MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『だれもが知ってる小さな国』

2015年10月30日 | BOOKS
 いよいよ出ました。
 有川浩版の「コロボックル」シリーズの新刊、書下ろしの長編です。

『だれもが知ってる小さな国』
 有川 浩・作
 村上 勉・絵
 講談社


 読み始めて、佐藤さとる版との違和感がないことに驚きました。
 丁寧で優しい、そして子どもたちに伝わる描写。
 「新しい作者になった」ということを忘れてしまうぐらい、ここには同じ「コロボックル」の世界の空気が流れています。
 もちろん村上勉さんのイラストが、世界観を繋げる大きな力になっているのは間違いありません。

 コロボックルの新しいお話を読むことがかなった喜びを大きく感じながら、一気に読んでしまいました。
 いつの時代にもある、少年少女期の心の揺れ動き、大人の社会の勝手さや、家族愛、そしてコロボックルを守ろうとする気持ち。
 私も初めて「コロボックル」シリーズと出会った頃のように、1ページ1ページ、主人公たちと一緒にドキドキしたり不安になったり、期待したり……。
 「子どもの頃に出会った大好きな本が大人になって再び始まる」という、この稀有な出来事に、本当に感謝・感謝!


 主人公は小学校の3年生。
 彼が大人になってから、少年時代を振り返るという語り口で物語は進みます。
(『だれも知らない小さな国』のせいたかさんと同じですね)
 舞台は『コロボックル絵物語』と同じく、北海道。私たちの知らない、また別のコロボックルたちが登場します。
 時代は今から20年前ぐらいに設定してあるようです。バブル景気の終わった頃でしょうか?
 と、いうことで主人公は私よりも少し下の世代。
 それでも、せいたかさんは戦前生まれの人でしたし、その子供世代のチャムちゃんや正子さんだって私よりもずいぶん年上だったはずなので、語り手の世代がグッと近くなりました。

 今後、現代の子ども世代、私の子どもたちの世代がコロボックルに出会うお話も描いていただけるでしょうか。
 子どもたちにとって「古いお話」じゃなくて、「身近なお話」になる日がくるのが楽しみです。
 
<関連サイト>
講談社 コロボックル物語特設ページ
 まだ新刊については更新されていないのですけれど。(2015.10.30.現在)
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手作り「ショウガ・オレ」

2015年10月26日 | 料理&美味しいもの
 先日、喫茶店で「ショウガ・オレ」なるものを飲みました。
 ジンジャーシロップ入りのカフェオレで、思ったよりも美味しくてビックリ。

 実を言うと、「ジンジャーティー」のように「紅茶+ショウガ」はありだけど、「コーヒー+ショウガ」なんて合わないと思っていたので意外でした。

 さっそく、家でも作ってみました。
 普通にホットミルクにインスタントコーヒーを混ぜて、自家製の「ショウガシロップ」を入れるだけ。

 不思議な美味しさ。
今後はこれも我が家のドリンクメニューに追加です。
 これからの寒い季節にピッタリですね。

 自家製の「ショウガシロップ」のレシピはこちら。
ウルトラ蒸しショウガシロップを作る! - MOONIE'S TEA ROOM
 「ウルトラ蒸しショウガ」と、黒砂糖とハチミツが入ったジンジャーシロップです。


<追記>
 カルディコーヒーファーム(KALDI)の公式オンラインショップに、「ハニージンジャー・カフェオレ」というレシピが!!
【レシピ】ハニージンジャー・カフェオレ - カルディコーヒーファーム公式オンラインショップ
あるんですね。ほかにも「ジンジャー・オレ」だとか、いろいろな呼び方をするようですが。
 「コーヒー+ショウガ」……ありなんだなぁ。
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『天と地の方程式』(あめとつちのほうていしき)1~3巻

2015年10月22日 | BOOKS
 3部作です。
『天と地の方程式 1』
アメトツチノホウテイシキ1
富安陽子
講談社

『天と地の方程式 2』
アメトツチノホウテイシキ2
富安陽子
講談社

『天と地の方程式 3』
アメトツチノホウテイシキ3
富安陽子
講談社
(2016年3月3巻発売)

 最近また、古事記や日本の古い物語を元にしたファンタジーを見かけるようになった気がします。
 阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」だとか、末吉暁子さんの「波のそこにも」だとか、たまたま私がそういう本に惹かれて手に取っているだけでしょうか。
 久しぶりに小学館の「日本古典文学全集」の『古事記 上代歌謡』なども図書館で借りて、関係のありそうなところを拾い読みしています。(と言っても、現代語と注釈ばかり読んでるんですけれど


