MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『2分間の冒険』

2012年11月29日 | BOOKS
 『2分間の冒険』 岡田淳 偕成社


 1985年出版の本ですが、これは児童書の傑作だと思います。
出版されてから20年以上経つのに、お話が古臭くなってません。
 登場する女の子の名前に「~子」が多いことが、時代を感じさせるぐらいでしょうか?

 今どきの、アニメのようにカラフルで可愛い(カッコいい)装丁の本と並んでいたら、小学生は手に取ってくれないかなぁ?

  
 こういう本こそ、図書館の先生に「おススメ!」してほしい本だと思います。
 読み聞かせで、いつか読んでみたい一冊です。
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『静おばあちゃんにおまかせ』

2012年11月27日 | BOOKS
 事件現場に赴くことなく、事件を解決してしまう「おばあちゃん探偵」。
 「おばあちゃん探偵」ものっていろいろとありますが、

・人生経験豊富で、人間が生きていくのは哀しくて辛いことだということも分かっている
・読書など知的な趣味を持っている
・ある程度生活に余裕があって、上品
・実際に事件にかかわっていく(事件を持ち込む)若い人が身近にいる

 というのが、「おばあちゃん探偵」のよくあるパターンじゃないでしょうか?


 『静おばあちゃんにおまかせ』
 中山七里(なかやましちり) 文芸春秋


 この作品も、上品で知識豊富なおばあちゃんが出てきます。
 主な登場人物は、まじめで優しい好青年と、美しいお嬢さんとその祖母。

 小さい事件が解決するごとに、少しずつ過去の事件があぶりだされていくようになっています。

 終わり方は、私としては少し残念、少し寂しいような気がしましたけれど、全体的に好きな作品でした。

 
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『少年弁護士セオの事件簿』シリーズ

2012年11月26日 | BOOKS
 映画化もされた『依頼人』『ペリカン文書』で有名な、ジョン・グリシャム(John Grisham)のジュニア向けミステリーです。

  『少年弁護士セオの事件簿』シリーズ
  ジョン・グリシャム・作/石崎洋司・訳  岩崎書店
  (2012.11.27.現在 既刊3巻 写真は3巻のもの)
  (追記2013.11.23. 2013年11月12日に4巻が発売されました。)

 主人公は、弁護士の両親を持つ13歳の男の子、セオドア・ブーン(愛称はセオ)。
小さなトラブルから殺人事件まで「Kid Lawyer(少年弁護士)」が活躍する物語です。

 翻訳者は『黒魔女さんが通る!!』シリーズの作者でもある、石崎洋司さん。
 さすが!児童向けの物語を書いている作者さんだからか、非常に読みやすいです。
 日本とは違うところも多いアメリカの裁判の制度なども冒頭や巻末に説明や図などがあるので分かりやすく、アメリカの法廷ミステリーを読むための基礎知識の参考書としても、おすすめのシリーズだと思います。
 私は全3巻だと勘違いしていたんですけれど、岩崎書店の特設ページによると来年発売予定の4巻で完結する「全4巻」のようです。(※1)

 3巻は、セオ自身に疑惑がかかって、ハラハラとさせられます。
 「親への隠し事が、今後大きなトラブルを起こさないといいのだけど……」と、母親のような気持ちでセオのこれからが気になってます。
 セオは賢い男の子だけど、けっして完全無欠ではなくて、不安になったり泣いたり隠し事をしたり自転車のルールで注意されたり……。子どもたちも、きっと「わかる、わかる」と、セオになった気持ちでこの物語を楽しめるんじゃないでしょうか。

 1巻で起きた事件はどうなるのか?来年発売予定の次巻が待ち遠しいです。


(1)「Theodore Boone: Kid Lawyer」    『少年弁護士セオの事件簿1: 謎の目撃者』
(2)「Theodore Boone: The Abduction」  『少年弁護士セオの事件簿2: 誘拐ゲーム』
(3)「Theodore Boone: The Accused」   『少年弁護士セオの事件簿3: 消えた被告人』
(4)「Theodore Boone: The Activist」  『少年弁護士セオの事件簿4: 正義の黒幕』 2013年11月12日発売         
 ※1  実は、4巻で事件が解決していません。シリーズは続くかもしれません。(2013年12月追記)
 ※2 2015年11月に5巻の発売が決まったようです。『少年弁護士セオの事件簿5:逃亡者の目』(2015年10月追記)

