みどりの野原

野原の便り

4月26日 宇陀 松山 町並み巡り

2011年04月26日 | Weblog
大宇陀の松山地区を案内してもらった。
案内のTさんによると宇陀松山は「まっちゃま」と読むらしい。
商家の街並みは「松山伝統的建造物保存地区」に選定されている。
 
元油屋 明治5年から酒造業を営む芳村酒造 袖うだつ(2重うだつ) むしこ窓 犬矢来   右)久保酒造 『大正期に全国でも数少なかった自動車を購入し、大宇陀~桜井間でタクシー会社を始めた。これが奈良交通の前身となる』

静かな町だがここには新進の気風があったらしい。
Tさんの話では、その第1号の自動車にはナンバー「1」が付与され、その後県知事が車を購入された際「1番」の番号を譲ってほしいと話があったが断り、結局知事さんの車は「0番」になったとか。

森野旧薬園 
吉野葛の製造のお話を聞いた。 

 
澱粉の原料の葛の根 深山の雑木林で採掘される。昔はこの辺りでも太い葛の根が採れたんだろう。自転車の荷台に「葛の根」を積んだ人を見たことがある。 葛は繊維が多く澱粉は1割だとか。    右)現在は撹拌のみ機械化

根を砕き搾り汁を何回も何回も撹拌して10回ぐらい水を変えると、しょうゆ色の液が真っ白になる。それを沈殿させて3カ月ぐらい乾燥すると固まった葛粉が出来る。
ここは標高350m、冬の寒さ・豊富な地下水がないと葛粉づくりは出来ない。   井戸は3つ掘ってあるという。 


裏山から見た沈殿槽(というのかな?)

「吉野でできて宇陀紙、宇陀でできて吉野葛」と言われる。葛はできた製品を吉野の花見客や大峰詣での人に売ったところからそう言われるとのこと。また宇陀紙は流通に宇陀商人が深く関わったところから。

裏山の薬草園を見学。


新芽の色の鮮やかなモミジ もう少ししたら緑色になる。秋の紅葉より今が一番きれいらしい。
天然記念物に指定されている樹齢300年と言われるハナノキの大木もある。

 
       オドリコソウ           イカリソウが見頃

 
カタクリはもう遅い 咲き残っていたもの      ハシリドコロ

 
       バイモ見頃             カラクサケマン  

ゆっくりしたいところだが次へ急がねば・・

 
黒川家   街並みの家の前には宇陀川から引かれた前川という水路が両側にある。

 
    山邊家住宅                    薬の館(休館)

 
春日神社は松山城(旧秋山城)の城跡のあるところ。 
            右)松山城 西口関門(黒門) 徳川初期のものだという。

  
宇陀川は名張から木津川~淀川へと流れる。  右)かぎろいの丘 毎年11月17日にかぎろいを見る会が行われる。5年連続してきたという人もまだ見れてないらしい。
軽の皇子が亡き父草壁皇子(後の文武天皇)の追慕のために阿騎野に狩りをした時に供の柿本人麻呂が詠んだ「ひむがしの野にかぎろいのたつ見えてかえりみすれば月かたぶきぬ」の歌碑が立つ。
東には遠く高見山が見えた。
   
宇陀は飛鳥時代から「阿騎野」と呼ばれ、宮廷の狩り場・薬草採りの場であったらしい。
なぜ宇陀か? 水銀産地であったこととも関係があったらしい。仙薬水銀成分を間接的に取り入れたのではとのお話も聞く。
コメント
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