「七草(七種)なずな 唐土の鳥の 渡らぬ先に 七草なずな」
これは、私が七種粥の日に歌う「七草の囃
(ななくさの はやし)」、囃し歌です。
結婚するまでは「七草の囃」なんて知らなくて、たださっと茹でた七草を刻んでおかゆに入れていただけだったのですけれど、婚家で教えてもらってからは、忘れてなければ歌うようにしています。
「唐土の鳥
(とうどのとり)」というのは、『古事類苑』内の『梅園日記』によると、唐土(=中国)の「鬼車」という夭鳥(鳥の妖怪?)を指すようです。つまりは、人に害をなすものを寄せ付けないようにする、おまじないの歌だったのですね。
広辞苑(第3版)には、「七草の囃」の別バージョンも載っています。
「唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬ先に なずなななくさ(ななくさなずな)」
「唐土の鳥と 日本の鳥と 渡らぬ先に、 ななくさなずな 手に摘み入れて」
ネット上で調べてみると地域によって様々な歌詞があるのですね。「ストトン」だとか「トントン」のような擬音が付いているところもあって、なんだか可愛いです。
(「日本」の読みが「にほん」「やまと」と異なる地域もあるようです)
どうも、我が家のものは省略形のようですね。
今は、スーパーで七草セット
が売っていて助かります。
芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・
仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)
どれもこれも、新暦の新年に自分で揃えるのは難しいですものね。
それにしても、台所で七種類の道具(まな板・包丁・杓子・すりこぎ・薪など)を用意して、恵方(吉方)に向かって、7ずつ7度(つまり49回)も叩くなんて知りませんでした。
今朝もそんなに叩かなかったなぁ。
もちろん、全国共通の「正しい七草粥の作り方」なんて存在しないのでしょうけれど。
音を鳴らして魔を払うというのは弓の「弦打ち(鳴弦)」や獅子舞の「歯打ち」と似ていて、さらに「七」という縁起の良い数字で効果を高めようということかもしれません。
お正月は新暦でも旧暦でも、寒くて風邪などが流行る時期。
「唐土の鳥」でなくても、インフルエンザや胃腸風邪を防げたら嬉しいですね。
「七種粥の作り方」自分用メモ
・まず、七草を洗って茹で、水にさらしてから水気を切っておく。
・おかゆを炊く。(前日に洗米して給水しておく)
・台所に七つの道具をそろえる。(とりあえず、まな板と包丁は必須。あとは数合わせ)
・恵方を向いて立てるように、まな板を置く。
・七草をまな板に置き、「七草の囃」を歌い(唱え)ながら、49回(7×7回)叩く。(まな板を打ち鳴らすように叩く)
・炊き上がったおかゆに、叩いた七草を混ぜたら出来上がり。
七草をゆでるところまでは前日でもOK。七草を刻むのも前夜に行うこともあったようです。
ちなみに、今年(2013年・平成25年)の恵方は丙の方位(南:南南東)になるようです。
<関連記事>
・
ご飯から1人分のおかゆ - MOONIE'S TEA ROOM
ごはんから作るおかゆの作り方を紹介しています。
<参考ホームページ>
・
第 1 巻 907 頁 「七種粥」(七日 - 年始雜載 - 歳時部十三 - 古事類苑) - 電子資料館>国文学研究資料館ホームページ
・
日本/唐土の鳥 - 幻想動物の事典
・
鬼車 - Wikipedia
・
歳徳神 - Wikipedia
恵方について書いてあります。恵方って、歳徳神さまのおわす方角なのですね。
2014年(西暦の1の位が「4・9」)の恵方は
「東北東やや右」(「甲」の方位) (十干が「甲・己」の年)
2015年(西暦の1の位が「0・5」)の恵方は
「西南西やや右」(「庚」の方位) (十干が「乙・庚」の年)
2016年(西暦の1の位が「1・3・6・8」)の恵方は
「南南東やや右」(「丙」の方位) (十干が「丙・辛・戊・癸」の年)
2017年(西暦の1の位が「2・7」)の恵方は
「北北西やや右」(「壬」の方位) (十干が「丁・壬」の年)
2018年(西暦の1の位が「1・3・6・8」)の恵方は
「南南東やや右」(「丙」の方位) (十干が「丙・辛・戊・癸」の年)
2019年(西暦の1の位が「4・9」)の恵方は
「東北東やや右」(「甲」の方位) (十干が「甲・己」の年)
2020年(西暦の1の位が「0・5」)の恵方は
「西南西やや右」(「庚」の方位) (十干が「乙・庚」の年)
<検索ワード>
七草がゆの歌 ななくさのうた