<関連記事>
・『セオの事件簿4 正義の黒幕』 - MOONIE'S TEA ROOM
 第4巻の感想を書いてます。

<関連リンク>
『少年弁護士セオの事件簿』特設サイト - 岩崎書店
Theodore Boone 公式ホームページ(アメリカ・英語)
Theodore Boone 公式ホームページ(イギリス・英語)
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『帰命寺横丁の夏』

2012年11月25日 | BOOKS
 『帰命寺横丁の夏』柏葉幸子 講談社

 児童書を何冊か借りてきて、家についてから「あれ?これも佐竹美保さんのイラスト!」って思うことが続いています。
 これも、『リンゴの丘のベッツィー』と一緒に借りてきたお話。
 作者の柏葉幸子さんの名前だけ見て即決して借りた本でした。

 佐竹さんのイラストは、本によって雰囲気が違うので気が付かないことも多いのよね。


 写真では分かりづらいかもしれないですが、古い日本の横丁の向こうに魔法使いと不思議なお城……。まさに、この物語を表している表紙です。

 劇中劇ならぬ作中作『月は左にある』が、物語を深く面白くしているばかりでなく、この作中作が一つの物語として実に魅力的。『月は左にある』の部分だけ紙の色が違うのも、味がある趣向です。
 生と死と、友情と。よくあるテーマなのに、たしかに新しい、柏葉幸子ファンを裏切らない物語であると思います。


 柏葉さんの『霧の向こうの不思議な街』は映画『千と千尋の神隠し』に影響を与えたということですが、作中作のお城と魔女のイメージはどこか『千と千尋の神隠し』に似ている気がするのは、私の想像力不足かな?
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『ふたつの月の物語』

2012年11月20日 | BOOKS
  『ふたつの月の物語』
   富安陽子  講談社


 今までの富安さんの作品とは違う、児童書というカテゴリーに入ってることに驚きを感じてしまうような物語です。
 (今までのどの作品も大人が読んでも面白いのですけど、この本は装丁のイメージ通り、空気が違います
 YA文学、または大人用でもいいぐらい。

 表紙は酒井駒子さん。
 荻原規子さんの『RDGレッドデータガール』も酒井駒子さんが表紙を描いてますが、きっと『RDG』が好きな読者なら、この物語を気に入ると思います。


 大きな伏線があるわけではないのですけれど、最後まで読むと、また冒頭を読みたくなります。

 人間って悲しい、そして優しい。
 読み終えたらきっと「かけがえのない人たちとの毎日を大切にしなくちゃ!」と思う、そんな1冊です。

  
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『S力人情商店街』1~4

2012年11月18日 | BOOKS
 「茶子ちゃん」「商店街」「ひょうたん」「神社」
 ちょっと前まで、上記のキーワードで思い浮かべる小説は、映画化もされた万城目学さんの『プリンセス・トヨトミ』だったのだけど、『S力人情商店街』も同じキーワードがバッチリあてはまるのです。
 出版はこちら(『S力~』)が先なのですが。


  『S力人情商店街』令丈ヒロ子 岩崎書店
   改題されて、今月新潮文庫から1巻が出版されています。(『茶子と三人の男子たち―S力人情商店街1―』)
  私は岩崎書店版の岡本正樹さんのイラストが好き。茶子ちゃんのキュートさ・男の子たちの可愛いところがちゃーんと出ています。

<参考>
『S力人情商店街1』 - 岩崎書店
『茶子と三人の男子たち―S力人情商店街1―』 - 新潮社


 「S力」は「エスりき」と読んで、エスパー能力のこと。いわゆる超能力。
 それも「商店街を守るためにしか使えないという地域・目的限定」の超能力という面白い設定です。



 冒頭に書いたのだけど、キーワードが映画「プリンセス・トヨトミ」と重なるからか、昨晩『S力人情商店街』が映画化される夢を見てしまいました。私の頭って、本当に単純だなぁ。
 正夢になったら、まるで茶子ちゃんの「S力」みたいで楽しいのだけど。
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『大空のドロテ I』

