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中国 伝統衣装 再び脚光

2016-01-17 07:35:14 | 報道/ニュース

12月26日 おはよう日本


中国 山東省で漢民族の伝統の衣装“漢服”のファッションショーが開催された。
3,500年前から漢民族に伝わるとされる漢服。
袖が大きく体をゆったりと包み込むのが特徴である。
礼服から普段着まで広く親しまれていたが
17世紀半ばから満州族が統治した清朝以降
その伝統は一時廃れた。
ところがそんな漢服がいま若者の間で人気を集めている。
「中国の伝統文化なので受け継いでいきたいです。」
「漢服の良さをみなおして美しさを多くの人に知ってもらいたい。」
ショーを企画した王さん(31)はアパレル会社を経営している。
礼節を重んじた古き良き時代へのあこがれから漢服に強い関心を持ち
文献を見ながら漢服の仕立てを手掛けるようになった。
寄付を募って漢服の展示施設まで作った。
漢服や関連する文献など100点を展示している。
(王さん)
「結婚式や成人式といった大切な行事には必ず漢服を着てもらいたい。
 漢服を着ることで中国古来の精神に立ち返ることが出来る。」
漢服の復興を盛り上げる動きも出てきた。
それはドラマの時代劇のブームである。
紀元前300年ごろの戦国時代が舞台の
宮廷の女性の人間模様を美しい映像で描いたドラマで
登場人物が着ているのが漢服。
番組を見ることができるホームページへのアクセスが53億回の爆発的人気を記録した。
ドラマの影響を受けた若い女性たちの間で
コスプレ感覚でファッションに取り入れるのが流行している。
「時代劇の漢服を着た女性の美しさに魅了された。
 中国の伝統を受け継ぎ広げていきたい。」
一方 日本でもおなじみの伝統衣装のチャイナドレス。
体のラインを美しく見せるのが特徴だが若者からは敬遠されがちである。
「チャイナドレスは日常生活に向かないし興味もありません。」
「日本の着物と違って
 誰も気ないので着る勇気はありません。」
チャイナドレスはもともとチーパオという少数民族 満州族の衣装である。
時代とともに形を変えるなかで
若者には料理店の店員や年配の人が着る服というイメージが持たれている。
上海でチャイナドレス店を営む汪薇玉さん(67)。
チャイナドレスの魅力を知ってもらおうと様々な活動をしているが
若い女性の反応はいまひとつだという。
敬遠される理由のひとつは値段である。
ハンドメイドのものが多く
本格的なものになると日本円で1着約4万円以上になるという。
(汪薇玉さん)
「チャイナドレスは高価だし
 限られた場所でしか着ることがないというイメージが強くなった。」
まずは一度着てその魅力を知ってもらうことが大切だと考えた汪さん。
古着のチャイナドレスをリサイクルして販売している。
新品の価格の3分の1程度の価格とあって
最近では店を訪れる客が増えているという。
(客)
「初めて着てみましたが私ににも似合いそうです。」
「優雅で気品のある女性に見えますね。」
(汪薇玉さん)
「若い人たちが好むものを増やしていけば
 チャイナドレスをもっと広めていくことが出来ると思う。」
中国の伝統衣装 漢服とチャイナドレス。
経済が豊かになるなか伝統の美を見直す動きが広まっている。

 

 

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スヌーピーが教えてくれた

2016-01-16 07:30:00 | 報道/ニュース

12月24日 おはよう日本


スヌーピーは1950年から半世紀にわたって
アメリカの新聞に掲載されたマンガ「ピーナッツ」のキャラクターである。
最近 可愛らしさだけでなく
マンガの中でスヌーピーと子どもたちが交わす会話に
人生を前向きに生きる知恵とユーモアが詰まっていると人気が高まっている。

マンガの主人公チャーリー・ブラウン。
不器用で弱気だが誰からも好かれる少年である。
チャーリー・ブラウンの飼い犬のスヌーピー。
いつもマイペースでのんびり暮らしている。
彼らと個性豊かな仲間たちの何気ない日常生活を描いたマンガ。
たとえばこんな会話が交わされる。
「人生という本には後ろの方に答えが載っていないんだ。
 これがぼくの新しい哲学さ。」
「あなたなんか悩んでるでしょ。」
  「あなたは人生を無駄に過ごしてるわ。
   もっとできることがたくさんあるんじゃない?」
  「ぼくもそう思うけど
   犬であることがフルタイムの仕事なんだ。」
問題とまともに向き合うのは好きじゃないんだ。
 問題解決の一番いい解決方法は
 避けることだと思うんだ。
 避けられないほど大きくて難しい問題なんて
 存在しないんだ。」
登場するのは子どもと動物だけだが
日々の悩みや不安を上手くやり過ごす処世術が描かれている。
いま彼らの言葉が静かなブームになっている。
東京渋谷の書店に設けられた特設コーナー。
スヌーピーたちから生き方を学ぶための本が並んでいる。
6年前に1作目が出版され
次々と続編が出されているこのシリーズ。
出版社によると30代や40代の働く女性に特に人気があるという。
スヌーピーたちの言葉にずっと支えられてきたという浅賀桃子さん。
心理カウンセリングを行う会社を経営している。
都内の有名大学を卒業した浅賀さん。
当時 女性の社会進出が進んでいたが
就職氷河期と呼ばれた時代だった。
浅賀さんは希望していたのとは全く違う仕事に就いた。
不満を抱えながらも先輩や同僚に認められたいとひとり仕事に打ち込む日々。
そんなとき心に響いた言葉がある。
いつも勝気な女の子ルーシーの言葉である。
「私の人生よ。
 私がしたいようにするわ。
 私は私だもの。
 私の人生よ。
 私が生きなきゃならないの!
 少し手助けは必要だけど。」
(浅賀桃子さん)
「自分に自信がなかったりすると
 この道でいいのかなと悩んだりして
 “生きるのは私よ”とはっきり言ってもらえると
 “ああそうだよね”と。
 さらにオチで
 “ちょっとした手助けはいるけど”と
 これもすごく真実だと思っていて。
 自分だけでは生きられないのが人生だと思う。
 そういうときには手助けがいる。
 助けてもらえばいい。 

