Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

「隠された記憶」堪能。Je me suis regalee de voir "Cache".

2011-02-07 20:15:53 | 映画
もう、前のめりになって観てしまいました。
「隠された記憶(Caché)」

(ネタバレの部分もありますので、これからご覧になる方には、ごめんなさい

有名キャスターの夫と出版社に勤める妻、思春期に差し掛かり始めた息子の3人家族のもとに、ある日、自宅外観を隠し撮りしたビデオが、不気味なイラストとともに送り付けられてくるところから、夫と妻は、えも言われぬ恐怖を感じ始める。
ビデオは数回にわたって送り付けられ、彼らの恐怖はどんどん増していきます。

怖がらせることをテロリゼterroriserというのだね。
rが2つです、綴りに気をつけましょう。

前回観た時に途中で寝てしまったのは、この映画が難しいからではなく、ただ単に自分が眠かった、またはワインなどを飲んでいたので朦朧としてしまったためなのだ、という結論に達しました。
この映画は決して退屈ではありません。確かに、小難しくはありますが引き込まれます。
ずっとテンション保ったまま観ることができます。

ただ、誰がビデオを隠し撮りして家族のもとに送ったのかというのは最後まで分からないのです。
DVDのパッケージに「全世界震撼のラストシーン」とあったので、ラストシーンを目を皿のようにして観ていたのですが、「このどこが震撼なの?」と思いつつも、「あ、このシーンも誰かがビデオに撮っているということを言っているのか、だから”震撼”なのか」と自分なりに解釈しました。

DVD観た後に「『隠された記憶』ラストシーン」をキーワードに検索してみると、出るわ出るわ。
すると、私が気づくことのできなかったラストシーンの解説があり、それを読んだ後にもう一度ラストシーンを観てみたら「確かにそうだわ」と。私の目は節穴でした。
でも、それが「誰がビデオを撮ったのか」ということの決定的な答えにはなっていないように思います。

この映画は、ビデオ撮った人を最後に出してきて、その人と主人公との関係を説明して「はい、そういうわけです。いいですね」という終わり方をするのではなく、誰がどういう目的でビデオを撮るのか、誰もがその可能性があるけれど、でも、誰?・・・ということを、観た人に考えさせるのです。

ええ、この映画のラストシーンは、同じ映画を観た人と「誰がビデオを撮ったのだと思う?それはなぜ?」と話し合う、それが本当のラストシーンなのかもしれません。


「隠された記憶」に再挑戦

2011-01-22 01:07:24 | 映画
以前、家で観たのだ。
レンタルのDVDだったのか、衛星放送でだったのかは忘れたが・・・。
途中で寝てしまったのだ、よくわからなくて・・・
隠された記憶
フランス語の先生が貸してくださった。
なんでも、秋葉原の小さなDVDショップの奥の方で見つけて500円ほどで買ってきたとのこと。
なんとなんと!ラッキーな!
「集中して、先入観は持たずに、頭の中をオープンにして観ることが必要」とのこと。
ワイン飲みながらなんてーのはNGだそうです。
2時間どっぷり、このこ難しい映画に向き合える態勢整えてから観るってことですね。
頑張ります。
そう、「頑張ります」という心構えが必要な映画なのだ、私にとって。


ところで、この映画の監督であるミヒャエル・ハネケ監督の「白いリボン」がまだ未遂です。
遂行せねば。
で、次の次のターゲットを今日決定。
神々と男たち

「しあわせの雨傘」観てきた

2011-01-18 20:28:10 | 映画
映画「しあわせの雨傘」観てきた。
大女優カトリーヌ・ドゥヌーヴに赤に白ラインのジャージ着せるなんて!と思ったりはしたけれど、衣装のインパクトにたがわずに楽しい映画だった。原題は「Potiche(ポティッシュ)」飾り壺という意味だそうだ。
お飾りの妻だったスザンヌ(カトリーヌ・ドゥヌーヴ)が、ある日突然、夫の傘製造工場を経営する羽目になり、それをきっかけに自我に目覚める、という内容。でも、フェミニズムを啓蒙するものではなく、もっと気軽に楽しめる映画。
カトリーヌ・ドゥヌーブのオーラで見せる(魅せる)映画だ。
ジャージ姿を始めとして、ジャージー素材のワンピースにカーディガン、コートスーツ、ニットスーツにワンピースなど、彼女の衣装のバラエティも見もの。
ただ私の中で「これはフランス的だなぁ」と思えたのが、スザンヌが、妊娠を告白した娘のジョエルに言った言葉。
自分や自分の仕事を犠牲にしてまで産むの?という内容のことを母が娘に言ったのだ。
母親である前に1人の人間(女性)としての存在意義が優先するのだ。
でも逆に「母親」というものに埋没しないからこそ、出生率が上がっているのかな?なんて考える。

