CubとSRと

ただの日記

難行、苦行、普通の行

2019年05月12日 | バイク 車 ツーリング
 コーティング後一ヶ月の洗車点検をしてもらった昨日。
 折角出て来たのに、このまま家に帰る・・・わきゃあ、ない。
 点検が終わったら、当然そこらをうろうろすることにしていた。
 先日から、カブだったりSRだったりで数回行っている喫茶店まで行って、早めの昼食を摂ることにする。
 失敗したなと、昨晩から思っていた。今日は昨日以上の上天気らしい。
 起きてみたら、こんな時に限って天気予報は完璧に現実のものとなる。
 真夏かと思うくらいの雲一つない青空で、駄目押しに全く風が吹いてない。
 こんな上天気じゃコペンでの散歩(?)には却って不向きだ。気持ち良さよりきっと暑さからの不快感の方が勝つ。
 
 そんなことグダグダ言ってたってしょうがないから、朝食を摂り、約束の時間に間に合うよう店に行く。半時間ほどで洗車が終わる。屋根を開けて、目的地に向かって走り出す。

 で、予報はやっぱり当たっていた。気温がどんどん上がる。風は、ない。
 郊外の道だから渋滞することもなく、ダム湖沿いの日陰の道を走る。ここまでは言うことは無い。
 それを過ぎたら炎天下。
 店に着いて、スパゲティーを食べ始めたが、とうとう辛抱できずにジャケットを取る。
 薄手のジャンパーだから寒さしのぎには全くならないが、暑さ強化には効果(?)があったらしく、だいぶマシになった。
 店に置いてあったバイク雑誌の記事に、
 「雨中のバイクは『苦行』をしているようなもの」
 、みたいな言葉があって、なるほど確かに、と思わされた。
 苦行、とまではいかないかもしれないけど、辛さに耐えて目的地に向かう感じには、「行」みたいなところは、ある。
 「行」というのは、目的地点に辿り着くために、無心になってひたすら「何か」に取り組むことだ。辛いけれど、その先に、必ず目的地点に近付けるという灯りが見える。
 対して、本当にそこに行けるかどうかわからない不安の中で、師匠の叱咤激励だけを支えに取り組む。そんなのがきっと「苦行」なんだろう。
 「難行」になると、もっと技術的なものが絡んでいそうだ。
 そう思って見ると、「雨中のバイク」は、苦行、とは少し違うような気がしないでもない。何故って、これ、それなりに楽しい時もあるから。
 雨に打たれながら、雨具の隙間から雨水が入って来て気持ち悪い思いをしながら、でも、目的地に着いた時の充実感というか爽快感というか、そんなものは「行」にはない感覚だ。
 言ってみればジェットコースター等の遊具で怖い思いをしながら、絶叫したり悲鳴を上げたりしながら、でも終わった時の
 「あ~面白かった!」
 、の一言を発するために、また乗る、といったような。
 自分だって、以前に日記に書いたように土砂降りの中、対向車が轍にたまった水を盛大に撥ね上げる、そいつがまるでバケツの水を叩きつけるように襲い掛かってくる、その時の衝撃をうんざりしながらも面白がっていた。勿論、折角雨具を着けていたけど、着ていたものは随分濡れた。
 
 そんなことを考えると、却って「雨中のバイク」より「夏のコペン」の方がよっぽど「苦行」かも。開けて走っていたら、の話だけど。
 自身は閉めて走ることは、まず、ない。
 雨が降ったらその限りではないけど、雨が降ったら、基本、乗らない。

 「夏は暑いので、乗りません。バイクの方が良い」
 そう言うと、店の人が
 「だったら、オープンカーって乗る時期はほとんどないですね」
 、と言う。
 「いや、乗れないのは夏だけですよ」
 「でも、冬は寒いでしょ?」
 今度は店の主人が
 「窓閉めて、足元はヒーターがあるから、寒くないんだ」
 中らずと雖も遠からず。
 「バイクと違って、周り全部囲まれてるから。風が当たらないんで寒くないんです」
 「へえ~。寒いだろうなあと思って見てました」
 「そうでもないんですよ。寒いより暑い方が嫌になります」
 
 取り組んでいる途中、何かしら変化が感じられれば、それは意外に辛くない。そして充実感がある。
 夏の熱さは単調に、強力に攻め続けてくる。
 冬の冷たさは巻き込む風と共にやって来るから変化ばかり。
 単調に見える攻撃。変化がみえない圧力。
 恥も外聞もなく、見得も体裁も関係なく、ひたすら同じ調子で攻め続けられると、これはおそろしい。

 ん?どこの国とか政党とか、は、言わないけど。


コメント
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