日本語でもそうだけど、フランス語では一度言った言葉をそのあとの文章(台詞)の中で繰り返すのを避けようとします。
代名詞に置き換えたり、ほかの表現にしたり。
この代名詞をどこに置くか、落ち着いて考えればなんてことはないのに、いざ会話となると、サラッと言おうと思うと、ウウウウ・・・・とつまってしまう。
考えなくてもサラリといえるようになるにはやはり、同じような文をたくさん言って口の筋肉を慣らすしかないのか・・・と思います。
きっとそうなんでしょうねぇ。
さて、今日のタイトルの「Je n'y manquerai pas」にも代名詞が入っています。y です。
否定文の中に代名詞が入っている、代名詞恐怖症の私には、とてもオソロシイ文です。
私がこの文に初めてであったのは、ずっと以前のNHKテレビフランス語会話ででした。
細かい設定は忘れましたが、一方の人がアドバイスというか提案をしています。
それについて、もう一方の人がその提案を受け入れ必ずそうする旨を伝えるときに使う表現です。
ジュ・ニ・マンクレッ・パ、という発音です。
この発音、すぐに耳に残りました。どういう設定で使う表現か、ということも分かり易いです。
例えばこんなシーンではどうでしょう
A:図書館の前のイルミネーションがきれいだから、今日の帰り、見て帰れば?
B:へぇ~そうなんだぁ~、じゃ、必ず見てくね。
この「必ず見てくね」がジュ・ニ・マンクレッ・パです。
直訳すれば、「私はそれをすることを逸することはないでしょう」です。
それとは、ここでは図書館前のイルミネーションを見ることです。
そのような細かいことは考えず、これと同じような状況になったら、話し相手から何かを提案されたら、相手の言葉を耳から入れ、頭(脳ってほどのものじゃあないけど)を通さずにすぐに口から「OK,d'accord,Je n'y manquerai pas(OKわかった、必ずそうするね)」が出てくるわたし。
このときに、「yは代名詞で、この文は否定文だから、代名詞は否定のneの後ろに置くから・・・・」なんてことは考えていないのです。
とっさに出てくるジュ・ニ・マンクレッ・パ!なのです。
生活体験、それがたとえ疑似体験でも、文法の本や問題集で身につけるものとは、やはりちょっと違うのでしょうか。
もう1つあります。
Il y en a beaucoup.
これはベルギー人の知り合いとの会話で出てきた表現。
きっと”表現”なんて言うほどのものじゃあないでしょうねぇ、フランス語ネイティブの人たちにとって・・・(余談ですが、今、この記事を書いていて、「フランス語ネガティブの人」として、何かヘンだな、と思った私はボケてるかな?)
Il y en a beaucoup は「たくさんあるよ」って意味です。
陳腐な例で恐縮ですが例えば
A:ベルギーにはチョコレート屋さんがたくさんあるの?
B:うん、たくさんあるよ。
「うん、チョコレート屋さんがたくさんあるよ」、と言わないで「チョコレート屋さん」をenという代名詞に変えて重複を避けているのですね。
en は y の後、動詞の前なんですね。でもそんなことは考えずに、「Il y en a beaucoup」と言えるわたし。
これも、実体験で身に着けた表現なのです。
その言葉(表現)が使われる状況の中で実につけたその言葉(表現)は身につきやすいですね。