 そのうえで自分の人生を有意義に生きよう。」
その後 自分に合う仕事を求めて転職を繰り返した浅賀さん。
その頃励ましてくれた言葉もある。
「毎晩いっつもおんなじだなあ。
 赤いお皿でご飯を食べて
 黄色いお皿で水を飲む。
 今晩は逆にしてみようかな。
 人生短いんだから少しは楽しまなきゃ。」 
迷った時こそ肩の力を抜いて生きよう。
10年以上かけてようやく自分がしたい仕事にたどり着いた。
(浅賀桃子さん)
「決してみんな完璧じゃないし
 何度も同じ失敗をしたりと
 私たちにそっくりなところもいっぱい出てくる。
 そんな中でも何かしら生き抜くすべを見つけていたり
 他のキャラクターが“こうしたらいいんじゃないの?”とヒントになることを言っていたり。
 日常生活でも生かせるし
 悩みすぎていると忘れているような視点を気付かせてくれる。」
スヌーピーの作者はアメリカ人のチャールズ・シュルツさん(1922-2000年)である。
2000年に亡くなるまでひとりで作品を作り続けた。
アメリカ中西部の小さな町で移民の子として生まれたシュルツさん。
内気でコミュニケーションの苦手な少年だった。
漫画家として不遇な時代を過ごし
そうした実体験から得た人生哲学を作品に反映してきた。
アメリカ社会で広く受け入れられてきたシュルツさんのマンガが
いま日本人の心に響いている理由。
それは生き方や価値観が多様化するなかで
逆にどう生きればよいのかと迷う人が増えているからではないかという分析もある。
去年 働く未婚女性600人を対象に行った調査で
スヌーピーたちの言葉の中から最も共感する言葉として選ばれたのが
「ときどき あなたがどうして犬なんかでいられるのか
 不思議に思うの。」
「配られたカードで勝負するしかないのさ。
 それがどんな意味であったとしても。」
このスヌーピーの言葉に救われたという1人 
ヘアメークアーティストの荒川絢さん(34)。
家庭の事情で幼いころから祖母1人に育てられてきた荒川さん。
16歳のとき祖母が亡くなり
高校を中退して働きに出た。
自分だけがどうしてつらい目に合わなければならないのか。
そんな時出会ったのが先ほどのスヌーピーの言葉だった。
(荒川絢さん)
「小さな問題でくよくよしてもしょうがないというメッセージを受け取った。
 今の境遇をどうこう言ってもしょうがない。
 できることでなんとかしなきゃ
 そういう前向きな気持ちになった。」
その後仕事をかけもちして働き
夢だったヘアメークアーティストになることができた。
わき目もふらず働いてきた15年。
最近 胸に留めている新しい言葉がある。
「まーた寝てるのね。
 そんなに休む必要ないんじゃない?」
「明日が素晴らしい日になるかもしれないから
 たくさん休むんだ。
 たぶん素晴らしい日々じゃないだろうけど・・・
 もしそうならぼくは準備万端だよ。」
頑張りすぎない。
そして明日はもっといいことがあるはずだ。
荒川さんはこれまで以上に仕事の生活も楽しめるようにになったという。
(荒川絢さん)
「力み過ぎちゃっているとき
 リラックスするために本を手に取ることは多い。
 じわじわ来る。
 直接的な言葉ではないので読み終わったときに響く。
 あとから来る。」
仕事や結婚 育児
そして複雑な人間関係。
さまざまなストレスとともに生きる現代の人々の心に
スヌーピーの言葉が響いている。

 

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イギリス 温暖化対策 広がる懸念

2016-01-15 07:30:00 | 報道/ニュース

12月22日


12月に開かれたCOP21。
これまで積極的に温室効果ガス削減を推し進めてきたイギリスは
2050年までに1990年に比べて排出量の80%を削減する野心的な目標を設定。
排出量の多い石炭火力発電所のすべてを10年後までに閉鎖するとしている首相は
会議のスピーチで目標達成のための意欲を示した。
(イギリス キャメロン首相)
「この会議で何が必要なのか。
 それは2℃目標を堅持することだ。」
COP21では温室効果ガス削減への強い意志を示したイギリス。
しかし国内の温暖化対策の現状を見ると
目標達成のハードルは極めて高いのが実情である。
イギリス北部 スコットランドにあるエディンバラ大学。
二酸化炭素を地下に埋めるCCS(二酸化炭素回収貯留)と呼ばれる最新の技術を10年前から研究している。
国連も温暖化対策の重要な柱と位置付けている方法である。
この技術は
まず発電所から排出されるガスから二酸化炭素を分離して回収。
それをパイプラインを使って1000mを超える地底に封じ込めるのである。
この技術は石炭火力だけでなくガス火力でも活用が考えられている。
イギリス政府はこれまで火力発電所に対してCCSを導入するよう促し
研究を支援する方針を示してきた。
しかしキャメロン政権は財政緊縮策を進める必要があるとして
1,800億円超の支援中止を決めたのである。
CCSの技術を活用用した発電で15年後には15%の電力を賄う計画だっただけに
支援中止は温暖化対策を大きく後退させると批判も出ている。
(エディンバラ大学 ヘーゼルディーン教授)
「支援中止には驚きました。
 政府は節約したいだけです。
 CCSの技術の知識を広げることは困難になるでしょう。」
財政緊縮策の影響は再生可能エネルギーにも及んでいる。
イギリス政府は2015年6月に陸上の風力発電の補助を1年前倒しで終了することを決定。
さらにCOP21の閉幕のわずか5日後に
太陽光発電への補助も65%削減すると発表し
最大1,000億円の際す津を削減すると発表したのである。
再生可能エネルギーの予算削減の理由になっているのはその割高な発電コスト。
国民生活を圧迫する電気代高騰を招いているとも言われている。
しかしこれまで再生可能エネルギーの普及を推し進めてきた政府の方針転換に
業界団体は懸念を強めている。
(再生可能エネルギー関連会社 ゴードン・エッジさん)
「再生可能エネルギーの普及なしに排出量削減はできません。」
CCSへの研究支援の停止。
さらに再生可能エネルギーへの支援縮小を進めるキャメロン政権が
代替エネルギーとして期待している供給源のひとつが原子力である。
現在 稼働している9か所に加え
国内8か所に新しい発電所の建設を計画中。
2030年には発電量の40%を原子力で賄う計画である。
10月には中国の習近平国家主席が訪英し
中国からの2兆円にも及ぶ巨額な融資受け入れが決まった。
しかし減速する中国経済のあおりを受けて
遅れ気味な計画がさらに遅れる可能性も出てきている。
当初 2023年とされていた運転開始は
石炭火力発電所がすべて閉鎖される2025年までずれ込み
このままでは電力需給がひっ迫するという懸念も出ている。
(労働組合 P・ホワイトワースト)
「政府の方針は電力供給に打撃を与えるでしょう。
 方針変更がなければこの国は大停電に襲われます。」


