外国人にとって、その土地で友人を作るのはそんなに難しいことではないのかもしれませんが(どちらかというと向こうから寄ってくるので・・・)難しいのが人の名前を覚えることではないでしょうか?ブルガリアではこれは本当に難しいです。なぜかというと、同じ名前があまりに多いから! 「イーメン・デン」、つまり名前の日の習慣がある国ですから聖書や聖人の名前に由来する名前がほとんどなのでバラエティーがないのも仕方がないことなのかもしれません。町では教会(ブルガリア正教会)発行のカレンダーが売られていて、いつがどの名前の日かがすぐにわかるようになっています。(ちなみにこのカレンダーの表紙は「聖ゲオルギ」。それででしょうかブルガリアにはゲオルギという名前の人がたくさんいます。うちの大家も・・・。そして巻末には4ページを割いて何月何日がどの名前の日かというリストがあります。)
中東からロシア、東欧にかけて日本の苗字、つまり「ファミリア(ブルガリア語でファミリー・ネームの意)」が「誰々の子供」という意味のところがありますね。たとえば「GKを除いたサッカーのイレブンの名前全部がビッチで終わるチームがあった」なんてトリビアがありましたが・・・ ここブルガリアもよく似たシステムなのです。
基本的には先祖(たいがいは男ならおじいさん、女ならおばあさん)から名前をもらうので、ファーストネームがおじいさんからもらった名前、そしてファミリーネームはお父さんの名前に「~の子」を意味する「フ」をつけたもの、というのが一般的なのですが、日本と同じように親の姓を名乗ることも出来る(選択可)のだそうです。いままで会った人の中でおもしろかった苗字は「ヤポンチェフ」つまり日本!なんと、このおじさんのおじいさんが生まれたときに日本がロシアに戦争に勝ったのでおじいさんは「日本」という名前になったんだとか。そしてそのおじいさんの息子がヤポンチェフで・・・ なんだか、コンガラガッてきた・・・
たとえばよくある名前のひとつにぺテル(=ピーター、またはペテロ)があります。先祖からもらった名前がペテルで、ファミリアも同じぺテルに由来する「ペテロフ」だったりすると、「ペテル・ペテロフ(=ペテル家のペテル)」と同じ名前を二回繰り返すことになります。(このパターンの名前は結構多くて「ゲオルギ・ゲオルギエフ」とか「ストヤン・ストヤノフ」なんてのもあります。) また、女性であれば「ペトロバ」になりますが、夫婦別姓や結婚して両方の姓を名乗るなんてのもあって、名前が4つある人(例:ダニエラ・ミハイロバ・ディミトロバ・フリストバ)や、最高では7つ名前がある人なんているそうです。
あと、多いのが男女で似た名前。「イヴァン」は男性の名前で、この名前の人もたくさんいますが、女性で「イヴァンカ」もたくさんいます。「ヨルダン」と「ヨルダンカ」も多いです。
極めつけは親と同じ名前!ミドルネームがあるからいいのでしょうが、母親と娘が同じ名前だと、父親は娘の名前に「カ」もしくは「チカ」をつけて区別しています。でも、これには日本語で言うところの「チビちゃん」という意味が込められているので、娘のほうは「20才を過ぎても「チビちゃん」扱いはいやだ~」なんて言っていますが・・・
そして一番困るのが、そんな名前にバラエティーの少ないブルガリア人に自分たちの名前を理解してもらうこと。カナダ人の友人エリン(女性)は、「名前が”ン”で終わるのは男の名前なんですって。私の名前は男の名前だって言われたわ。」・・・ きれいな人なのにかわいそう・・・・
日本の名前はもっと大変。まず発音が難しい。そして意味も。私の名前はブルガリア語で「誰の(whose)」という意味です。だから自己紹介すると、「こんにちは、私は誰のです・・・」と言っていることになるのです・・・ん~、こりゃ、絶対に聞き返されるわ・・・・
そういうわけでブルガリア語の名前をつけようかと思っています。名前に「恵」という字があるからこれによく似た意味の「ブラゴベスタ」(通称ボビー)にしようかな、でも、この名前の人も身近に何人もいる・・・ああ、どうすればいいの?
さて、この名前の話、とっても面白かったです。この間彼の友達のネームデイということで、パーティに呼ばれたのですが、誕生日は別にお祝いするということで、私の中では???でした。でもこの記事を読んでちょっと謎が解けた気分です。
日本の名前は覚えるのが難しいみたいですね。彼に私の女友達を何人か紹介したんだけど、全部同じに聞こえるみたい・・まあ私も覚えられないのでお互い様ですが・・
ブルガリアに行った事がないので、いつもとても楽しみに読ませていただいています。これからも頑張ってくださいね。
で、同姓同名が多くなるせいか分からないけど、各種公的書類などにはお父さんの名前がミドルネームとして入るようになっています。 私も結婚の書類や運転免許書なんかにミドルネームとして父の名前が入っていて「私こんな名前じゃない」っていっつも思っちゃいます。
fubukiさん、はじめまして。ネームデイ、ここだけの習慣ではないと思うのですが、同時にここが一番熱心にやっているような気がします。(ここしか見てませんが・・・)日本人としての意見なので偏ってたりするかもしれませんが参考になればうれしいです。またぜひ遊びに来てくださいね。
前にイギリス人に「子供の名前は舞子だ」と紹介した人は、「まあ、男の子?」って。マイコって確かにMichaelに発音そっくりなので。でもって、そのMichaelが国によって、マイケルだのミカエルだのミハエル?ミヒャエル?だのになりますしねぇ。
で、むちうえさんのブルガリアンネームは決まったのでしょうか?