 富安陽子さんのティーン向けの本としては『ふたつの月の物語』以来でしょうか。「シノダ!」シリーズよりは少し年長の、中高生を対象にした物語になっていると思います。

 主人公は中2男子。
 転校先の新しい学校で、望んでもいない冒険に巻き込まれていきます。

 主人公も仲間たちも、それぞれ「悩み」を抱えている生徒たち。
 「普通」になりたいと願ってもなれない、そんな「天才」でもあり「異端児」でもあります。

 一人一人違うことが、力になる。
全てわかり合うことはできないけれど、それそれが違うことに意味がある仲間たちが、強大な相手に挑んでいく物語です。
 古事記の中の神様たちが、一柱一柱とても個性的で、違う力を発揮して、国ができ、命が生まれていくのと似ています。

 現実社会でも、誰ひとり同じ人間はいなくて、大人が思い描くような「普通」の子なんて、どこにもいないのかもしれません。
 人との違いにもがいて、悩んで、乗り越えて。
 周りを理解して寄り添えるようになる、協力して生きていけるようになる、そんなステップが思春期なんでしょうね。


<追記 2016.04.28.>
 『天と地の方程式 3』読みました。面白かった。
 すぐ1巻から読み返しました。
 思春期の人付き合いは難しいけれど、「出会えてよかった」と思える奇跡のような出会いが誰にもあるのだと思います。
 登場はしないのですが、Qくんのお姉さんが気になります!

 
 
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「リチウム鉄電池」? 鉄とイオンは発音が似てる!

2015年10月17日 | お稽古&お勉強
 同時通訳の海外ニュースを見ていたら、「リチウム鉄電池」と聞こえてきました。
 「え?」と思って画面を見たら、「Lithium-ion battery」の文字が。
 携帯電話やノートパソコンでおなじみの「リチウムイオン電池」です。

「……?」

 一瞬考えて、思い出しました。
 英語で聞いてみると、鉄「iron」とイオン「ion」って発音がそっくりなんです。



 これは、我が家の英英辞典の「iron」と「ion」。
 発音記号も、ほぼ一緒。電子辞書の「音声読み上げ」機能を使っても、私では区別が難しいぐらい。

 むりやりカタカナで書いちゃうと、どちらも「アイン」って感じ。
 「同音異義語」って言っちゃってもいいですよね、これは!

 普段、金属元素の「鉄」と電荷を帯びた原子「イオン」は文脈で判断できそうですけれど、金属と「電池」って仲が良い単語ですもんね。「リチウム鉄電池」だって、あるかもしれないと思っちゃう。


 英語の勉強から離れて十数年。やっぱり勉強って大事だなぁと思った出来事でした。
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『中野のお父さん』

2015年10月15日 | BOOKS
『中野のお父さん』
著者:北村 薫
文芸春秋


 表紙をチラリと見て勘違いをしていました。
 主人公の女の子が着ているのを「セーラー服」だと思い込んでいたんです。
読み始めて、「あれ?」と思ってもう一度見直して自分の間違いに気が付きましたが……。白いTシャツに、赤いカーディガンを「プロデューサー巻き」してるんですね。よく見たら、足元もパンプスですし、耳にもアクセサリーが見えるのに。

 そう。主人公は20代の女性。タイトルの「中野のお父さん」は、中野に住んでいる彼女のお父さん。
定年間際の高校の国語教師であるお父さんは、百科事典のように物知りで、編集者である娘が出会う、本や文学にまつわる謎をスルスルっと解決してくれるのです。これもまた一つの「安楽椅子探偵」ですよね。
 
 表紙の絵も、とっても温かいホッとする雰囲気ですが、小説の中身も心穏やかに読むことができる内容になっています。
「温かい食卓・自立した子ども・健康な両親」……一昔であれば普通だったかもしれない日常的な光景が、こんなにも貴重に思えるのは、現実でもファンタジーでも殺伐とした話が多いからかもしれません。

 著者も高校の先生だったということで、ついつい作品中の「お父さん」とイメージを重ねてしまいます。
 文学への造詣の深さや、心の機微への視野の広さに、「ほほう」と感心することばかり。
 こんなお父さん、なかなかいないですよねぇ。