監督はフランソワ・オゾン。
彼の映画は「まぼろし」「8人の女」「ぼくを葬る(おくる、と読ませる)」と観てきてこれで4作目。
この映画は「8人の女」のカテゴリーに入る、カラフルで軽妙でクスッと笑える映画だ。
オゾン監督はこの映画に「シェルブールの雨傘」へのオマージュを込めているとかいないとか・・・
だから邦題が「しあわせの雨傘」になったんだね。

でも「まぼろし」もよい映画。
この映画で女優シャルロット・ランプリングを知り、彼女のファンになった。

今年中に観れるかな?「白いリボン」

2010-12-17 23:49:25 | 映画
本当は今日観に行くはずだった。
お仕事お休み取ったのだ。
そして、10時から「白いリボン」を銀座テアトルシネマで観て、そのあと1人ランチしてから国際フォーラムでやってるクリスマスマルシェに行き、本屋さんとかデパートとかうろうろしつつ、17時からフランス語の予定だった。

のに!

母の口腔外科受診が朝10時から入ってしまった。
本来ならば”公共交通機関”を使っていってもらう手もあったのだが、今日の口腔外科は麻酔して切開して・・・というコース。
ということで、車でお供することになったわけ。

お昼過ぎに帰ってきて、電車にので東京駅まで。
そしててくてく歩いて有楽町フォーラムへ。
予想外にさみしい雰囲気。
もっとお店がみっちり出ているのかと思った。
期待外れ。

売られているものも・・・・
この値段出してまで買うの?というもので、スルリと通り抜けて、有楽町駅前まで。
丸井でストッキングと姪っ子へのクリスマスプレゼントを買い、プランタン銀座の露天で猫マグカップを買い
フランス語レッスンへ。

先生は映画好きでいらっしゃるので「Au départ je voulais voir un film qui s'appellait le rubin blanc mais c'est ma mère qui m'a empeché d'y aller.」と言ってみた。
(当初、「白いリボン」を観に行きたいと思っていたのですが、母がそれを阻止しました)
それから「白いリボン」話になった。

監督はミヒャエル・ハネケ

こ難しい映画を撮る監督というのが私の印象。

先生曰く「Il faut faire des efforts pour comprendre ce film.この映画を理解するには、努力が必要」

ハネケ監督は、その映画を観る者に判断を委ねるのだそうだ。
これこれこういう経過があって、結論はこうです、というのではなく、これこれこういう経過があるのですが、あなたはどう結論づけますか?ってこと。

以前「隠された記憶」を観たけれど途中で寝てしまった。
なので、今度の「白いリボン」では最後まで寝ないで観よう、というのが第一目標。(汗)
ちなみに「隠された記憶」はフランス語の先生からDVDをお借りできることになった。

ハネケ監督の作品は何度も反芻して観るのがよい、とのこと。
とにかく、今年中に観ておきたい映画であることは、ある。

ステキな映画館?

2010-11-23 21:39:05 | 映画
ちょっと前から存在だけは知っていた映画館「ジャック&ベディ
いわゆる”名画座”のカテゴリーに入る映画館らしいけれど、ここのラインナップはなかなか素晴らしいのです。
いまどきの時代に「2本立て」ってあり?とワクワクしてしまったりします。
「近日上映作品」を見ると、フランス映画も盛りだくさん。
興味あるのは「クリスマスストーリー」「ミックマック」「ハーブ&ドロシー」そして「ヨコハマ・メリー」

ハマ出身の母を連れて「ヨコハマ・メリー」を観にいく手もありです。
何せ、彼女はメリーさんをライブで体験しているのでね。

「ハーブ&ドロシー」は、雑誌「旅」に紹介されていました。アメリカの公務員夫婦が自分たちの収入の範囲で購入し続けていたコンテンポラリーアート。気づいてみたら、専門家も高く評価するコレクションとなっていた、というもの。日本人女性監督による、ドキュメンタリー映画です。

「クリスマス・ストーリー」は大御所カトリーヌ・ドゥヌーヴと、割と好みの俳優マチュー・アルマリックが出演。家族の葛藤映画だそうです。好みかも。

「ミックマック」はきっと摩訶不思議な世界なのだと思います。ずっと以前に観た「デリカテッセン」にあい通ずるものがありそう。

とにかく、一度、ジャック&ベティに足を踏み入れてみよう。

ところで、京急の黄金町って、横浜から何個目?
小学生のころ、日の出町まで冬期講習に通ったことがあるのですが、昔すぎて(笑)!

