「段取りが大事」、なんて言ってその中身は、というと
①近所の迷惑にならない時間に、
②明るい場所で、
③汚れても構わない服装で、
④老眼鏡を用意して、
⑤手順通りに。
・・・・これのどこが「段取り」なんだ!?
と言われそうだけど、本人は真面目に、真剣にそう思っている。
何故なら、一昨日、これらをいい加減にして取り掛かり、結局、時間切れ、敗退となったのだから。
(夕方、5時を回って、出掛ける用意をしたまま、勘で分かるだろうと手探りで「取り敢えず」始めた。これでうまくいく、ってのは何度もそういう経験をしてきて目をつぶっていてもできるくらいに慣れた者だけだろう。)
9時前、ガレージに行き、カブを日当たりの良い階段下に突っ込む。
まず、エアスクリュー。規定値に戻すため、右回し。止まるところを見つけ、そこを基点として今度は左に一回転半と八分の一、回す。これが設定値(設定地?)。
次に、先日緩め過ぎたのではないかと思っていたアイドルスクリューを、これも右回し。
大体こんな感じだったかな、と思いながら、とにかくキック。回りそうで回らない。
でも、何だか一昨日より希望の持てる音がする。
念のために燃料コックをリザーブに切り替える。数回踏むが、踏むたびに希望の音が遠くなる。
「もしかして?」
チョークレバーを元に戻し、キック。スロットルを少し遅れ気味に回したら、嘘みたいに呆気なく掛かった。
ここまで数分。
やれやれ、だ。やっぱりいい加減なことをしちゃいけない。
「同じ人間。時間はかかったって出来ない筈はない」
だからこそ、身も心も、片手間ではなくちゃんと準備をしなければ、できる筈がない。
さて、第二段階。何とか掛かったエンジンが、或る程度暖まってくるとアイドリングが高めで安定する。
今度はスクリューを緩め、アイドリングを通常の聞きなれた回転音になるまで落とす。
・・・・・OK。
次は第三段階。ここが一番の問題。通常回転で安定したところで、スロットルを回す。エンジンの回転が上がる。
二、三回煽ると回転が上がったまま狂ったように回る。これが問題で、以前バイク店でほんの十数秒でちょいちょいと調整されたところ。エアスクリュー。
このエアスクリューというものの存在も知らず、三十数年乗っていたわけだ。
こいつを締めれば回転は落ちる。けど、今度は回転を上げようとスロットルを回せば、霧状のガソリンが濃くなりすぎて不完全燃焼を起こす。ノッキング(息継ぎ)を起こし、回転が上がらなくなる。
高回転になっているのを、なだめるようにスクリューを右に回し、締める。
手綱を引いて「そんなに焦らずとも良いぞ。どうどう」と言い聞かせる気分。
ちゃんと回転が落ちて、安定するが、やや不自然な安定で、スロットルを急に開けると息継ぎをするだろうと予想できる。
今度は、また手綱を緩めるようにスクリューを緩める。緩めて、またスロットルを回し、煽ってみる。
さっきよりも低いが、落ち着かない高回転。
またちょっと締め、ちょっと緩め、を繰り返す。数回繰り返すうちに、スロットルを回してあがった回転が、スロットルを戻すと瞬間に元のところまで落ちるようになる。
時間にして、今日は十分もかかっていないだろう。
一昨日はいい加減に始めて、おそらくは一時間以上格闘して敗退した。
しかし、上手くいった、と 手放しで喜べないことが。
もしかして、もしかして、一昨日エンジンが掛からなかったのは、ガソリンがなかったから、とちゃうか?
今日は念のために、と初めからリザーブにして取り掛かったんだから。
けど、まあいいか。仮にそうだったとしても、今回初めてキャブレター調整というものを自分でやった、という事実は消えない。そして、その手ごたえは大きいんだから。
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①近所の迷惑にならない時間に、
②明るい場所で、
③汚れても構わない服装で、
④老眼鏡を用意して、
⑤手順通りに。
・・・・これのどこが「段取り」なんだ!?
と言われそうだけど、本人は真面目に、真剣にそう思っている。
何故なら、一昨日、これらをいい加減にして取り掛かり、結局、時間切れ、敗退となったのだから。
(夕方、5時を回って、出掛ける用意をしたまま、勘で分かるだろうと手探りで「取り敢えず」始めた。これでうまくいく、ってのは何度もそういう経験をしてきて目をつぶっていてもできるくらいに慣れた者だけだろう。)
9時前、ガレージに行き、カブを日当たりの良い階段下に突っ込む。
まず、エアスクリュー。規定値に戻すため、右回し。止まるところを見つけ、そこを基点として今度は左に一回転半と八分の一、回す。これが設定値(設定地?)。
次に、先日緩め過ぎたのではないかと思っていたアイドルスクリューを、これも右回し。
大体こんな感じだったかな、と思いながら、とにかくキック。回りそうで回らない。
でも、何だか一昨日より希望の持てる音がする。
念のために燃料コックをリザーブに切り替える。数回踏むが、踏むたびに希望の音が遠くなる。
「もしかして?」
チョークレバーを元に戻し、キック。スロットルを少し遅れ気味に回したら、嘘みたいに呆気なく掛かった。
ここまで数分。
やれやれ、だ。やっぱりいい加減なことをしちゃいけない。
「同じ人間。時間はかかったって出来ない筈はない」
だからこそ、身も心も、片手間ではなくちゃんと準備をしなければ、できる筈がない。
さて、第二段階。何とか掛かったエンジンが、或る程度暖まってくるとアイドリングが高めで安定する。
今度はスクリューを緩め、アイドリングを通常の聞きなれた回転音になるまで落とす。
・・・・・OK。
次は第三段階。ここが一番の問題。通常回転で安定したところで、スロットルを回す。エンジンの回転が上がる。
二、三回煽ると回転が上がったまま狂ったように回る。これが問題で、以前バイク店でほんの十数秒でちょいちょいと調整されたところ。エアスクリュー。
このエアスクリューというものの存在も知らず、三十数年乗っていたわけだ。
こいつを締めれば回転は落ちる。けど、今度は回転を上げようとスロットルを回せば、霧状のガソリンが濃くなりすぎて不完全燃焼を起こす。ノッキング(息継ぎ)を起こし、回転が上がらなくなる。
高回転になっているのを、なだめるようにスクリューを右に回し、締める。
手綱を引いて「そんなに焦らずとも良いぞ。どうどう」と言い聞かせる気分。
ちゃんと回転が落ちて、安定するが、やや不自然な安定で、スロットルを急に開けると息継ぎをするだろうと予想できる。
今度は、また手綱を緩めるようにスクリューを緩める。緩めて、またスロットルを回し、煽ってみる。
さっきよりも低いが、落ち着かない高回転。
またちょっと締め、ちょっと緩め、を繰り返す。数回繰り返すうちに、スロットルを回してあがった回転が、スロットルを戻すと瞬間に元のところまで落ちるようになる。
時間にして、今日は十分もかかっていないだろう。
一昨日はいい加減に始めて、おそらくは一時間以上格闘して敗退した。
しかし、上手くいった、と 手放しで喜べないことが。
もしかして、もしかして、一昨日エンジンが掛からなかったのは、ガソリンがなかったから、とちゃうか?
今日は念のために、と初めからリザーブにして取り掛かったんだから。
けど、まあいいか。仮にそうだったとしても、今回初めてキャブレター調整というものを自分でやった、という事実は消えない。そして、その手ごたえは大きいんだから。
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