Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

映画を観て、原作本を買うなんて

2008-03-19 12:06:31 | 映画
わたしにとっては珍しいこと。
先日観た「潜水服は蝶の夢を見る」の原作翻訳本を買いました。

読み始めたばかり。
エピソードは時間軸に沿って並べられてはおらず、先に行ったり前に戻ったり。
想像力に欠けるわたしにとっては、前もって観た映画が原作本の理解を助けてくれます。

読み始めたばかりだけど、原語でも読んでみたくなりました。
もちろん、日本語翻訳版を横において助けてもらいながらですけど。

読んだ中での、お気に入りの一節を、ここに書いていいものか?

(以下、「潜水服は蝶の夢を見る」(河野万里子さん訳)26ページからの引用です。)

<きみ>、<おまえ>(tu)というやさしいことばを作るTとUは、引き離されなくてよかったねと、喜びを分かち合っている
(引用終わり)

主人公がESA式アルファベット表(アルファベット26文字を使用頻度によって並べ替えた表)を見たときにどう思ったことを綴った一節です。
フランス語では、英語でいうところのYou(あなた)について、2通りの言い方があります。
親しい間柄での呼びかけに使う場合はTu(テュ)、初対面の人、目上の人、それほど親しくはない人への呼びかけにはVous(ヴ)と使い分けます。
私の場合、フランス語の先生にはVousを使い、スカイプ友だちのジョエルにはTuを使います。

この本の中には左瞼の動き以外の運動機能を無くした作者が、
左瞼のまばたきだけで彼のそれまでの経験や記憶に基づいてつむぎだされる含蓄や味のある文章が溢れています。


ちなみにESA式アルファベットの順序は以下の通りです。
 ESARINTULOMDPCFBVHGJQZYXKW