JR東京駅丸の内駅舎の南ウイング部周辺からJPタワー低層棟の脇を通って駅前広場へ向かいます。2012年7月17日に東京中央郵便局、ゆうちょ銀行本店及び郵便事業銀座支店JPタワー内分室がJPタワーに移転・オープンしました。1990年代の行政改革から2005年の郵政解散までの歴史を振り返りながら散策していきます。
それまで国が運営してきた郵便事業を民間会社に委ねる「郵政民営化」という考え方は、1990年代中盤の橋本総理時代に、初めて政府内で議案になりました。その後1999年(平成11年)に超党派で結成された「郵政民営化研究会」の会長に後の総理となる小泉純一郎氏が就任します。その後小泉氏は総理大臣に就任し、「行政改革の本丸」であると主張した結果、国民的な議論が沸き起こっていくことになります。
JPタワー低層棟の正面玄関の様子です。東京駅丸の内の一等地にふさわしい、堂々としたメインエントランスとなっていますが、人通りはありませんでした。
そもそも丸の内駅舎周辺の人通りがあまり多くはないという問題もあります。やはり東京駅は「乗り換え」のための駅のイメージが強く、新宿駅や渋谷駅などの繁華街としてのターミナル駅とは全く違います。
郵政民営化関連法案は第162回通常国会で一部修正の上、2005年7月5日に衆議院本会議においてわずか5票差でかろうじて可決されたものの、2005年8月8日、参議院本会議においては否決されました。さぁ、これから日本の民主主義というものの意味が問われることになる、約一ヶ月間の「小泉劇場」が開幕されることになります。
南ウイング部前空見上げて撮影したJPタワーです。側面から見たこの高層ビルも21世紀らしい最先端レベルのデザインであると思います。高層棟部分ではもう既に照明が点いているフロアもありました。
2005年9月11日のことはよく覚えています。緑は午前中に地元の投票所へ行ったあとに電車で東京へ向かいました。午後になると東京都心部に真っ黒な雲が現れてものすごい数の雷が鳴っていたと記憶しています。「これは投票率は大丈夫かな」と心配しつつ帰宅して、その日の夜にテレビをつけると午後8時の時点で小泉氏の圧勝でした。
南ウイング部脇のはとバス乗り場前から丸ノ内駅舎を撮影してみました。工事用の仕切りが取り払われたら、そこの部分は歩道になるのでしょう。早く取り払われて欲しいです。
小泉氏圧勝と知って緑は「ほっとした」というのが正直な本音です。「ようやく地方(田舎)の人たちの少数意見よりも、大都会に住んでいる多数の意見を、日本の政治家の人たちが大事なものであると見てくれるようになった」のです。日本では昔から田舎の人たちは正しくて、大都会に住んでいる人間は偏屈者ばかりという「偏見」があったことは、緑も「いいかげんにしてくれ」と思っていたところです。
横断歩道を渡ってJPタワー側の歩道を歩いて丸ノ内駅舎方向へ戻ります。時間帯にもよりますが、丸ノ内駅舎がJPタワーの陰に隠れて、建物が真っ暗に見えてしまうことがありますが、この日は見事に嵌ってしまいました。
南ウイング部の南半分だけが唯一陰に隠れていませんでした。再建された赤レンガのきれいな色が青空を背景に光り輝いています。
しかし、再建された3階部分の赤レンガと以前のまま流用された1・2階部分の古い赤レンガの部分の差があまりにも目立ちすぎる気がします。
小泉氏が圧勝した後の特別国会で10月14日に同内容の関連法案が可決・成立されました。発行済み株式の持株会社である「日本郵政株式会社」を頂点に、「日本郵便」「郵便局株式会社」「株式会社ゆうちょ銀行」「株式会社かんぽ生命」の4つの会社二分割されました。
南ウイング部の南端付近にある尖塔を真横から撮影してみました。復原工事が始まる以前は、創建当時の駅舎にこのような尖塔が存在していたということも知らなかったです。
JPタワー低層棟のメインエントランス前に戻ってきました。再び横断歩道を渡って丸の内駅舎を眺めていきたいと思います。