最寄りの石田駅から緩い登り。
標高60mという山手にある京都薬科大学付属薬用植物園に到着した。
冷たい麦茶をいただいて、クールダウンも兼ねてと、室内で説明を聞く。
その昔には桓武天皇のお狩場だったといい、田や茶畑があったというこの地へ薬用植物園が移転して50年になるとのこと。キツネやタヌキやウサギやアナグマを見かけることもあるという山裾にある。
薬科大学は6年生で、薬用植物の栽培を通して研究がなされているとのこと。
味や収量を求めて品種改良される野菜と違って、漢方薬にするものは古くから使用され、同じ処方で利用されてきた安定したもの。
また同じ植物を栽培しても薬事法?で成分試験に通らないと漢方薬にすることはできない。
漢方薬は目的にあった植物・薬用部位・最適な採取時期などが重要だそうだ。
漢方というのは日本の言い方で、中国では中医というらしい。
体から暑さも引いたところで薬用植物園を案内していただく。
甲子園のグランドと同じぐらいの広さの畑に約1000種の薬用・民間薬・染料・香料などの有用植物が植えてある。
垣根のテンダイウヤクに果実が付いていた。昔、秦の始皇帝が徐福に不老不死の薬草を探させたという伝説がある。 右)カギカズラ 葉の付け根のカギの付き方も不思議だが、このカギだけが薬用にされるというのも不思議。
アマチャ 花まつりの後飲んだ甘茶の味を覚えているが、生の葉を齧っても甘くはない。
甘茶になるまでには洗って・陰干しして・密封して・発酵させて・揉捻して・乾燥して・・と大変な手間がかかるそうだ。ヤマアジサイとの区別もつきにくいので注意が必要。
ラムズイヤー 葉はふわふわ羊の耳 ボリジ エディブルフラワーとして有名だが、妊娠中の人など食べない方がいい人も。よく調べてから食べよう。
きれいなブルーのコガネバナ なぜこれが黄金花なのか?尋ねてみると、根の断面が鮮黄色らしい。納得 右)カルドン 茎を食用にするとか。食べたことがない。
シロバナムシヨケギク 除虫菊のこと。蚊取り線香の原料になる。
右)アメリカホドイモ 地中にできる肥大した根茎を食べるらしい。
トユウキンレンはバナナの仲間 オレンジの苞の付け根に花が咲く。右)葉
マオウ(マオウ科)雄花が咲いていた。シナマオウやフタマタマオウなど種類があるらしい。
見た目はトクサやスギナにそっくりなのにシダではなく、裸子植物
葉は退化して鱗片状になり節に付く。マオウは葛根湯などに配合される。
カレープラント カレーのような香りがするが、カレーには用いられない。
右)ステビア 甘味料にされる。葉を齧って味見をしたが、いつまでも口の中に甘味が残る。
あまり後口はよくない。
塩ビ管や太い竹筒に植えられているのは根が長くなる植物。手前のイトヒメハギは生薬名を遠志(えんし)という生薬。物忘れの効能が見直されているとのことで、身を乗り出す。
右)対馬だけに自生するというオウゴンオニユリ 対馬で花を見た。もうすぐ開花しそう。
オオツヅラフジ パクチーについていたアカスジカメムシ
園内をたっぷり案内していただいて、薬用植物園を後にする。
帰り、近鉄電車が人身事故で普通というハプニングがあり、京都駅からJR経由で帰ったので帰宅がずいぶん遅くなった。