産経新聞の阿比留記者が、寄稿されていました。
社報二頁分の記事だから、ここには二、三回に分けて転載しようと思います。
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「靖國参拝反対論の迷妄と矛盾」 阿比留瑠偉(産経新聞社政治部編集委員)
今春の靖國神社例大祭は、コロナ禍のため参列がかなわなかったが、先日届いた山口健史宮司の挨拶文には、次のように記されていた。
「四月二十二日の当日祭には畏くも天皇陛下より勅使の御参向を賜り、また各宮家より御玉串料の御献進を賜りました。皇室の当神社にお寄せくださいます格別の御崇敬は誠に有難く、御祭神のお慶びはいかばかりかと感に堪えぬ次第でございます」
皇室の「格別の御崇敬」があるにもかかわらず、天皇陛下のご親拝がなかなか実現しないのはなぜか。また、安倍晋三首相の参拝も平成二十五年十二月に行った後、途絶えているのはなぜか。
一つの理由は、先の大戦での被害を理由に中国や韓国が反発し、国際問題化するのを避けるためだろう。
もっとも韓国が首相や閣僚の靖國参拝に正面から反発し始めたのは比較的に遅く、現在の文在寅大統領の師匠に当たる廬武鉉政権の頃からである。
当時、知人の外交官が韓国当局に「日本は韓国とは戦争していないのに、なぜ反対するのか」と聞いたところ、こんなあやふやな返答があったと聞く。
「だって、中国が反発しているからわが国もなにか言わないといけないと思って・・・・」
それならば、中韓を黙らせるにはどうしたらいいか。あるとき安倍首相に、日本と戦った当事国である米国のトランプ大統領の来日時に、一緒に靖国神社に参拝したら、中韓も強いことは言えなくなるのではないかと提案したことがある。
安倍首相はこう答えた。
「それができたら一番いいが、相手にもいろいろ事情があるからね」
この案については検討を続けてほしいが、ともあれ、仮に海外からの雑音が聞こえない状況になっても、国内ではヒステリックな批判が収まらないことも予想される。
それは朝日新聞など左派マスコミもそうだし、学者や文化人と呼ばれる左派勢力も感情的な否定的意見を唱えることだろう。また、それだけでなく政府・与党内からも慎重論・反対論が出るのは残念ながら間違いない。
朝日新聞は支離滅裂で、戦後しばらくは天皇陛下や首相らの靖國参拝に何ら異を唱えていなかった。
それどころか、昭和二十六年十月七日付朝刊では靖國神社に祈る米国の青年を称える記事も掲載している。
記事は「靖國に祈る米国青年」「身代わり立てて参拝」「帰国後も真心ささぐ五年」と三本も見出しを立て、写真も二枚使用している。東京裁判の国際検事団付として来日していた米国の青年が、帰国して警察官になった後も、日本の友人に身代わり参拝してもらい、奉納金も送っているーーとの内容である。
朝日新聞は、青年が靖國神社に寄せた次のような手紙も紹介している。
「靖國神社にねむる”みたま”たちの大きな犠牲が忘れられるなら、それは日本の悲劇だ。なんとなれば、独立してゆく日本の将来は、悲しみと栄光を持つ過去の上に打ち立てざるを得ないからだ。日本のみなさん、どうか”みたま”へ祈りを」
現在の朝日新聞記者に、自社の過去記事だとは知らせずに読ませたら「右翼的だ」と罵るのではないか。
こんな立派な記事を載せていた朝日新聞が後に、アジア諸国に首相の靖國参拝はけしからんと「ご注進」し、それにまず中国が、やがて韓国が飛びつき政治問題化させたのだからグロテスクな話である。
(以降、次回)
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今回は記事の半分を転載しました。
「靖國参拝反対論」は大きく国内と国外の二つに分けられるのだけど、能々みると国内からのものが大半で、国外の中心である中韓だって日本国内からの焚き付けが主因になっているようです。
前半の転載分である今回は、アサヒの非道(阿比留記者からすれば『支離滅裂』)が際立っていましたが、次回分にはまさかの外務省(まさか、じゃない?)の非道さが書かれています。