これは有言実行

2010-11-20 20:08:57 | 映画
難しい映画だと思う。
白いリボン
ミヒャエル・ハネケ監督の映画は難しい!というのが、私の中での定説。
隠された記憶」は見てる途中で寝てしまった(汗)
「ピアニスト」は見ていない。
さ、「白いリボン」でリベンジだ!
12月17日に行きます。急用がなければ。
まだ先だと思ってたら大間違い!あっという間だよ!

「悪人」観てきた

2010-09-21 19:59:48 | 映画
深津絵里さんが、モントリオール映画祭で主演女優賞を獲られるまで、知らなかったこの映画。やはりインターナショナルな映画祭で受賞すると、そのアナウンス効果は抜群だ。
ワイドショーでは、映画祭の様子やら撮影現場の紹介などをひっきりなしにしていた。
そして、そのアナウンス効果で観にいくことを決めたわたし。

観にいく前に、ちょっと予習をと思い、映画のオフィシャルサイトを観たら「誰が本当の”悪人”なのか」というコピーが出ていた。
それは映画を観て考えましょう、と出かけたわけだ。

主演の妻夫木聡君がよかった。
以前「闇のこどもたち」で報道カメラマンを演じた彼を観たけれど、そのときはまだ、若いさわやかな男子がハードな世界に立ち向かっているようで翻弄されている役をそこそこ演じていたという印象、しかし今回は何といっても主役だ。祐一は長崎の海辺の小さな町で、解体業に従事しながら、祖父母と共に暮らす。どこにどんな希望があるのかないのかもわからない。そんな祐一の心の変化を表情に見事に出していた。分かりやすかった。
妻夫木君に何か賞をあげたい!


もう1人の主役の深津絵里さん。これが主演女優賞の演技かぁ・・・と思いつつ観た。
佐賀の限られた世界で子供のころからずっと過ごし、紳士服量販店の販売員として来る日々を送る光代。
そんななか、携帯の出会い系サイトで祐一と知り合った。
あんまり言うとこれから劇場へおでかけになる方に申し訳ないね。

映画を観終わり思ったこと。それはこの映画の中で、これっぽっちも悪人でない人っていたのかな?と思った。
人間なんて、優しい自分や寛容な自分、残酷な自分、底意地悪い自分、非情な自分、狡猾な自分などなど、たくさんの面を持っている。
いつどんな状況の、どんなきっかけで、それらのどれが突出してくるかなんて、神のみぞ知るだろう、きっと。
全能の自分がそれらをコントロールできたら自己嫌悪も後悔も感じなくて済むだろうなぁ。
”悪人”になることもないだろうなぁ。

いい映画だった。観てよかった。
久石譲さんの音楽もよかった。
セットの作りこみも。大道具さんや小道具さんのお仕事もすばらしい!

ぽろぽろと泣く映画ではないが、唯一ウルルときた場面。
それは、祐一(妻夫木君)が光代(深津さん)の足を、焚き火で温めたお湯で手当てしてあげているところ。
やらされるでも、やらせるでも、やってもらうでも、やってあげるでもなく。
そんなピュアな印象を受けたもので・・・・。

ところで、私にとってのヒーリングムービーである「めがね」の中で民宿ハマダを経営されてるかた、この映画にもご出演だった。祐一の叔父役で。光石研さん。シブイ!






今回で5回目の観賞

2010-09-01 22:05:37 | 映画
映画めがね

映画の風景にBGMのチェロの響きがマッチ。
チェロ習いたい気分であるが、とりあえずはチェロのCDでも聴きたいなぁ。
そうだ、うちには、ヨー・ヨー・マのCDがあったはず。
しかし、ズバリ映画「めがね」のサウンドトラックCDを買う手もある。
でも、うちのCDプレーヤー壊れてるんだよね。
パソコンで聴くか、車の中で聴くか?
車の中で聴いたら、リラックスしすぎて居眠り運転しそう(汗)
i-Podに入れて、イヤホーンで聴きながら瞑想すると、気持ちが洗われる予感。


「沈まぬ太陽」観ました

2010-08-11 23:03:18 | 映画
沈まぬ太陽」を観ました。
もともとは、Ken WATANABEファンのフランスのお友達ジョエルのために買ったDVDだったのですが、まだ送ってなくて・・・Je te demande pardon,Joelle

