「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)8月7日(金曜日)
通巻第6612号
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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戦後の歴史教育を根底からひっくり返す落合史観
「嘘の博物館」が中国の近現代史講義、騙しのテクニックの仕組み
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落合道夫『日本と世界を騙しに騙した中共の正体』(ハート出版)
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「シナ事変」から「武漢肺炎」まで、嘘、嘘、嘘のオンパレードである。
中国共産党は政治プロパガンダの天才。歴史をねじ曲げることなんぞ、屁でもない。
自分が犯した兇悪犯罪、虐殺など暗い出来事はすべて頬被りするか、他人がやったことにすり替える。南京大虐殺然り、上海事件しかり。しかも悪質なるは、こうした嘘の上塗りを日本のメディアが臆面もなく続けて、利敵行為を展開していることだ。後者はもっと悪質かつ犯罪的な行為ではないのか。
武漢ウィルスでも私たちは中国の吐く嘘の数々を目撃した。
「中国も被害者である。アメリカ軍が仕掛けたのだ。中国は医療チームを各国におくり、世界から感謝されなければいけない」と白々しくのたまわった。
欧米の賠償請求に対しては「中国に責任はない」と高飛車な「戦狼外交」を展開する。凄いなぁ。
かの「731部隊」はあまりの不衛生な中国から疫病を少しでも減らそうとした専門家ぞろいの医療チームだった。ところが、いつのまにか人体実験とかにすり替えられ、共産党の宣伝にうっかりのった森村誠一は『悪魔の飽食』で赤恥をかかされた。
中国の共産革命とは、毛沢東の天下取りのための易姓革命であり、革命の功労者は、邪魔になれば全員を粛清した。共産革命で中国は良くなると信じた多くは騙された。
劉少奇に人気を奪われそうになると、毛沢東はあらゆる手を使って文化大革命をおこさせ、さんざん利用した紅衛兵も、用が済めば、さっさと下放させて、用済みとした。中国の学生、インテリ、民衆もまた毛沢東に騙された。
一番騙された被害者は誰か、日本である。
それにも拘わらず、多くの日本人はまだ洗脳されて、まるで日本が悪いことをしたような錯覚、つまり催眠術に引っかかっている。それほど中国共産党が繰り出すプロパガンダが巧妙、秀逸ということになる。
以下、本書はシナ事変、上海事変の正体、西安事件の裏側、スターリンの大謀略、国共合作の失敗、革命の裏側と戦後の毛沢東の陰謀等々、これまでの歴史書がスルーしがちだった謀略工作に重点を置いて、近代史を整理整頓したもの、通読すると頭がすっきりする。
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(転載了)
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日清戦争開戦前の「長崎事件」は言うに及ばず、どう考えたって国民党にしかできなかった筈の南京事件(大事件)を日本がやったと、(その場にいなかったのに)主張し続け、断罪しようとするシナ。尖閣諸島の周辺に「釣魚島は中国の物」と彫り付けた碑を何本も放り込んだシナ。これなんか、つい最近のことですけど、火器管制レーダー照射、ってのもありました。
「人の噂も七十五日」、と言いますが、彼の国は、そのことの起こった理由(事情)を世間が忘れたころを見計らって、行動を開始します。「正しいのはオレだ」、と。
情報が瞬時に世界を駆け巡る現代社会では「どの口が言うか」と速攻で反撃されますが、恬として恥じない鉄面皮。
そして、数十年後(数年後)には、「ずっとそうだった。正しいという記録(?)がある」と言い張る。