原題は「Le scaphandre(潜水服) et(と) le papillon(蝶)」
潜水服とは、43歳の若さにして、突如脳梗塞に見舞われ、ロックトインシンドローム(閉じ込められ症候群)という病気に犯され、自分の自由な精神を自分の不自由なからだに閉じ込められてしまった主人公の状態を、蝶とはその状態に抗いながら自由に羽ばたく彼の精神を表します。
病気で倒れる前は、雑誌「ELLE」の編集長として華やかなファッション業界で仕事をしていた彼、ジャン・ドミニク・ボビー。
有名メゾンのコレクションにも顔パス、パーティの常連、モデルとのお遊びもあって当たり前。
移動手段はオープンカー、それも多分外車。
私生活では奥さんと三人の子供がいて、愛人もいました。
わが世の春だった彼が突然、病に倒れ、動けず話せずの状態になり、唯一の意志伝達手段は左瞼のまばたきだけ。
そんな絶望のどん底に居た彼を、周りの人々が支え、まばたきだけで1冊の本を完成させました。
それがこの映画の原作「潜水服と蝶」です。
映画の公式HPにある予告編を観たとき、言語療法士が「ウイだったら1回まばたき、ノンだったら2回」と言っている場面を見、これでどうやって、他の文字や言葉を表すのだろう疑問に思っていました。
こういうことだったのです。
アルファベット26文字、使用頻度の多い順に並べ替え、言語療法士が1文字ずつ最初から読み上げます。
そして、彼がつかいたい文字を彼女が発音したそのときに、まばたき1回。
そう、アルファベット1文字ずつ、瞼で綴っていくのです。
彼女は文字を書きとめ、彼の言いたいことを推測し、彼に確認します。
彼は本を完成させるために20万回のまばたきをしたそうです。
こんな気の遠くなるような作業を彼にさせたのは、病に侵されてもなおなくしてはいなかった彼の生への執着でしょう。
実際、彼は運動機能訓練士や言語療法士の女性の胸元や唇にセクシュアリティを感じていたし、ユーモアのセンスもなくしてはいませんでした。
ベッドの上でもいつも身だしなみを整え、決してパジャマのままでいることはありませんでした。
身体が思うようにならない。頭脳は明晰なのに。
この絶望的ジレンマに打ちのめされることなく、自分の精神の自立と自由を保持し続けた彼と彼を支えぬいた人々の様子に、生きる強さを教えられた思いです。
潜水服とは、43歳の若さにして、突如脳梗塞に見舞われ、ロックトインシンドローム(閉じ込められ症候群)という病気に犯され、自分の自由な精神を自分の不自由なからだに閉じ込められてしまった主人公の状態を、蝶とはその状態に抗いながら自由に羽ばたく彼の精神を表します。
病気で倒れる前は、雑誌「ELLE」の編集長として華やかなファッション業界で仕事をしていた彼、ジャン・ドミニク・ボビー。
有名メゾンのコレクションにも顔パス、パーティの常連、モデルとのお遊びもあって当たり前。
移動手段はオープンカー、それも多分外車。
私生活では奥さんと三人の子供がいて、愛人もいました。
わが世の春だった彼が突然、病に倒れ、動けず話せずの状態になり、唯一の意志伝達手段は左瞼のまばたきだけ。
そんな絶望のどん底に居た彼を、周りの人々が支え、まばたきだけで1冊の本を完成させました。
それがこの映画の原作「潜水服と蝶」です。
映画の公式HPにある予告編を観たとき、言語療法士が「ウイだったら1回まばたき、ノンだったら2回」と言っている場面を見、これでどうやって、他の文字や言葉を表すのだろう疑問に思っていました。
こういうことだったのです。
アルファベット26文字、使用頻度の多い順に並べ替え、言語療法士が1文字ずつ最初から読み上げます。
そして、彼がつかいたい文字を彼女が発音したそのときに、まばたき1回。
そう、アルファベット1文字ずつ、瞼で綴っていくのです。
彼女は文字を書きとめ、彼の言いたいことを推測し、彼に確認します。
彼は本を完成させるために20万回のまばたきをしたそうです。
こんな気の遠くなるような作業を彼にさせたのは、病に侵されてもなおなくしてはいなかった彼の生への執着でしょう。
実際、彼は運動機能訓練士や言語療法士の女性の胸元や唇にセクシュアリティを感じていたし、ユーモアのセンスもなくしてはいませんでした。
ベッドの上でもいつも身だしなみを整え、決してパジャマのままでいることはありませんでした。
身体が思うようにならない。頭脳は明晰なのに。
この絶望的ジレンマに打ちのめされることなく、自分の精神の自立と自由を保持し続けた彼と彼を支えぬいた人々の様子に、生きる強さを教えられた思いです。