10月11日(水)
昨日、駐車場の料金を見に行って帰って来てから、洗濯物を干そうとした。
窓を開けると、刈り取ってほったらかしにしていた庭の雑草の中に、何やら薄汚れた庭石のようなものが見える。
「あれ?あんなところに」。
石の筈はない。どこかから飛んできたゴミだろうか。ちょうどスーパーマーケットのレジ袋くらいな大きさ。
でもレジ袋じゃないだろう。この頃はレジ袋、金払わなきゃくれないから粗末にはしないだろ?
ホントにゴミ?と凝視したら、ゴミと目が合った。ゴミじゃなかった。
細かな黒と濃茶が不規則に混じり合ったお世辞にも綺麗とは言えない毛並みの猫。
何か思い出しそうな・・・。あ、「ヒゲなしゴゲジャバル」。ひげを切り落とされてしまった野良猫。それも子猫の話だ。陽気な歌だが酷い話の歌でもある。
ゴミかと思ったこの猫は、以前から庭、玄関、縁側で丸くなっていた。
どうも我が家は奴の縄張りになっているらしい。
そいつが刈って半ば乾燥した雑草の小山を見て「良さそうなベッドがあるぞ」とでも思ったか、そこに丸まって昼寝をしていたわけだ。
そんなこととは知らず、こっちは洗濯物を干そうとして窓を開けた。
奴はその音にびっくりして目を覚まし、こっちを見た、ということか。
だからと言って慌てて逃げようとしないのが野良猫。こちらが何もしないと高を括ったか、また丸くなって寝ようとする。
何でそんなことをしたのか自分でも分からないのだが、その丸くなって背中を向けている姿を見ながら、起こさないようにと、そ~っと洗濯物を干す。
干し終わり、30分ほど経って二階から寝ていたところを見下ろしたら、姿は既になく、丸まって寝ていた形跡だけが枯草の上にある。
「どこ行った??」と再び目を凝らして周囲を見たら丸まった猫一個分、斜め45度上に移動して同じ形で寝ていた。
繁茂した低木の深い緑の枝葉と枯草の中に完全に溶け込んでいる。
陽射しが暑く感じられ始めたので最短距離の日陰を選んだのだろうか。
見てくれの悪い奴だし野良猫特有のふてぶてしさがあるが、まあ、あいつの方が間違いなく新参者なんだし。餌でもやろうか?いや、可愛げがないからやめとこう。
それにしてもこれまで見た猫の中で一番汚らしく見えるのが却ってかわいそうだ。飼い猫ならまだしも、野良だから余計に気の毒だ。
見てくれの悪い者同士、仲良くしてもいいかなとも思うが、そんな気紛れ、どちらにも良くない。
びっくりさせないように気を付けるだけにしておこう。