もう少しで10月になる、少し早いがコスモスが咲く頃だ、南米原産の割には日本人の感性に合う花でこの花が好きだと言う人は多い、どちらかと言うと体育系の男性が多い様な気がする、自分は趣味で写真を取るのだがアルバムを見て照れたように「俺、コスモスって好きなんだよな」と言う友人を何人か知っているが花がどうのと言う様なタイプではない奴が多かった。信州から上州に抜ける国道がコスモス街道と名づけられている、何度か走ったが綺麗に満開になっているのには有った事が無い、佐久から大仁多に向かう下り坂の手前、田圃の中を川に沿って走っていると途切れ途切れに植えられていたが返って風情が有った、最近は休耕田を綺麗に花畑にしたり、公園のアプローチ全体をコスモスで埋め尽くしたりするがこの景色はどうしても写真にはし難い、結局空をバックに何本かをアップで撮る様になる。甲州街道を甲府盆地から笹子に向かって登り始めると途中から大菩薩峠に入る道がある、この道を上がると武田家終焉の地と言う場所があって其処に寺が有るのだが、其処から少し手前を右に折れると一軒宿の嵯峨塩温泉と言う旅館がある、もう何十年も前に友人達と其処に泊まって忘年会をやった事がある、此処の料理が変わっていて大きめの猪口の様な器に色んな料理が多種多様に出て来る、数えたら16品有ったと思う、この旅館から林道を少し上がったところに磨崖仏が有って車は入れないので岩を削いで作った道を横に這うように入って行く、岩肌の下は田圃でもう稲は無かったが其処に数株のコスモスが枯れ残って咲いていた、東向きか南向きだったのか磨崖仏はもう陽ざしが落ちていてコスモスに夕陽があたっていたのを撮って来た、気に入っていたが写真はもうすっかり色が抜けてしまった、その後何度もコスモスを見に行くがこの時のコスモスが一番印象に残っている、都内近くはどうしても人が多く多くの写真愛好家が取りに来ているが何割かの心無いアマチュアカメラマンは禁止された区域に入って撮る者が出て来る、子連れで花を見に来ているのに情けないと思う、どんなに見た目が綺麗に撮れても何処か違う気がする。浜離宮に群生する黄色いコスモスは確かにメキシコ原産だと思わせる花だが中央高速のインターに植えてある大キンショウ菊と言う花と良く似ていてたおやかな感じのする秋桜と言うイメージとは若干違う、あのむさい男達がすきなのはやはりあの「秋桜」の方だろう