「ロングエンゲージメント<Un long dimanche de fiancailles>」を観ました。
わたしの、この映画に関する最大の関心は、ジョディー・フォスターのフランス語、でした。
彼女の役どころは夫を戦争で亡くした未亡人です。
今回はあらすじを
「ユニフランス」のホームページから抜粋しました。
1919年、マチルドは19歳。その2年前、許婚のマネックはソンムの前線へと出征した。数百万の戦友と同様、マネックは"名誉の戦死”を遂げる。そのことは公用通知にはっきり書いてあった。ところがマチルドはこの明白な事実を受け入れようとしない。マネックが死んでいるなら、彼女にはそれが分かるはず。彼女は恋人と自分を未だ結びつける最後の糸にすがりつくように、直勘にすがるのであった。マネックはビンゴ・クレプスキュール塹壕の無人地帯で、他4名の故意に負傷を起こした死刑囚と共に死んだ、と元伍長が言っても無駄。マチルドは糸を決して離さない。彼女は素朴な信仰をもって希望を捨てず、真の裏付け調査を開始する。あらぬ期待、疑念を重ね、マチルドは少しずつマネックと4人の戦友の運命に関する真実を解明していく。
落とし穴だらけの道のりにもマチルダはたじろがない。運命に挑む者には全てが乗り越えることができるように思え…。
このマチルドというのが「アメリ」でおなじみのオドレイ・トトゥです。
ジョディ・フォスターは、マチルドの恋人とともに死んだとされる死刑囚のうちの一人の未亡人です。マチルドが真実を探るためにさまざまな場所へ赴き、たくさんの人々から証言を得るのです。
彼女のフランス語はすばらしいです。
英語訛りが全くといっていいほどありません。
でも、ほかの出演者が全てフランス映画界で活躍している俳優さんなのに、どうして彼女が出演しているのか本当に不思議でした。
DVDには本編のほかにメイキングや俳優さんへのインタビュー映像が入っています。このDVDには映画丸々1本を監督であるジャン・ピエール・ジュネさんが1シーン1シーン、俳優一人ひとりについてコメントしています。
「ジョディー・フォスターのところではなんとコメントするんだろう」と楽しみにしていました。
ジュネ監督いわく「これを撮影しているとき、彼女は『パニックルーム』の吹き替えのためにパリにいた。そして、映画に参加させてほしいと言って来た。キャスティングが殆ど決定した後だったので脇役しかあげられなかった。彼女のフランス語は完璧で、吹き替えなど必要ではなかった」
これじゃぁ理由になっていないよ。
映画解説の最後の部分で監督が「この映画がDVD化されるころには論争も静まっているだろうが、われわれは非常に傷ついた。これは、完全なるフランス映画だ」と言ってました。
はは~~ん、なんかこの辺にあるんだな、と思いました。
配給はワーナーブラザーズだし、映画予告編も最初から英語に吹き替えられていたのが不思議だったのですが、これはまずはアメリカ公開を先に考えて撮影された映画だったのですね。
だから、ジョディー・フォスターがいるんです。
100%フランス(フランス語圏)の俳優さんだったら、アメリカで公開したときに観客を呼べるかどうか不安だったのかもしれません。
ところで、この映画の中で特別に印象に残った女優さんがいます。
名前をマリオン・コティヤール <Marion Cotillard>といいます。
瞳の大きなとても魅力的な女優さんです。
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戦場で殺された恋人の復讐をするため恋人の元上官を殺害し、最後彼女はギロチンにかけられてしまうのですが、刑が執り行われる前にたずねていったマチルドとの会話のシーンでの演技には引き込まれました。
怒りと悲しみの混ざった表情。恋人の形見として受け取った懐中時計の中に小さく折りたたまれて隠されいたメッセージを読んだときの、嬉くて悲しい表情。
このシーンに一番集中したかもしれない、わたくしです。
どこかで観たことのある女優さんだなぁ~~~と思っていたら、映画「TAXI」に出演していました。主人公(プジョーのタクシーをマルセイユの街中でぶっ飛ばすタクシー運転手)の恋人役でした。
マリオン・コティヤール、しっかり覚えたぞ!