『妻と娘二人が選んだ「吉野弘の詩」』
吉野弘
青土社
吉野弘氏の詩には、優しさと切なさがあります。
奥様とお嬢さん二人の選んだ詩を集めたこの詩集は、もちろん選ばれた詩も良いのですが、娘の奈々子さんが書かれた「あとがきにかえて」の章が、この本の大きな魅力だと思います。
どんな父であったか、どんな家族であったか。
この「あとがきにかえて」を読んでから、詩のページに戻ると、家族の表情・営みが見えるような気がします。
そして、「あとがきにかえて」の最後には、若き吉野氏の書いた私家版の詩集の詩が2篇紹介されています。
とくに、二十歳前後に作ったという詩「愛を人々の上に」(収録詩集「山巓」)が、今の時代への警鐘のようで、強く印象に残りました。
軽々しく、人を批判しないこと。不完全な人間を許し、愛すること。その大切さと難しさ。
最近の悲しい事件を聞くたびに「どうにかならないものか」と思うのですが、一人一人が自分を省みて、少しでも周りの人を大切にすることが、小さなようで大きなことなのだと、思いました。
吉野弘
青土社
吉野弘氏の詩には、優しさと切なさがあります。
奥様とお嬢さん二人の選んだ詩を集めたこの詩集は、もちろん選ばれた詩も良いのですが、娘の奈々子さんが書かれた「あとがきにかえて」の章が、この本の大きな魅力だと思います。
どんな父であったか、どんな家族であったか。
この「あとがきにかえて」を読んでから、詩のページに戻ると、家族の表情・営みが見えるような気がします。
そして、「あとがきにかえて」の最後には、若き吉野氏の書いた私家版の詩集の詩が2篇紹介されています。
とくに、二十歳前後に作ったという詩「愛を人々の上に」(収録詩集「山巓」)が、今の時代への警鐘のようで、強く印象に残りました。
軽々しく、人を批判しないこと。不完全な人間を許し、愛すること。その大切さと難しさ。
最近の悲しい事件を聞くたびに「どうにかならないものか」と思うのですが、一人一人が自分を省みて、少しでも周りの人を大切にすることが、小さなようで大きなことなのだと、思いました。