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電車の遅れの原因は?カメの安全確保大作戦

2016-01-14 07:30:00 | 報道/ニュース

12月22日 おはよう日本

奈良県香芝市にあるJR五位堂駅。
ある動物によって電車の進行方向を切り替えるポイントが突然動かない状態に。
電車の遅れが繰り返し発生していた。
カメがポイントに挟まっていたのが原因である。
カメがポイントに挟まり電車が止まるトラブルは
JR西日本の管内で去年までの12年間に14件確認されている。
その半分が五位堂駅に集中していた。
挟まったカメは甲羅が割れ死んでいた。
線路の管理や補修を担当している板橋徹さん。
(JF西日本 近畿統括本部 保線担当 板橋徹さん)
「お客様にも迷惑をかける。
 カメも挟まると甲羅が割れたりかわいそうなことになる。
 悩みましたね。」
板橋さんたちはカメが線路の脇から入り込み挟まっているのではないかと考えた。
このため線路沿いのフェンスの隙間をふさぐ対策を取った。
しかしその後もトラブルは約10年続いた。
どんな対策を取れば効果があるのか。
カギを握る人物は兵庫県にいた。
神戸市にある須磨海浜水族園。
カメに囲まれた部屋の主に
去年の秋 板橋さんからの相談が寄せられた。
カメ研究の専門家である須磨海浜水族園の亀崎直樹さん。
板橋さんたちがとっていた対策を聞いた亀崎さん。
発想を変えるべきだと考えた。
カメが線路の脇からポイントに入るなら
カメはレールを乗り越えなければならない。
しかしレールの断面はT字型。
爪を引っ掛けることもできず
乗り越えるのは無理だというのである。
代わりに亀崎さんが侵入経路として指摘したのは踏切だった。
踏切はポイントの400m手前にある。
近くのため池から歩いてきたカメが踏切を渡る途中にレールとレールの間に落下。
そのまま歩き続けた結果
ポイントに挟まるのではないかと考えた。
ため池からポイントまでの距離は約700m。
離れているようにも感じるが
春から秋にかけて活動期を迎え産卵場所などを探すカメならば十分歩ける距離だと言う。
許年11月 亀崎さんたちが行った実験では
レールとレールの間に落ちたカメは想像したとうりポイントに挟まった。
(須磨海浜水族園 亀崎直樹さん)
「レールに沿って歩いてくる。
 出たくても出られないから
 そうするとポイントに挟まってしまう。
 容易に想像できた。
 確信ですね これはなんとかなるわと。」
長年 鉄道マンたちを悩ませてきたカメ問題の解決策となったのは
長さ3メートルの溝型の装置。
奥にはバケツを置き
落ちてきたカメを集められるようにしてある。
線路に溝を作り
ポイントに挟まる前にカメを安全の確保できるようになっている。
実験設備で試したところ
カメは狙いどうり次々と落ちてきた。
材料はホームセンターなどで揃えることができ
費用は1万円もかからない。
この4月に設置してからこれまでに保護されたカメは10匹。
電車の遅れも起きていない。
(JR西日本 近畿統括本部 保線担当 板橋徹さん)
「まさかの10匹捕まったということで相当効果があった。
 専門家に相談してよかった。」
保護されたカメたちはいま亀崎さんのもとで暮らしている。
(須磨海浜水族園 亀崎直樹さん)
「カメの研究して何年たつかな。
 35年くらいか。
 初めて人に喜ばれた。
 カメにも喜ばれた?
 そやな あいつらあんまり喜ばん。
 いや そんなことないか。」
カメの生態をとらえて開発されたこの装置。
JR西日本では今後設置個所を増やしていくことにしている。

 

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日系人の強制収容 描くミュージカル

2016-01-13 07:30:00 | 報道/ニュース

12月18日 キャッチ!

太平洋戦争中 アメリカでは約12万人の日系人が土地や財産を没収され
強制収容所に送られた。
多くがアメリカで生まれ育った人たちだったが
日系人だということだけで敵性外国人とみなされ
収容所での過酷な生活を強いられたのである。
幼いころ収容所で暮らした日系アメリカ人の俳優が体験をもとにミュージカルを企画し
ブロードウェイで上演されて話題を呼んでいる。

11月 公演が始まった「アリージャンス」。
連日多くの観客でにぎわている。
舞台は戦争の足音が忍び寄る1940年代のアメリカ。
農園を営む日系人の家族が主人公である。
日本の伝統を大切にしつつアメリカでの生活を築き上げていた。
日本からアメリカにわたってきた日系1世の役を演じるジョージ・タケイさん。
このミュージカルを企画した。
1960年代 人気シリーズ「スタートレック」に出演し一躍有名になったタケイさん。
アメリカでもっともよく知られ尊敬を集める日系人の1人である。
自分自身の経験を反映したミュージカルの上演は生涯の念願だったと言う。
(俳優 ジョージ・タケイさん)
「音楽は頭だけでなく心にも響きます。
 感情に訴えるのです。」
太平洋戦争が始まり家族の運命は大きく変わる。
「カイト・キムラだな。
 日本に情報を流しているな。」
敵性外国人とみなされた一家はやがて強制収容所へ送られる。
強制収容所に送られるときタケイさんは5歳だった。
その日のことを今でも鮮明に覚えているという。
(俳優 ジョージ・タケイさん)
「あの日 銃を持った2人の兵士が家にやってきました。
 父と私と弟はスーツケースを持って家の外に出ました。
 そして母が出てくるのを待っていました。
 母は幼い妹を片手で抱いてもう一方の手でバッグを持って出てきました。
 涙を流していました。
 あの瞬間は恐怖そのものでした。
 今でも忘れられません。」
強制収容所に連れてこられ打ちひしがれる人々を支えたのはひとつの言葉だった。
「まるで動物みたいな扱いだ。」
「イサム がまんだ。」
「がまんって何?」
「耐えることよ。」
「顔を上げ続けることだ。」
“がまん”には過酷な境遇の中でも尊厳を持って生きる日系人たちの思いが込められている。
(俳優 ジョージ・タケイさん)
「“がまん”という気持ちがあったからでしょう。
 収容された恐怖を乗り越えることが出来ました。
 でも“がまん”にはそれ以上の意味があります。
 “がまん”は耐え忍ぶ能力を意味するだけでなく
 美しさや喜びを見出す強さを意味するのです。」
パリの同時テロをきっかけに
アメリカで特定の民族や宗教に対する偏見や差別が再び生まれつつあるとタケイさんは感じている。
タケイさんはアメリカが同じ過ちを犯さないよう
ミュージカルを見てほしいという動画をインターネットに投稿した。
1週間余で9百万回以上再生され大きな反響を呼んでいる。
さらに大学などを訪問し
若い世代に日系人の歴史について話し合う活動を続けている。
(学生)
「同じような問題は今も起きています。
 過去から学び
 未来に向けて考える必要があると思います。」
タケイさんは今の時代こそ1人1人の国民が過去の歴史を知ることが重要だと考えている。
(俳優 ジョージ・タケイさん)
「父とはよく議論しましたが
 そこで私はアメリカの民主主義について多くを学びました。
 彼は私に言いました。
 『アメリカの民主主義は国民が作り出している。
  そしてこの国の人々は偉大なことを成し遂げる可能性を秘めている。
  しかし一方で間違いを犯すこともあるのが人間だ。
  民主主義の政治はわれわれ国民次第なんだ。』と。
 若い世代に箱の国が犯した過ちを知ると同時に
 民主主義の強さも知ってほしいのです。
 民主主義を作っていくのは彼らだからです。」 
出身国や宗教で相手を差別する過ちがあってはならない。
その思いを胸にタケイさんは今日も舞台に立つ。 



