CubとSRと

ただの日記

偽善宗教を日本は受け入れない (後半)

2021年08月29日 | 心の持ち様
 マッカーサーには靖国神社も目障りな存在だった。
 ここでは終戦の年の十一月二十日、対戦で散華した将兵の霊を慰める大招魂祭が執り行われた。天皇陛下も臨席され三万人が参拝した。
 彼はそれを知って靖国神社の焼き払いを思いつく。イスラエル人がカナンのバール神殿をやったようにローマ法王庁にやらせるのも一興だ。跡地はドッグレース場にする気だった。
 それで法王庁日本代表の上智大学教授ブルーノ・ビターにそれを命じた。
 ビターはまだまともなドイツ人で、馬鹿な役回りを拒否し、靖国神社は残った。
 キリスト教布教もうまくいかなかった。大量の宣教師投入でマッカーサーは「二千万人を信徒にする」(同)つもりだったが、日本人はキリスト教の偽善を出島の昔から知っていた。
 それに宣教師の中にサレジオ修道会のベルメルシュ神父もいた。彼は日本で女遊びにふけり、挙句に英国海外航空の日本人スチュワーデスと情交したあと首を絞めて殺し、善福寺川に捨てた。
 何人も目撃者がいて、さあ逮捕というときに修道会はバチカンに頼んで彼を国外に脱出させた。キリスト教の本性を晒した事件だった。
 皇室に入り込んだバイニング夫人もまた何の成果も挙げられなかった。
 ミッション系出身の妃殿下が一度キリスト教の教えに言及されたとき、昭和天皇が厳しくたしなめられたという話が伝わる。
 陛下は日本の根幹である神道を邪教扱いした米国もマッカーサーも、そしてキリスト教も決して好まれなかったように思われる。
 その証拠になるか。日経がスクープした「富田メモ」がある。昭和天皇はA級戦犯の靖国神社合祀に触れて「松岡、白鳥までも」と不快感を示されたという。
 なぜ二人は実名だったのか。一般には危うい三国同盟の推進者として不快がられたと言われるが、実は二人には二人だけの共通点があった。
 松岡洋祐は米留学時代にキリスト教に入信し、信仰心は篤かった。国粋主義の白鳥敏夫も巣鴨に入った後、洗礼を受け「天皇ご一家も洗礼を受け、国教にすべきだ」とまで言っている。
 陛下はだから二人は靖国には似合わない、と思われたのではないか。
      (2012年5月3・10日号)

  高山正之著 

  変見自在
 「マッカーサーは慰安婦がお好き」より
 
  新潮文庫  
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 >中島飛行機の跡地に「国際基督教大を建てさせ、宣教師二千五百名と聖書一万冊を空輸させて」(袖井林二郎『マッカーサーの二千日』)布教を図った。
 >大量の宣教師投入でマッカーサーは「二千万人を信徒にする」(同)つもりだった。

 「靖国神社を焼き払い、ドッグレース場に」というのは何度も目にした話ですが、「宣教師二千五百名と聖書一万冊を空輸させて」「 二千万人を信徒にする」って・・・・。

 それでやっと気が付いた富田メモの話。
 確かに、何故「松岡・白鳥(白取)」、と二人だけが実名だったのか。
 次回はそれについての日記を再掲します。

コメント
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