2012年11月15日 | BOOKS
  『大空のドロテ I』 - 双葉社
  瀬名秀明

 『パラサイト・イヴ』で有名な日本SF作家クラブ会長の瀬名秀明さんの新作は、アルセーヌ・ルパンにまつわる物語。
 全3巻の予定で、今月下旬に2巻が、来月下旬に3巻が発売予定のようです。

 空からやってきた少女と、それを助ける少年の物語というだけで『天空の城ラピュタ』の登場人物シータとパズーに似ていると思うのですが、それだけでなくても少年ジャンはパズーによく似ています。
 機械好きなところ、両親がいないところ、好奇心旺盛で、運動神経もあって、きちんと働いているところ、そして女の子に優しいところ。
 でも、少女ドロテはシータとは違って自分から厄介事に首を突っ込んでいくタイプかな?
 彼らをとりまく大人の事情も複雑。そして、より大きな枠組みが作中に設けられています。

 ルパンを愛さずにはいられなかった女たちの複雑な想いと財宝の謎がからんで、2巻も気になります。

 子どもの頃、ホームズよりもルパンが好きだった私はルパンの事件に関する記述もなんとなく分かりましたが、軽くルパンの作品を読み直したほうがもっと面白くなるかもしれません。



 冒頭から、瀬名さんの機械好き・飛行機好きがよく分かる書き出しに微笑んでしまいます。
 「冒険」「機械」「宝探し」いつの時代も男の人・少年が好きなテーマなのでしょうね。
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『ヴァンパイアハンター・リンカーン』(映画「リンカーン/秘密の書」原作)

2012年11月13日 | BOOKS
 『ヴァンパイアハンター・リンカーン』 セス・グレアム=スミス
   新書館 / 原題「Abraham Lincoln VAMPIRE HUNTER」

 映画「リンカーン/秘密の書」の原作です。
<参考>
映画「リンカーン/秘密の書」オフィシャルサイト

 たまたま先日、アメリカの大統領選について調べていた時に見つけた本だったのですが、タイトルを見てすぐ公開中の映画の原作だと気が付きました。でも、多くの人には気付かれていなかったのか、すぐ図書館で借りることができました。

 映画の予告編と比べると、表紙のイラストがあまりにアニメっぽいハンサムで驚いてしまいますが、本の中はまるで伝記。
 どこからが史実であるのか、物語であるのか、境が分からないほどに融けあってしまっている不思議な本です。
 文と一緒に、版画や油彩、写真なども本物か偽物なのか分からないものが、解説や画家・写真家の名前とともに載せられています。(その名前も実在の人物かどうか????)

 まず、物語はセス・グレアム=スミス(!)という作家になる夢をあきらめかけた男の告白から始まり、深い感慨を与えてくれるエピローグと、リンカーンの年表で終わります。年表の最後が、オバマ大統領の当選というところも、小憎らしい演出です。


 ある程度資料があるけれど、すべては分からない、絶妙な時代の人物なのかもしれません。

 そうそう、英語では「Abraham」は「エイブラハム」と発音するのですよね。
 リンカーンの愛称は「エイブ」ですし。
 それでも、私は「Abraham」を見ると、つい「アブラハムには7人の子」って歌ってしまいそうになるのですけれど。
 
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『リンゴの丘のベッツィー』

2012年11月11日 | BOOKS
『リンゴの丘のベッツィー』
 作 ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー
 徳間書店


 これは、本当におススメです。
 『赤毛のアン』や『秘密の花園』が好きな人でしたら、「なんで今まで読んでなかったんだろう?」って思うんじゃないかしら。

 私も、子どものころに出会っていたら何度も読み返す大切な物語になってたと思います。きっと、今からでも何度も手に取る物語です。

 原題は、『Understood Betsy』。
 1917年(大正6年!)にアメリカで出版された本なのですが、日本では1950年に発行されたことがあるとはいえ、本好きな私でも全く知らなかった児童書です。
 アメリカでは100年近く読み継がれてきているのも、読めば納得。
 少女の成長と、彼女を包む周りの大人の温かさ、なんとも愛おしい物語です。


 イラストは佐竹美保さん。
 中のイラストはもちろん、表紙絵(紅葉の中リンゴを手に歩くベッツィー)がたまらなく素敵です。


 もう少ししたら、娘も読めるかな?
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『レッド・ステイツの真実』

2012年11月08日 | BOOKS
 昨日のアメリカ大統領選の開票結果。
どうして赤と青がくっきり分かれているか、子どもたちは不思議に思ったようです。
 たしかに、ビックリしてしまうほど、東西の海の近くは青で、内陸部は赤。
そして、赤いところは選挙人の人数が少なくて、地図上の面積と勝敗が結びつかないのもビックリしていました。(私も驚きました!)