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“爆買い”の次は?新たな観光資源を探せ

2016-01-12 07:30:00 | 報道/ニュース

12月17日 おはよう日本

夜の新宿。
外国人観光客の姿を気にかけながら歩く女性がいる。
中国人の可越さんは爆買いを求める企業にアドバイスするコンサルタントである。
中国人観光客の夜の過ごし方を聞く。
(可越さん)
「8時以降はね行く場所がないからつまらないって。
 夜はやっぱり11時12時まで遊びたいのに
 8時にお店が閉まっちゃうから。」
このニーズに目をつけたのがカラオケ業界である。
シンガポールからの観光客は買い物の途中に立ち寄った。
いまカラオケ店は様々な工夫で外国人を呼び込もうとしている。
壁にはマラカスを手にカラオケを楽しむ大相撲の力士。
ポップなデザインの富士山も描かれている。
カラオケのシステムも特別仕様。
韓国語や中国語で曲の検索ができる。
日本語の歌詞も歌いやすいようにローマ字でルビを振った。
(第一興商 店舗事業推進部 鈴木敞之さん)
「カラオケを定番スポットとして外国人の方に認知していただいて
 日本に来たらカラオケボックスという流れを生み出せれば。」
日本で10年余コンサルタントをしてきた可さん。
夕食を終えた後に人目を気にせず気軽に遊べる場所として
今後需要は大きく伸びると感じている。
(中国人コンサルタント 可越さん)
「東京で楽しめる場所は実はいっぱいあるんだよということは
 中国の観光客には知られていない。
 買い物以外の新しい活動をやっぱり求めている。
 企業にとって大変大きなチャンス。」
その可さんがいま注目しているのが競馬である。
中国本土には競馬がないからである。
可さんは東京府中市にある競馬場の依頼で
20人ほどのツアー客とレースの観戦に訪れた。
中国で馬は演技のいい動物。
普段の言葉の中にも頻繁に使われる。
「一馬当先(リードする)」
「馬到成功(成功を祈る)」
「龍馬精神(我慢強い)」
さっそく馬券を買う中国人たち。
レースが始まった。
たてがみをなびかせて走る競走馬の姿。
初めての体験である。
その後ツアー客は特別席に案内された。
競馬に詳しい旅行会社の担当者がレースの見所をモニターで解説。
一行は競馬の醍醐味を堪能した。
さらにこの日は馬券を買わない人でも楽しめるように馬と触れ合う機会も設けられた。
サラブレッドを間近で見たツアー客たち。
レース中とは違う表情を見せていた。
(中国人観光客)
「今回この競馬場に来て日本の別の一面を見ることが出来ました。
 日本はショッピング以外の観光資源もたくさんあるんだと感じました。」
ツアー客がどんな反応を見せるのかを気にしていた可さん。
上々の反応に今後の可能性を感じている。
(中国人コンサルタント 可越さん)
「本当にチャンス。
 皆さんの喜ぶ笑顔を見ていればわかりますけれども
 日本でこういうようなことも体験して買い物もしておいしいものも食べて
 さらに日本のたくさんの豊富なアクティビティーを体験する。
 日本はこんなに観光資源を発掘できるとか
 そういうことを発見できると思いますね。」

 

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年の初めの祈願

2016-01-11 07:30:00 | 編集手帳

1月8日 編集手帳

 

 江戸の雑俳にある。
〈飯はよいものと気のつく松の内〉(『武玉川(むたまがわ)』)。
元日から餅ずくめで重たい“餅腹(もちばら)” になり、
「普段の飯は良いものだな」と気づいたらしい。

「松の内」は松飾りのある間、
元日から7日までを指す。
食生活が様変わりして餅腹も過去の言葉になったが、
年末からの食べ過ぎと飲み過ぎで腹の辺が重たく感じられる方は多かろう。

松飾りの取れるきょう8日は薬師如来の縁日、
「初薬師」の日でもある。
衆生の病苦を救ってくれるというその仏に、
疲れた胃腸を含めて健康を祈願する善男善女でにぎわうに違いない。

きな臭い中東情勢に、
隣国の愚かにして乱暴な振る舞いと、
新聞をひらけば頭痛と悪寒を覚えるニュースが紙面を埋めている。
わが身と家族の身体のみならず、
地球の病苦も救っていただきたいと願う年の初めである。

「初昔(はつむかし)」という言葉がある。
松の内から見た去年を意味する。
ついこのあいだ送ったばかりの年を“昔”呼ばわりは大仰だと、
以前は思っていた。
10大ニュース級の出来事つづきに、
除夜の鐘を聴いたのが遠い日に感じられてならない。
なるほど、
初昔である。

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平和の空で野暮な原爆ためすバカ

2016-01-10 07:30:00 | 編集手帳

1月7日 編集手帳

 