この映画は、山崎豊子氏原作の「沈まぬ太陽」を映画化したもので、25年前の日航ジャンポ機が群馬県の御巣鷹山の尾根の墜落した事故の実話と、組合闘争を通して会社の真の在り方を模索し続けた主人公、恩地元の生き様を絡ませて描いたフィクションです。

5月末にDVD化されていて、6月上旬にはアマゾンから買っていて、とっくにフランスの送っているべきはずのDVDが8月も中旬になろうかというときにまだうちにある理由は置いといて・・・・


なぜ今日観たかと言うと、やはりこのタイミングだからでしょう。
明日12日は事故から25年目の日なのですよね。

あの墜落事故のことのみを描いた映画ではありません。
ナショナルフラッグを背負う会社であるが故のジレンマ、そこに浸け込む政治家、労組と管理職、社員とその家族。
こういうことって、洋の東西を問わずあるのですよね。


全くピントがずれますが、ナイロビ駐在所に左遷された主人公(=Ken Watanabe)が現地のガイドとともに狩猟に出かけるシーン。
ライオンが、キリンが、トムソンガゼルが普通にいる世界。
こちら側の視線で言わせてもらえば、野良キリン、野良ライオン、野良ガゼルが闊歩する世界。
そんな中に自分の身を置いたら、この年ににしてかなりのカルチャーショックっていうか、パラダイムシフトかも!!(←大げさ?)

観にいくか!!

2010-08-07 20:44:13 | 映画
映画「トイレット
「かもめ食堂」や「めがね」「プール」と同じ監督さん。
この3作、DVDで観ることができたけれど、どの作品も”観てよかった”の評価です(偉そうですが)
今回の「トイレット」は日本人キャストはもたいまさこさんだけだそうですが、センセーという名前の猫が登場。
そして前の3作同様に、映画の中で出てくる食べ物にも興味津々。
「かもめ食堂」を観て、コーヒーを丁寧に淹れようという気持ちになり、「めがね」では梅干が食べたくなり、「プール」ではバナナのから揚げって美味しいそうだなぁと思った次第。
「トイレット」では、餃子の予感。
もちろん、センセーのゴハンも手抜きなしみたい。
8月28日から。


「地上5センチの恋心」観ました

2010-07-19 19:42:56 | 映画
オリジナルタイトルは「Odette Toulemonde
主人公の名前です。オデット・トゥルモンド。

夫に先立たれ、デパートの化粧品売り場で働き、美容師でゲイの息子とニートの娘と暮らす主人公のオデット。
楽しみは、1日の終わりにベッドでお気に入りの作家の小説を読むこと。
ある日、その作家のサイン会に出かけるが、緊張のあまりろくな会話もできず、2度目のサイン会でやっとの思いでファンレターを渡した。
それがきっかけとなり、その作家との共同生活が始まり、その作家の心的危機を救うオデット。その後どうなるのか・・・

ほんわかとした、微妙に説得力もある、よい映画でしたよ。
1日の終わりに、ゆったりとした部屋着(寝巻き)に着替えてリラックスすることの必要性をひっしと感じました。
家で仕事している自分にとっては、簡単な服装(=コンビニぐらいにならサッと行ける程度の服装)で日々を過ごし、夜は夜で短パンにTシャツなんて格好していると、服装で気分を切り替えるのことがなかなかできない。

でも、1日の終わりに昼間してきたことと全く別のことをするのって大事。切り替えは重要です。

気分を切り替えて、やる気をチャージして、また明日もがんばろう。

「オーケストラ」観てきた

2010-05-21 21:44:37 | 映画

今日は銀座の「シネスイッチ」でフランス・ロシア映画「オーケストラ」を観てきた。
もっと前に見るはずだったのが、今日になった。
シネスイッチでは金曜日はレディースデーということで半額の料金で映画を観ることができる。
映画の内容からしても女性が多いのはわかるけど、レディースデーも手伝って95%は女性の観客だった。上映開始1時間近く前に行ったのに、「え?もしかして立ち見なんてことにはならないよね」と焦るほどの人の数・・・。(立ち見にはならなかったけど、前のほうの隅から2番目の席)

さて、肝心の映画ですが、ロシアの元ボリショイ交響楽団の指揮者と元メンバーが、現在のボリショイ交響楽団になりすまして、パリで公演をする、それを実現させるための、ある意味”ドタバタ”映画。でも核になるストーリーは、コンサートで演奏するバイオリンソリストと指揮者の本当の関係は!!!というもの。
最後のコンサートの場面ではホロリタラリと涙もこぼれた。
この映画を観ての新たな発見。ロシア人って以外と陽気!
全編ロシア語とロシア訛のフランス語だったけど、そこそこ楽しめる映画だった。
でも、もう一度観たいかって訊かれたら微妙・・・。

