現代社会はストレスフルな社会です。
人間関係が複雑化・高度化し、みんながけっこう傷つきやすくなっています。
また、人が日々の生活の中で出会う問題もすぐには解決しないようなことも多いのではないでしょうか。
解決しない不安や心配、悩みを抱えたままにしておくのは、ずっと重い荷物を背中にのせて歩いているようなものです。
一つの解決しにくい/解決できないことを考え続けたり、自分にとってイヤだったことを何度も思い出したりするのは、強いストレスを繰り返し受けているのと同じになります。
不安・心配や悩みを抱えすぎて限界に達しているのは、たとえばコップに水を注ぎ上の縁までいっぱいになっている状態にたとえることができます。うつ病などを患うことになります。
15人に一人は一生のうちでうつ病を経験すると考えられています。
少しでも揺らすと水がこぼれ出ます。これがいわゆる「バーン・アウト」になります。
ですから、水位を少しでも減らさなければなりません。つまり、不安や悩みから離れて、考えない時間をもつことが必要になります。
ところが、たいていの人は逆で、一つのことを考え続けたり、何度もイヤなことを思い出してしまうのです。
これではコップに水を注ぎ続けていることになります。
それではしんどいです。
人の心は、このようなコップのようなものですので、入ってくる水を減らし、入ってくる容量を空けておかなければなりません。
つまり、悩みや不安から距離をあけ、考えない時間をもつのはコップの水位を下げる効果があります。
水位が下がると、自分のことを客観視できることにもなります。
コップの水位を下げる方法とは、「もう限界だ」と感じたときに、好きなことにどっぷりとつかることでしょう。
テレビで好きな映画をどんどん見るとか、外界からの音を遮断するためヘッドフォンを付けて音楽をひたすら聴く、または単純作業でもいいので手を動かすようなことを黙々と続けると効果があるようです。
好きなことや単純作業を続けると、そちらに意識が向き、悩みや不安を忘れ、離れている状態になれるのです。
このようにして、好きなことに没頭して心の空きを増やしておき、明日のわたしに不安・悩みを託していきます。
そうすると、何かの拍子にふと解決の方法が見つかったり、支援者が現れたり、悩みや不安が気にならなくなったりすることもあるのです。
我を忘れて夢中になれる活動や好きなことを大事にしていきたのです。
いつも、拝見しております。
私も、相手の「コップの水」が満杯だと、励ましの言葉は入っていかないから、まず、コップを空にしてあげる。
つまり、不満やグチを「聴く」、ということが、大事だと、若い頃に教えていただきました。
いつも傾聴する気持ち、どの職場やどの人間関係でも、大事ですね〜。
相手に対して話すことよりも、聴くことで支えることのほうがじつは多いのだと、わたしも思います。