 古今東西、
歌の題名は数あれど、
景気の良さでは指折りだろう。
『大当り景気ぶし』という。
西條八十作詞、
上原げんと作曲、
1957年(昭和32年)の歌である。
♪ こころ合わせりゃ景気はつづく、
 今年来年さ来年…

歌詞には国際政治も顔を出す。
♪ さくら咲く咲く平和の空で、
  野暮(やぼ)な原爆ためすバカ…。
この歌の3年前には南太平洋ビキニ環礁で、
米国の水爆実験によって日本のマグロ漁船「第五福竜丸」が死の灰を浴びている。

敗戦の焦土からようやく復興の扉をあけた当時の人々は、
核が繁栄の敵であることを骨身にしみて知っていた。
「なんと野暮でバカな」は実感だったろう。

時は移れども、
浜の真砂(まさご)と“ためすバカ”は世に尽きないものらしい。
北朝鮮が「水爆実験に初めて成功した」と発表した。
その実否はともかく、
国内経済が疲弊の一途をたどるなかで、
救い手であるはずの国際社会からこれ以上孤立してどうする。

思い切って【evil】(邪悪)を180度転換し、
国家の【live】(生き延びる)道に賭けてみる。
“ためす”なら、
こち らだろう。
バカと利口の分かれ目である。

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喪失感を乗り越えた先にあるもの

2016-01-09 07:30:00 | 編集手帳

1月4日 編集手帳

 

 ソ連のアフガニスタン侵攻で、
日本が1980年のモスクワ五輪ボイ コットを決めたとき、
柔道の山下泰裕さんは「一番大切な肉親を亡くしたような気持ち」だったと本紙の取材に振り返っている。
金メダルの最有力候補はモスク ワの観客席でライバルに励まされ、
<4年後>を向き、
ロス五輪で頂点に立った.

五輪の年に行われる米大統領選にもドラマがある。

8年前、
ヒラリー・クリン トン氏は民主党候補争い初戦のアイオワ州で3位に沈んだ。
大統領夫人や上院議員を経験した負け知らずのエリートは、
「極度に落ち込んだ」(回顧録『困難な選択』)という。
大本命と目されながらその後もオバマ氏に追いつけず、
候補の座を逃した。

今年も2月のアイオワからレースが始まる。
ウィルソン元英首相は 「1週間は政治においては長い時間だ」との言葉を残した。
再挑戦までの8年をクリントン氏はどんな思いで過ごしたか。

前回の敗戦で女性初の大統領という<最も固いガラスの天井>にヒビが入ったと語った。
喪失感を乗り越え、
国務長官としてオバマ大統領を支えた経験は、
天井をたたく力になるだろう。

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神楽に夢中! カグラージョ

2016-01-08 07:30:00 | 報道/ニュース

12月16日 おはよう日本


島根県の西部に伝わる石見神楽。
迫力のある舞で知られ
この神楽を見にくる若い女性がいま増えている。
夢中でシャッターを切っている女性たち。
彼女たちこそ神楽好きの女性“カグラージョ”である。
「いい蛇(じゃ)でした。」
「迫力があってかっこよかったです。」
カグラージョの1人 江津市の佐々木奏絵さんは1年に20回以上神楽を見に出かける。
(佐々木奏絵さん)
「だいだい神楽をやっている人は3割増しでかっこよく見える。
 神楽が恋人なんじゃないかって言われる。」
神楽好きの家族の中で育った佐々木さんは
中学3年生になるまでの6年間こども神楽で演じていた。
学生時代 写真部に所属していた佐々木さんは
4年前 Uターンで地元に戻ると再び神楽の魅力に惹き込まれ
神楽の写真を撮り始めた。
(佐々木奏絵さん)
「伝統芸能だが進化をしながら
 社中によって面や舞い方が違って新しい発見があるので面白い。」
1つの演目で100枚以上の写真を撮る。
写真を撮るとすぐFace Bookに載せる。
舞台で演じていた男性が写真を見にやってきた。
「よかったです きれいに撮ってもらえて。
 いいアングルですよね。」
こうしたふれあいもカグラージョの楽しみのひとつである。
石見神楽の魅力をもっと多くの人に伝えたい。
佐々木さんは写真展を開くことにした。
写真好きのカグラージョ4人も手伝う。
展示するのは女性たちが撮った神楽の写真36枚である。
迫力ある狐
おろちと戦うスサノオノミコトなど
女性たちの好きなシーンである。
会場の甍街道交流館には大津市をはじめ広島県などからも多くの人が訪れた。
佐々木さんも神楽の魅力を伝える。


「すごいです。」
「かっこいいなと思って
 また機会があれば見に行きたい。」
(佐々木奏絵さん)
「1枚の写真を見て
 この神楽は面白そうだから見に行ってみようかなと
 そういうところから神楽ファンが広がっていったらいいなと思う。」
石見神楽に様々な魅力を見出すカグラージョ達。
若い女性たちが伝統芸能を支えようとしている。

 

 

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アメリカ 利上げを後押しする不動産市場

2016-01-07 07:30:00 | 報道/ニュース

12月15日 キャッチ!