原題は「Le concert」(ル・コンセール=コンサート)「オーケストラ」じゃあありません。


フランス映画祭2010 Le festival du film francais au Japon

2010-03-20 10:16:20 | 映画
行って来ました、フランス映画祭、観てきました「Un Prophete」。

去年のカンヌ映画祭ではグランプリ、今年のセザール賞では、監督賞、作品賞、主演男優賞、助演男優賞など9部門で受賞、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートと、前評判は十分!
おかげで、劇場では前から4列目の端っこの方という、今までの映画鑑賞キャリア(?)の中では最悪の席。でもまぁ、この先、日本で公開されるかどうか分からない作品。もしかしたら、これが最初で最後の日本での上映かもしれないので、めげずにチケット取って観てきました。
それに、映画祭では作品上映後に出演俳優や監督さんが舞台に出てきて観客との質疑応答に応じてくれるので、前から4番目ならよく見えるじゃん!と別の意味で期待もしつつ。

しかぁし!!!
上映開始前にプログラムを買ったら、売り場のお兄さんが「『Un Prophete』だけ、関係者誰も来日してないんですよ、残念ながら」と言われる。かっくり。

気を取り直し、上映開始。
普通の映画と違って、作品開始前に他の映画の予告編を観なくてすむのがいい。とっとと本編突入。

さて、作品の内容は、とにかくハード。12歳以下のよい子は観ちゃだめよ、だけのことはある。
19歳のアラブ系フランス人の少年が6年の刑期で収監された刑務所での日常が淡々とつづられる。コルシカ系囚人とアラブ系囚人の確執、看守との癒着、刑務所の外での繰り広げられる、裏社会の人々の抗争などなど。
これが全部、フランスの真実なら、この映画はやはりすごいと思う。
監督も俳優も。
映画の中では、フランス語だけではなく、コルシカ地方の方言も、アラビア語も出てきた。日本語の字幕が出たから分かるけど、全観客の2割以上は占めていたのではないかと思われるフランス人にとっては、コルシカ方言とアラビア語での台詞は理解不能だったのではないかなぁ?日本語字幕読めればいいけど・・・と余計な心配をしてしまった。

この映画、多分日本では一般公開されない予感。
やはり、映画祭で観といてよかった。だから映画祭は好きなのだ。


ちなみに、一緒に行った相方は、途中で席を立ったきり、映画が終わるまで戻ってこず。
理由は「トイレに行きたくなった。映画が面白くないので戻る気にはなれなかった。あれじゃあ関係者が来日しないのが分かる」と言い放った!(怒)

「ハリウッド映画に慣れきったキミには難しかったね」、と言ってやったが、確かに100%ストンと腑に落ちてああすっきり、の映画ではない。(汗)




La Rafle

2010-03-12 22:58:29 | 映画
この10日にフランスで公開されたばかりの映画なので、日本で公開されるのはいつのことやら・・・そもそも公開されるのか。
ジャン・レノが主演してるので、公開される可能性は、来週フランス映画祭で観ることになっている「Un Prophet」よりは大きいかな?

原題の「La Rafle (ラ・ラッフル)」ラッフルは警察がやる一斉捜査の意味。
1942年、第二次世界大戦中のパリ。迫害を恐れて息を潜めて暮らすユダヤ人。
ある日、フランスの警察がユダヤ人たちを「一斉捜査」である場所に集める。
それは自転車競技場、その名を「Le Vélodrome d'hiver」
自転車競技が盛んなヨーロッパ。
人々はヴェロドゥローム(自転車競技場)に行き、自転車レースを見ながら食べたり飲んだりと思い思いに過ごす。楽しい場所だ。
平和な時代には。
でも、戦時下のドイツ占領下のパリでは、その楽しい場所が、ユダヤの人にとっては絶望への門出の場所となる。強制収容所へ送られるために自転車競技場に集められたのだから。

自転車競技場に集められたユダヤ人たちは、劣悪な環境で収容所に移送されるときを待つ。

で、日本でも有名なフランス俳優である、ジャン・レノは、その劣悪な環境の中に苦しむユダヤ人を助ける医師の役だそうだ。
てっきり、私は、一斉捜査をする警察の親分かと思ったよ。

戦争の暗い影の中にあっても、家族の愛情、1人の人間としての尊厳、正義感などなどを描いた映画は今までにもあった。
どんな状況にあろうとも、人は希望を探し、見つけて、それを糧に生きる希望をつなげるんだなぁ・・・・。(少々大げさ?)

早く、この「La Rafle」観たいものです。