「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)8月18日(火曜日)弐
通巻第6623号
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民主党大会直前のCNN調査。トランプが明瞭に巻き返した
バイデンとの差が14%から4%に劇的に縮小(CNN)
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あの「トランプ叩き」で悪名高きCNNの世論調査が8月17日に発表された。
トランプとバイデンの差が4%に縮小していたことがわかった。六月の同調査は14%の開きがあった。通常、5%から6%程度の差は誤差の範囲だが、14%もの開きではさすがにトランプ選対に赤信号がともった。
そのうえバイデン陣営はハリス上院議員を副大統領候補に指名し、左翼メディアは「素晴らしい選択」と褒めあげた。したがって支持率はもっと上がる筈だった。
ハリス女史は父親がジャマイカ、母親がインド人。このためインデでは多くのメディアが騒いだ。
バイデンがハリス上院議員を選んだ理由は(1)女性(2)非白人(3)マイノリティ出身という三大原則によるもので、彼女の政治的資質も政治的哲学、思想、政策履歴もなにも問わなかった。
ここでリアルを有権者がみることになった。
アルツハイマーのバイデンは途中で降りることになる。大統領という激務にも耐えられないが、自宅の地下室からテレビを通じてだけの選挙戦。失言を怖れて録画する。
18日から始まる党大会にも出席せず、テレビ会議方式になる。ということは、もちろんバイデンが当選しても、四年も大統領職を続けることは考えにくいから、途中からハリスが、大統領になる可能性が高まる。
それが不安を掻き立てることになったのではないか。
とはいえ、ミズーリ、ウィスコンシン、フロリダ州などで、共和党と民主党はデッドヒートを繰り広げており、とりわけ中西部農業州とラストベルト地域で、トランプはひとつでも落とせば、再選に距離ができる。
もとより西海岸とハワイ、ならびに進歩派とリベラルが圧倒的な東海岸の北東部は共和党が弱く、NY州、ワシントンDC、ハワイもバイデンに行くだろう。
このあとの決戦はテレビ討論になる。
惚け老人のようなバイデンと、かたやエネルギッシュなトランプの舌戦が展開されると、一般的印象としても、パワフルな候補者が有利である。
そこで民主党支援のアジビラ的なNYタイムズが、このテレビ討論会を中止しようと言い出したのだ。
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・副大統領候補にハリス上院議員を選んだ理由は女性・非白人・マイノリティーという外面のアピール要素から。肝腎の政治的資質も政治的哲学、思想、政策履歴も不問。
・バイデンが当選しても、途中からハリスが大統領を引き継ぐ可能性が高い。
(政治的資質・政治的哲学、思想、政策履歴等は現時点で全く考慮されてないのに?)
・パワフルな候補者が有利なテレビ討論会で、バイデンがトランプを凌駕することができるか?
(そこで民主党支援のアジビラ的なNYタイムズが、このテレビ討論会を中止しようと言い出した)
四年間続けられるか、体力面のみならず、精神面でも不安のある大統領候補。
大統領職を途中から引き受けなければならないかもしれないのに、政治能力、姿勢が未知数な上に、つい先日まで大統領候補であるバイデン氏を酷評してきた副大統領候補。