景気の回復が続くアメリカ。
住宅建設も盛り上がっている。
アメリカの年間の住宅の件数は100万戸を超え
リーマンショック前の水準に持ち直している。
フロリダ州の建築現場で働くエモリー・ボトフさん(54)。
地元の大手建設会社の幹部として現場を仕切っている。
(エモリー・ボトフさん)
「住宅受賞が伸び市場の回復は顕著です。
 波に乗っているように感じます。」
ボトフさんは以前は社員15人の建設会社の社長だった。
しかしリーマンショックで会社は破たん。
自宅も失って今は借家住まいである。
(エモリー・ボトフさん)
「1999年から会社を経営していましたが
 2008年の不況で会社は一気に傾きました。
 あの頃は必死になればなるほど深みにはまる状態でした。
 一家の主としての務めを果たせない現実がつらかったです。」
その後の7年 地元のレストランで働きながら家族4人の生活を支え
ボトフさんは立ち直りのきっかけを模索していた。
今年の夏 建設会社の幹部の仕事を得てようやく自信を取り戻した。
収入も安定してきたため再びマイホームを持とうと決断し
最近 物件めぐりを始めた。
住宅価格が値上がりするなか
ボトフさんは少しでも早く購入する家を決めたいと思っている。
(エモリー・ボトフさん)
「長いトンネルの出口が見えてきました。
 不動産は家族に残す遺産ですから家を持つことは重要です。」
一度は自宅を失いながらも再起を果たし
あらためて家を買おうというボトフさんのような人が徐々に増え
“ブーメラン・バイヤー”と呼ばれるようになっている。
(不動産業 マーク・ジョセフさん)
「“ブーメラン・バイヤー”が増えているのでこれから数年の見通しは明るいです。
 彼らが増えてくれれば住宅価格はもっと上がっていきます。」
住宅市場の回復は
アメリカ有数の高級リゾート地フロリダ州マイアミでは一層鮮明である。
鄒億円の高級物件を別荘として買うニューヨークの金融関係者などが増えているという。
マイアミの高級マンションの価格は4年で2倍に値上がりしている。
(マイアミ不動産協会 クリストファー・ゾラーさん)
「いまのマイアミの不動産市場は活気にあふれています。
 買い手も売り手も興奮しています。
 とても良い状況です。」
しかし一部では回復を通り越しバブルの兆しも指摘されている。
FRBの金融緩和で市場のあふれたお金を背景に
不動産ファンドの多額投資がマイアミに流れ込み
値上がりに拍車をかけているという。
ファンドが1区まるごと買い取り話題になった高級マンションもあちこちにある。
不動産ファンドの資金はマイアミにとどまらず近郊の住宅街にも流れ込み
相場を大きく押し上げているという。
(不動産業 マーシャル・イスカーさん)
「この家はやや古い物件です。
 2011年には約430万でしたがいまは3倍の約1,650万円です。」
地元の不動産業 マーシャル・イスカーさんは
この5年間で500件以上の住宅を不動産ファンドに売却した。
そのなかには約19万ドルで買い入れ
その日のうちに約30万ドルでファンドに転売した物件すらある。
しかし最近は市場が過熱気味だと感じている。
取引も次第に難しくなってきたというこどである。
(マーシャル・イスカーさん)
「ファンドは手軽な物件を求めていますが
 彼らの理想の物件はあまりないです。
 住宅価格が急上昇しているので売れる物件がないのです。」



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女性が活躍!変わる建設業界 

2016-01-06 07:30:00 | 報道/ニュース

12月15日 おはよう日本


いま建設現場が変わろうとしている。
女性用作業着のファッションショー。
現場でのおしゃれな着こなしを提案している。
若者に人気のマンガ。
主人公は土木の仕事をする女性“ドボジョ”。
さらに写真集まで。
建設現場で生き生きと働く女性たちの姿が満載である。
これまで男性中心だった建設業界が
いま女性たちの活躍に熱い期待を寄せている。
(日本建設業連合会 有賀長郎事務総長)
「今までの流儀じゃいけません。
 女性たちをどんどん増やしていかないといけない。」
建設現場で働く職人などの技能者で女性の占める割合は約3%。
この数字からも建設業界は極めて男性中心であることがわかる。
しかし深刻な人手不足を背景に
いま建設業界では女性たちを増やす動きが加速している。

地下30mにある工事現場。
全長102㎞に及ぶ天然ガスを運ぶためのトンネルが掘り進められている。
男性の作業員たちが見守るなか地下に資材を降ろすクレーンを操縦するのは女性。
掘り出した土を運びだすダンプカーを運転するのも女性である。
力仕事ができなくても機械を使いながら
女性たちは建設現場で大きな役割を果たしている。
こうしたなか大手ゼネコンの清水建設も変わり始めている。
全国で働く女性社員が集まった会合。
この会社では女性の新卒採用を大幅に増やしている。
特に増やしているのは建設現場で働く技術系の社員である。
7年前の8倍以上にのぼっている。
(清水建設 宮本洋一社長)
「今以上に女性の発言力 発信力が強化され
 新しい風が吹き込んでくることを期待している。」
この会社では男性中心だった建設現場で
女性が働きやすい環境にしようと取り組んでいる。
現場監督を務める伏見みや子さん。
まず最初に取り組んだのがトイレの問題である。
これまで男女兼用が一般的だったが
女性専用トイレを設置。
生理用品を処理しやすいよう紙袋も備えた。
さらに伏見さんは現場で働く女性たちと話をする中で新たな改善点を見つけた。
「車の中で着替えていました。
 車の中でコートを羽織るような感じで。」
「言ってくれてよかった。」
そこで安心して着替えられるように上司と相談して女性専用の更衣室を作ったのである。
もっと改善できることがないか
昼休みに様々な職種の女性たちが集まって話し合っている。
(清水建設 伏見みや子さん)
「会社全体が良くしようという気持ちにもつながっていくと思うので
 みんなが働きやすい環境を整備していけたらいいと思う。」
会社では女性同士が情報交換できる場も設けている。
女性の現場監督だけを集めた研修。
現場で働く男性たちとのコミュニケーションで悩む若手に先輩たちがアドバイスをした。
(若手社員)
「女のいうことは聞きたくないとか冗談半分に言われた。」
(先輩社員)
「何かものを頼むとき
 名前でなになにさんお願いしますねと
 『大工さん』『鉄筋屋さん』という呼び方をしたらそういう対応で返してくる。」
会社はこうした場で悩みを解消してもらうことで女性たちに長く働いてもらいたいと考えている。
(清水建設ダイバーシティ推進室 西岡真帆室長)
「男性の職場に突然女性が舞い込んだ感じがあるかもしれないが
 しっかり育成して定着して貢献してもらうというのが
 全体の大きな流れかなと思う。」
人手不足に悩む職人の世界でも女性たちを増やそうという動きが広がっている。
壁に漆喰などを塗る左官の仕事を請け負う会社。
社長の原田さんは女性職人の積極的な採用を行ってきた。
現在8人の女性が働いている。
職人の1人 福吉奈津子さん。
2人の子どもを育てながらママ左官として働いている。
1人前の職人になるまで数年かかるとされるなか
会社は技術を持った福吉さんになんとか残ってほしいと考えた。
そこで妊娠中は現場での仕事ではなく
事務所で材料の発注などのバックアップ業務をしてもらうことにした。
会社は福吉さんと産休や育児休暇の取得についてついて相談。
産後3か月で復帰してもらうことにした。
さらになるべく自宅に近い現場や
土日の休みの休みが取れる現場を選んで仕事を割り当てるようにしたのである。
(左官職人 福吉奈津子さん)
「会社の制度がなかったら建設業で働き続けるのはちょっと難しかったと思う。
 続けてきてよかった。」
(原田左官工業所 原田宗亮社長)
「女性でもすごくやる気がある人はいっぱいいると思う。
 まだまだ受け入れ先が少ないだけだと思う。
 女性でやる気のある人をどんどん見つけて育てていく方が会社として延びると思う。」
現場では楽女性が増え始めている建設業界。
しかしその数を増やすには業界全体で柔軟な働き方を認めていく必要があると専門家は指摘する。
(芝浦工業大学工学部 蟹澤宏剛教授)
「建設業では現場に1日仕事があるときはいる。
 ないときはいない
 これが極端なので
 今日は早く帰りますということがそもそもない。
 建設現場で働いている人の視点で少し考え直さなければならない。」