 青は民主党の色で、赤は共和党の色。
 それぞれの党の支持者が多いことから、アメリカでは民主党の強い都会型・工業地帯の州を「ブルー・ステイツ」、共和党の強い非都会型・農業地帯の州を「レッド・ステイツ」と呼んでいるのだそうです。
 と、いうことを私は昨年この本を手に取るまで知らなかったのですが……。

  『レッド・ステイツの真実 ――アメリカの知られざる実像に迫る』
  西森マリー 著  研究社
  ISBN 978-4-327-37729-8 C0036
  定価1,575円(本体1,500円+税) 

 レッド・ステイツの人たちがキリスト教を強く信じていることが、この本を読むと分かります。そして、それが社会生活や政治活動に大きく影響していることに驚きます。
 本当にいろいろな意識調査が載っていて驚くことばかりです。
 今でも聖書の中身を「すべて正しい」とする人が多いという調査結果を見れば、「中絶」「同性愛者の結婚」が選挙キャンペーンで大きな意味を持つことが分かります。
 目次や本書の一部は下記リンク、Amazon.co.jpの「なか見!検索」で読むことができます。
・『レッド・ステイツの真実』 なか見!検索 - amazon.co.jp

 決して堅苦しい本ではなくて、高校生ぐらいでも読めるのではないでしょうか?アメリカに留学する学生さん、そしてその家族には必ず読んでいてほしい一冊だと思います。
 国際社会で生きていくには、「キリスト教を少しでも知っておくこと」「聖書は知識として読んでおくべきだということ」「すべての宗教に敬意を払うこと」が必要だと、あらためて思いました。
 キリスト教の知識は、西洋の物語を(現代のものも含めて)読むうえでも大いに役立ちますし、知っていることによるプラス効果は非常に大きいと思います。
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アリそっくりなクモ!

2012年11月04日 | いろいろ
<注意> クモの画像があります。苦手な方はご注意ください。

 洗濯物を干そうとしていたら、目の前にアリ
 と、思ったら糸を出してスルスルっと下へ降りていくのでビックリ!

 アリのようなクモなんて、初めて見たので驚いてしまいました。
 娘が「写真撮る!」と言って、撮ってくれたのがコレ。
(あんまり小さいので、私が後から撮ったのは全部ピントが合ってませんでした


 体長は1cmぐらい。前2本の足を持ち上げて、触角のように見せているので、本当にアリそっくり。
糸を出していなかったら、クモだなんて分かりませんでした。

 ネットで調べたら、その名も「アリグモ」って言うそうです。
擬態とはいえ、ここまでそっくりだと感心してしまいます。

<参考リンク>
アリグモ - Wikipwdia
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『モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本』

2012年11月01日 | BOOKS
『モリス・レスモアとふしぎな空とぶ本』 作・絵 ウィリアム・ジョイス 徳間書店


 今年(2012年)のアカデミー賞短編アニメーション賞受賞作の絵本です。

 本好きの皆さんに、ぜひ読んでほしい1冊です。
 本と共に生きて、本と共に老いて、本と共に逝く。
 そして、本は次世代の本好きに受け継がれていく……。

 せつないようで、なんで幸せな「本好きの一生」でしょう。
 モリスは、もう一人の私です。

 主人公の「Lessmore」という苗字も、面白いです。
 「より少なく(less)、より多く(more)」ですものね。
 何が少なくて、何が多かったのかなぁ?
 本が、悲しみを少なく、喜びを多くしてくれたのなら、良いのですけど。


 もちろん受賞した映像が、素敵なのは言うまでもありません。
 アメリカのiTunesではこのショートフィルムのビデオを買えるようなんですが、日本ではまだ無理のようです。
 「Morris Lessmore とふしぎな空飛ぶ本」という絵本アプリはあったのですけれど。(450円でした)


<原作映画の公式ホームページ>(英語)
Moonbot Studios: The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore, v 3.0

The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore Trailer

 YouTubeで公開されている予告編です。
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