CubとSRと

ただの日記

相続

2020年12月12日 | 重箱の隅
 アメリカの大統領選挙投票日
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       加瀬英明
 
 アメリカの大統領選挙投票日の6日後に、多年の同志である評論家の宮崎 正弘氏とテレビで対談した。宮崎氏は新著『中国解体 2020』を出版 したばかりだった。
 世界が注目していたアメリカの大統領選挙は、大混乱だ。民主党のバイ デン候補は勝利宣言を行ったが、トランプ大統領は敗北を認めず、負けを 認めようとしない。
 私は宮崎氏に半分冗談で、「『アメリカ解体2022年』という共著の 本 を、だしましよう」といった。瓢箪(ひょうたん)から駒で、来春この本 が出ることになるかもしれない。
 私はアメリカ屋だが、今回の大統領選挙はこれまでない奇妙な戦いで、 出口が見えない。
           (略)
 
 バイデン氏はこの春まで民主党の候補のなかで下位にあったのに、な ぜ、このような候補者を選んだのだろうか
 予備選挙中、トランプ大統領が敵ではなかった。サンダース上院議員が 主敵だった。
 サンダース氏は社会主義者を自認して、大企業に重税、国民皆健康保 険、大学無料化、国防費大幅削減などを訴えて、若者などの熱狂的な支持 をえていた。サンダース氏を大統領候補としたら民主党の自殺となった。
 そこで、大統領候補を選ぶ民主党全国大会が開かれる前に、競っていた 候補が全員降りて、妥協できるバイデン氏を担いだ。

 アメリカの大手メディアの偏向は、酷いものだった。一方の大統領候補 がアルツハイマー症を患っているのは重大事であるのに、主流のマスコミ は事実を無視して、バイデン氏に不利な情報をいっさい報じなかった。
 バイデン氏は大統領就任式までに78歳になるが、認知症が進んで判断 力が衰えているために、副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員と「共同 大統領」をつとめることとなろう。大統領が1、2年後に、辞任する可能 性がある。カマラは56 歳、左派だ。
 
 アメリカが分断されているというが、民主党が左傾して、二股割きに なっている。
 そのうえ、四年前からアメリカを2つに分けている、大きな対立がある。
 拝金、国家意識を弱めるグローバリズム、個人の放縦な自由にもっとも 高い価値を与え、伝統社会を抑圧・差別だとして、LGBTQ(Qは変態 (クイアー))などに力を与え、何よりも「多様性」を上に置 く、"WOKE(ウォク)"──目覚めた人々に対 する、伝統的な共同体の反撃 だった。
 民主党支持者からトランプ支持者を見ると、“愚鈍で、遅れた”人々だ。

 アメリカ社会を分断したのは、トランプ大統領ではない。グローバリズ ムを信奉する多国籍大企業が支える、大手メディアだった。
 社会の弱者、被害者だと感じる人々が、全責任を社会に押しつけるかた わら、伝統社会の束縛を柵(しがらみ)として嫌って、放縦な自由を求める “目覚めた(ウォーク)”人々が、弱者を自任する人々が気儘に振る舞うのを 見て、喝采している。
 人種差別主義者だったといって、アメリカ各地でコロンブス、ワシント ン初代大統領、リンカーン大統領の銅像であれ、何でもつぎつぎと破壊す るのが、良識とされている

 自虐だが、自分を責めて苦しめるよりも、過去を束縛として軽んじて、 否定することによって、自由になれるという我儘でしかない。
 アメリカ が、溶解しつつある。
   

 2020(令和2年)年 12月11日(金)
 ~わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 5621号より~    
  
コメント
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