自分だけでなく
恋人や家族にサービスをプレゼントすることもできる。
実際にサービスを受ける女性は
最近ストレスが溜まっていることからサービスを申し込んだ。
劉さんは女性のプロフィールをもとに約100名ほどのスタッフの中から担当者を決める。
この日は4人のスタッフが対応することになり
それぞれ自分の端末からほめ言葉を書き込んだ。
“よろしくお願いします”
“あなたは私の女神です”
次々に書き込まれるほめ言葉に笑顔を見せる女性。
“容姿も素敵だし
外国に何度も行って友人も多いのでしょうね”
“どの国の男性もあなたに魅了されます”
10分間 女性をほめる言葉が途切れることなく書き込まれていった。
(サービス利用者)
「とても楽しかったです。
料金を支払い知らない人に褒められても
家族や友人ほど心がこもっていないとわかっていますが
予想以上のほめ方で面白かったです。」
(“ほめ合いSNS”サービス 店長 劉さん)
「中国人は豊かになり
形のない商品にお金を払うこともためらいません。
現代社会はポジティブなパワーが必要なので
そのパワーを届けていきたいです。」
中国の若者たちが互いに励まし合うほめ合いグループ。
激しさを増す競争社会の中で
癒しを求める人たちの新たな交流の場として広がっている。