本町駅からほど近い「日本綿業倶楽部見学」 企画してくださり参加。
ランチと見学
綿業会館とも言われるこの建物は昭和6年、紡績業が盛んで黄金時代と言われる頃、東洋紡績専務の岡常夫氏の遺言による寄付と、関係業界からの醸出金を基金に建てられた会員制のクラブハウス。
設計は渡辺節氏による。平成15年に国の重要文化財に指定された。
本館1階の会員食堂でお食事を済ませてから館内を案内していただく。
本館1階 会員食堂
天井の装飾が素晴らしい。ガラス窓の上部には透かし彫りが施してある。
右)一見石に見える壁は実は木製。食器の音や話し声が反響しないための吸音の工夫とか。
階段を上ると2階には回廊が巡っている。
回廊から玄関ホールを見下ろす。
中央には東洋紡績取締役の岡常夫氏の銅像。(戦争時の金属供出により複製だとか)
本館3階 談話室
左奥に見える壁は・・下の写真のタイルカーペット
右)ソファーは元は皮貼りだったが、供出し、今は布製。
光が写り込んでうまく撮れなかったが、壁一面のタイルは見事の一語。
京都にかつてあった泰山製陶所製作の泰山タイルというものらしい。
本館3階の会議室
前後は鏡になっていて、鏡の間とも言われる部屋。
右)カーペットは中国から取り寄せた1枚物の段通という。すごい!
床は大理石貼り。アンモナイトの化石入り。
地下1階 会員用 グリル
ここも細かいタイルが貼り詰められていた。 壁に象嵌の装飾
螺旋階段
美しい螺旋階段 手すりに嵌め込まれた 竹?籐?の細工装飾
金属や皮など戦時の供出でなくなったものもあるが、窓には鋼鉄ワイヤー入り耐火ガラスを使用していたため戦火も免れたという。好みに合わせて選んでもらえるように部屋ごとに様式を変えたデザインにしたり、空調の普及を見越した設備(ダクトを広くして内臓)や地下にスペースを取るなどしているとの説明。すばらしい設計力に感心した。