 

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金融を変える“フィンテック革命”

2016-01-05 07:30:00 | 経済フロントライン

12月12日 経済フロントライン


フィンテックとは
Finance(金融)×Technology(技術)
様々な金融サービスをIT技術を活用してより便利で身近なものにしていこうというものである。

いち早くフィンテックを取り入れた長崎のハウステンボス。
おみやげ購入時には支払い専用機で指紋を認証するだけ。
入園の際に指紋を登録してお金を預けていたのである。
指を置くだけで預けたお金から引き落とされ
ハウステンボス内で財布なしの買い物ができる。
「さっき買い物したときに小銭をバラバラ落としたけど
 もう財布を出す必要なくてよかった。」
最新の指紋認証技術と決済を融合した新たなサービスである。
(ハウステンボス 経営企画室 高田幸太郎室長)
「通常はレジで並ぶケースもあるが
 本当にスピーディに決済が済むので利便性は感じていただいている。」
メッセージアプリの会社が始めたのが手数料無料で送金できるサービスである。
利用者はコンビニなどでお金をアプリにチャージする。
送金したい相手に金額を指定して送ることが出来る。
受け取ったお金はネットショッピングに使ったり現金に変えたりできる。
相手の銀行口座を知らなくても立て替えてもらったお金を簡単に返すことが出来る。
いまフィンテック関連のビジネスは世界的に急拡大している。
日本のイギリス大使館で開かれたセミナー。
イギリスでは国を挙げてフィンテックを支援。
すでに1,000社以上が参入している。
(イギリス貿易投資総省 ショール・デービッドさん)
「イギリス政府はフィンテックを金融サービスの中心となる重要な産業だと位置づけている。」
この日は送金や資産管理を行うIT企業10社と日本企業の商談を行った。
(参加した大手IT企業)
「すごい刺激になりました。
 日本とは全く違う観点で新しい企業が出てきていると感じる。」
日本政府もこうした動きに強い関心を示している。
(金融庁 総務企画局 神田潤一企画官)
「5年後10年後に日本の金融機関や金融サービスの競争力の低下
 世界から取り残されてしまうのでは
 そういう危機感が去年今年と非常に盛り上がって強く感じてきた。
 金融庁が危機感をどう捉えて変わっていくか問われている。」
フィンテックは銀行の中核分野である融資の分野にまで及んでいる。
大手ネット通販会社アマゾンは自社のサイトで商品を販売する企業を対象に
5,000万円を上限に融資するサービスを始めている。
強みは迅速な融資。
カギを握るのはビッグデータである。
この会社ではサイトに出店している企業の売り上げや在庫、返品率、客の評価といった様々なデータが集まる。
こうしたデータをコンピューターで独自に解析し
事業者の経営状態を評価。
金額や金利まで自動で算出する。
企業から融資の相談がなくても自動的に融資が可能だと知らせる。
(アマゾン ジャパン セラーサービス事業本部 星健一事業本部長)
「人間が手を加えず100%自動で分析する。
 販売事業者がどうしてもお金が必要だというときがあるけど
 今回のスピーディーに即決できる融資は
 販売事業者のビジネスの広がりを可能にする。」
このネット通販会社から5,000万円の融資を受けた大阪の企業。
社員は5人。
家電や家具などを安い価格で販売し売り上げを伸ばしている。
ちょうど事業を拡大したいと思っていた矢先に融資が可能だと通知が届いた。
「案内をもらった時点ですでに融資がOKが出てる状態なので
 ものすごくスピーディー。」
申し込みからわずか2日で入金された。
これを元手に購入したのが冬に注文が急増する加湿空気清浄機。
1年前のモデルを安く大量に仕入れた。
(融資を受けた会社 GBFT 松本尚也社長)
「こういう最終処分物は商社やメーカーから
 今かいますか?という話が多い。
 ここまで待ってくださいとなったら商品がなくなってしまう。
 話を受けたときにすぐ買える。
 融資を有効に活用している。」
ネット通販会社アマゾンが始めた企業向け融資。
開始から約2年で1,000件以上にのぼる。
こうしたフィンテックの動きに銀行は危機感を強めている。
今年10月 三井住友銀行はフィンテックの専門部署を起ち上げた。
これまで見過ごしてきたニーズにITを使ってこたえることができないのか
徹底的に洗い出している。
(三井住友銀行 ITイノベーション推進部 竹田達哉さん)
「客がほしいと思うものをいち早く見つけ出して対応しないと
 フィンテック企業に追い付けない。」
IT企業との提携にも積極的に乗り出している。
訪れたのは最先端の生体認証技術を持つ企業。
セキュリティーを高めつつ
フィンテック事業の強化を図ろうとしているのである。
(三井住友銀行 ITイノベーション推進部 中山知憲部長)
「自前主義だけでは客のニーズについていけない。
 新技術を持っているベンチャー企業とのコラボレーションは必要。」

 

 

