「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)11月26日(金曜日)
通巻第7135号
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中国テニス会の女王、IOCバッハ会長とのテレビ談義は演出
「その後」、やっぱり姿を現さないじゃないか
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中国に要求するべき原則は、WTA(女子テニス協会)が声明をだしたように、「身の安全が本当か、どうかを検証可能な証拠としてしめし、公正で、透明な調査が行われない限り、WTAは中国におけるイベントから撤退する」であるべきだろう。
親中派のテニス選手として著名なジョコビッチも「WTAを支持する」、と従来の立場を翻す発言を繰り出した。
中国におけるテニスブームは1980年代に本格化し、中産階級が熱中し始めたのは、その天文学的な賞金が動機だった。
チャイナマネーの魅力とも言われ、猫も杓子もテニスに熱狂した。ジョコビッチは、そうした環境のもと、北京大会で六回、上海大会で四回、勝者となり、中国人の間では、非常に有名な存在となった。
ノーベル平和賞に輝く劉暁波(元北京師範大学講師)は民主活動家として世界に知られた存在だったが、中国当局はその影響力の拡大を懼れて、拘束した。
獄中で受賞を知らされたが、以後七年間も獄中のまま、癌で容態が急変し欧米が医療受け入れを表明したが、中国は「全国から名医をあつめた」と、それらしい写真を配布して誤魔化し、死後も墓をつくらせず、民主運動のイコン化となることを懼れて海へ散骨させた。
海葬は鄧小平もそうだが、中国には墓を暴き、屍体に極刑を加えるという伝統がある。
妻の劉霞は、一年後、ドイツへ出国できたが、以後まったくの沈黙を守っている。
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どうもよく分からない。何しろメディアから流れてくるのは、彼女が元気でいるのかどうかばかり。何故そんなことになったのかが全く伝わってこない。
大体「力づくで情人(日本風に言えば愛人)にされた」と言って置いて、「段々疎遠になり、相手が引退してから突然また復縁を求められた」、と。
で、「身の危険を感じた。怖くなった」、と。
これ、ばらして得するのは誰なんだ?
それに、「真夜中に公表したから共産党の監視部隊が気付かず、20分も放置されていたのだ」、と「正義のミカタ」で近藤氏は言っていたけど、別の人(誰だったか覚えてない)は「いやいや、わざと放置していたに違いない(つまりこれは権力闘争の一部だ)」、と言ってるし。
「情人になる」というのは、男女を問わず、権力や金を手に入れるための最強の武器を手に入れるということだ。共産党独裁の彼の地でもそれは変わらない。
つい先日も「権力者に高級マンションを賄賂として贈る。すると権力者はそれを情人に贈る。情人はその最上階を自らの住まいとして、マンションからの収入で優雅な生活を送る。結果、そこら中のマンションが同じ権力者の情人が最上階に住む高級住宅地に~」みたいな話をテレビで見たけれど、それなら「情人数百人」というのも分からないでもない。ましてや最上級幹部の情人になる、なんてのは数十億円の当たりくじを手に入れたようなもんだろう。会うのだって週に一回なんてのは特別で、大概は月に、いや数ヶ月に一度ならいい方、下手すると数年に一度、とか。もしかしたら一度会ったっきり、なんてのも。いや、大袈裟じゃないよ、昔の「後宮」や江戸時代の大奥なんてそうだったわけだから。「囲い」があるか否かの違いだけで、仕組みは同じだ。
そうなると、真夜中にその事実を公表するのは、それなりの後ろ盾(身の安全を保障する者)か、或いは公表するよう命令する存在(安全を保障しないぞ、と脅す者)があったからこそじゃないのか、と考えるのが普通なんじゃないかと思うんだけど。
「引退はしたけど、あの人物は色々知っているから完全に引退させなければ」、とか何とか。
つまり彼女は誰かに命じられて行動しているのでは・・・?