7日(月)は初め、葱を買いに行く予定だった。
それが前後を考えもせずオーバーオールを注文してしまったため、品物が届くまでは家に居なければならなくなってしまった。いつものことながら計画性の大幅な欠如。
だからと言って自己嫌悪に駆られてはいない。後悔もしていない。それよりも注文したものが届くのを待ち遠しく思っている。「後悔」に至っては、明石家さんまの番組で見たのだが「『後悔』も楽しみ」という一言に尽きる。彼の「生きてるだけで丸儲け」、という名言はまだ「実感としては」分からないけど、「後悔を楽しむ」というのは実感できる。
勿論、「後悔」ってのは「後で悔いる」「後になって悔やむ」ばかりで滞るばかりだから、本来は「失敗を楽しむ」ということを言いたかったのだろう。「あの時はえらい目にあった」とか「目の前が真っ暗になった」とか言うのは「おかげで今がある」と肯定し、前進を続けているわけだから。
結局、品物は昼過ぎに届いた。日暮れまでの時間は、だから十分にある。葱を買いには行けないけれど。
届いたオーバーオールは米国製で、正真正銘の作業着。膝から下、裾まで同じ生地の当て布が(というより、膝下が二重になっていると言った方が良い)してあって、頑丈なことこの上なし、といった風情。
風情どころか、本当に「頑丈」という言葉がぴったりで、布のくせに左右のボタンが留められないくらいに堅い。
フロント部もジッパーではなく二ヶ所のボタン留めなのだが、これまた負けず劣らず信じられないくらい堅い。ボタン穴よりボタンの方が大きいんじゃないかと疑ってしまうくらいで、とにかく堅い。
ボタンを留めるのに爪が欠けるかと思いながら、悪戦苦闘する。正直、この買い物は失敗だったかも、と思い始めた頃、何とか全部のボタンを留め終えることができた。左右二ヶ所ずつ、フロント二ヶ所、のたった六つだのに。
そうやって留めてみて、ベルトの調整をしたり裾を折り上げたりするために一度脱ぎ、改めて着てみると、これがさっきとは随分様子が違って、堅いなりにボタンが留めやすくなってきた。
最近のオーバーオールと違って作業着だけのことはある。作業をするのに必要なゆとりだけ、を十分に持たせてあるから、生地の堅さが気にならない。
だから全体のシルエットは機能美にあふれている。
短時間でこれだけ印象が変わる、というのは久し振りの経験だった。
裾がバタつく、なんてことは、まずないだろうから、これからカブに乗る時はこればかりになりそうな気がする。