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復活!カセットテープ人気

2016-01-04 07:30:00 | 経済フロントライン

12月12日 経済フロントライン


アメリカ中西部 ミズーリ州にあるカセットテープのメーカー。
このメーカーはアメリカの大手で今でも唯一カセットテープを作り続けている。
創業して50年近く経つが
今年の生産ペースは過去最高だということである。
販売本数はここ数年伸び続け
去年は1830万本。
今年はさらに3割以上伸びると社長も強気である。
(ナショナル オーディオ カンパニー社長 スティーブ・ステップさん)
「私たちはかせっっとテープの将来は明るいと思っています。」
カセットテープの人気を支えているのがデジタル世代の若者である。
ニューヨークで活動しているバンド。
自主制作の音楽を録音するのはもっぱらカセットテープである。
「コンピューターによるデジタル録音よりカセットテープはとても温かい音なんだ。」
(音楽スタジオ経営者)
「カセットテープは手間をかけた手作り感があるんだよね。」
カセットテープの人気は着実に広がっている。
カリフォルニア州で今年オープンした店。
中古から新品まで8万本のカセットテープを取りそろえ
売り上げは好調である。
「生まれる前に流行っていたんだよね。
 僕は1993年生まれだから。
 友達から聞いて興味を持ったんだ。」
音楽エンジニアのジェレミー・ベルさんは
台の上に張ったテープでスクラッチ演奏ができる装置を作った。
動画をネットに投稿したところ大きな反響があったということでべルさんは商品化を検討している。
デジタル化が進み一時は消えてしまったかと思われたカセットテープ。
復活の魅力はどこにあるのか。
コレクターのプラターンさんは 
80年代~90年代半ばまでを中心に600本ものカセットテープを集め楽しんでいる。
プラターンさんはカセットテープは曲をスキップせずに1曲目から聴いていくものだという。
アーティストを深く理解するためにはその人の音楽アルバムをカセットで聴くのが一番いいという。
(DJ プラターンさん)
「最近発売される多くの音楽がシングル曲を重視しています。
 1つの曲を集中し売り出そうとしています。
 しかしカセットテープの時代はアルバム全体で素晴らしい音楽作品を作ろうとしていました。」
CDやネット配信と違い温かみがあるというカセットテープ。
手触り感がある音楽が若者に新鮮な感動を与えている。
(音楽評論家 松永良平さん)
「カセットテープはすごく人間的な音というか
 周りの空気とか音が鳴っていた場所も一緒に聞けるような感じがあって
 もう1つは形の可愛さというか雑貨的な魅力。
 レコードやCDよりもさらに小さくて
 その中に1つの作品を集約。
 人の心をくすぐる部分が大きい。」

 

 

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夢は国産ウイスキー“韓国のマッサン”

2016-01-03 07:30:00 | 報道/ニュース

12月12日 おはよう日本


ウイスキーは塾生に何年もかかるため
韓国ではウイスキーはすべて輸入に頼っている。
韓国でもウイスキーを楽しむ人たちが徐々に増え
輸入量は世界8位。
愛好者からは国産ウイスキーの誕生を期待する声が高まっている。
(ウイスキー愛好者)
「韓国でもウイスキーができればいいと思います。」
「国産をつくるとなるとお金も時間もかかります。」
愛好者の間で注目されている人がいる。
キム・チャンスさん(29)。
韓国で初めてとなるシングルモルトウイスキーの生産を目指している。
自宅で行っているウイスキー作りの実験。
アルコールを蒸留して原酒を作る工程である。
(キム・チャンスさん)
「韓国には蒸留所がないので個人的に練習せざるを得ない。」
できた原酒は樽に積め熟成させる。
数か月すると琥珀色のウイスキーができる。
キムさんがウイスキーにのめり込むようになったのは23歳のとき。
その奥深さに魅せられた。
その後一℃は勤めた貿易会社を辞め
バーテンダーや酒の販売員などを経験。
去年はウイスキーの本場スコットランドを訪れ
102か所すべての蒸留所をまわった。
あこがれは「マッサン」のモデルとなった竹鶴政孝。
自らの手で韓国ならではのウイスキーを作りたいと考えている。
(キム・チャンスさん)
「竹鶴さんの情熱と強い意志を見てとても励みになりました。
 この人のようにやりたい。
 いや なりたいんです。」
忘年会シーズンを迎えたソウル。
ウイスキーを飲む機会も増える時期だがその飲み方は独特である。
ウイスキーにビールを混ぜて飲むいわゆる爆弾酒。
酒の席の楽しみ方として広く親しまれている。
「韓国人は早く酔える爆弾酒が好きです。
 早く酔えば早く友情を分かち合えるから。」
店にはビールと安いウイスキーがセットになった「爆弾酒セット」なるメニュー。
お酒の味をじっくり楽しんでいるとはいえない。
キムさんは国産ウイスキーを作ることで飲酒の文化を変えたいと考えている。
(キム・チャンスさん)
「ウイスキーの本当の味がわかれば
 爆弾酒のような飲み方ではなくゆっくり楽しむ方法が広まります。
 新しい国産ウイスキーを作り
 ウイスキーを楽しむ文化が生まれるよう頑張りたい。
キムさんは日本を訪れた。
ウイスキーの生産技術を本格的に学ぶためである。
向かったのは埼玉県秩父市にある蒸留所である。
1週間ウイスキーづくりを体験させてもらえることになった。
この会社は7年前からウイスキーの生産を始めた新しいメーカーである。
事業をどう起ち上げ軌道に乗せたのか
キムさんはそのノウハウを学ぼうと考えている。
社長の肥土伊知郎さんは
短期間で海外の品評会で高い評価を得る世界的なブランドに育て上げたカリスマ経営者である。
キムさんがとり出したのは自家製のウイスキー。
肥土さんたちに試飲してもらおうと持参した。
その評価は
「正直な話をしますよ。
 それぞれウイスキーらしき要素は持っているんだけど
 長期熟成させていないからひとつにまとまっていない。
 やはりバラバラな感じ。」
「ウイスキーとしては余韻が少ないのかな。
 熟成年数もあるので。」
「試験的にこれだけのものが作れるのはすごいですし
 とても将来楽しみだと思います。」
(キム・チャンスさん)
「熟成が足りないのはわかっていたので指摘は当然だと思います。」
自己流で模索してきたウイスキーづくり。
実際の生産現場では
衛生状態を保つことやコストを抑える方法など知らないことばかりである。
キムさんはどうしたら事業を起ち上げられるのかも知りたいと思っていた。
(キム・チャンスさん)
「ウイスキーづくりにはお金が必要ですか。
 それはどうやりましたか。」
(ウイスキー会社社長 肥土伊知郎さん)
「将来のビジョンを金融機関や利害関係者にプレゼンし
 今こういう状態だけど将来こうなると説明できれば
 協力してくれる人は必ず見つかると思いますね。
 どうぞ頑張ってください。」 
(キム・チャンスさん)
「目標がより具体的になりました。
 早く自分の知識と能力が向上すれば10年後くらいには夢は実現すると思います。」
日本で学んだ技術を韓国で生かせる日が来るのか。
キムさんは長い道のりを見据えている。  

 

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