 かくいう私も「お父さんっ子」で、今でも「お父さんってすごいなぁ」と思うことがよくあります。
「父を尊敬する娘」というのは、やっぱり1つの幸せの形じゃないかなぁ。
 私も「子どもに尊敬される母」でありたいものです。
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『伏木商店街の不思議』

2015年10月11日 | BOOKS
『伏木商店街の不思議』(フシギショウテンガイノフシギ)
太田 忠司 著
河出書房新社


 ひとつの商店街を舞台にした、31話のショートストーリー。
 266ページで31話ですから、1つのお話が10頁以下。
一つ一つ完結しているので、どのお話からでも読むことができますが、やっぱり最初から読んだほうがいいかな。(後ろのほうに商店街の秘密?が出てくるので……)
 表紙の絵も、目次の後の商店街のイラスト地図も素敵です。

 1話がそれぞれ1つのお店にまつわる不思議を描いているのですが、感動するもの、笑えるもの、ホロリとするもの、恐さを感じるもの……作品ごとに違った味わい。
 人間の良いところも悪いところもキレイなところも汚いところも、みんな私の中にあるからこそ楽しめるんでしょうね。

 とくに印象に残ったのは「星見る頃」と「秘伝の味」。
 読む人が違うと、印象に残る作品も違う気がします。

 それにしても。
こんなふうにいろいろなお店が集まって、今でも営業している商店街って、今でもどこかにあるんでしょうか。
 大型店へ行けば何でもそろう時代に、それでも商店街が懐かしくなるのは、私たちの世代までかもしれないなぁ。
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風呂水の吸いが悪くなったら (修理依頼の前にチェックすること)

2015年10月05日 | 家事のおはなし
 洗濯機の風呂水(お湯取)の吸いが悪くなりました。
 買って2年目。1回目の吸水(「洗い」)は、ちゃんと風呂水を吸うのに、2回目(「すすぎ1」)の時は、「ウー」と吸おうとする音ばかりで、ちっとも水を吸いません。
 しばらくすると、風呂水は残った状態なのに水道水を使って「すすぎ」を始めてしまうので、なんだか損をしている気分。しばらく様子を見たのですが、改善しないので修理・点検を依頼することにしました。

 修理の担当者によると、「風呂水ホースの気密性が落ちているからですね。ホースを交換すればよくなるかもしれません」とのこと。
 なんでも、1回目の吸水の時に「呼び水」という水道水を入れるのだけれど、2回目までの間に「呼び水」がなくなってしまい、2回目だけ吸えないのだとか。


 「気密性」……。ふと思い出したのは水筒のパッキン。

 「もしかして」と、
 風呂水ホース(お湯取ホース)が洗濯機と接続している部分の掃除をしてみたら、直ってしまいました。
   
 外すとこんな感じ。
    
 ゴミやなにかが詰まっていたわけではないのですが、この接続部に少々「ぬめり」がついていたのが原因ではないかと。
 黒いリング状の部品が気密性の要なんでしょう。傷つけないように慎重に、でもしっかりぬめりを取りました。

   
 こちら、風呂水ホースの先端部分・取水側は、毎日ちゃんと洗っていたのになぁ。

 接続部の掃除をしたら、2回目(「すすぎ1」)もしっかり吸うようになっただけでなく、1回目の吸水(「洗い」)も、掃除前よりも水の量が増えている感じがします。
 やっぱり大事なんだなぁ、「気密性」。

 もちろん、ホースの取り外しや掃除については、取扱説明書を読んでから始めてくださいね。
 小さい部品もあるので、洗濯機の後ろなどに落とさないように注意が必要です。
 掃除に便利なのは、古い掃除用の歯ブラシ(毛先が細くてやわらかめのもの)と、綿棒。細かいところもキレイになります。

<参考サイト>
風呂水の吸水が悪くなった時の、お手入れの仕方は?(吸水機能のある洗濯機)【タテ型洗濯機】 - Panasonic
風呂水ホースのお手入れ方法 - Panasonic
 我が家の洗濯機のメーカーではないのですが、参考になります。
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赤万願寺のマリネ

2015年10月02日 | 料理&美味しいもの
 赤万願寺とうがらしの簡単レシピ! フライパンで焼いて、味ぽんで和えるだけ。
小学生の娘の得意料理?です。

 赤万願寺は、万願寺とうがらし(万願寺甘とう)の完熟したもの。いわば、「完熟万願寺」です。
 加熱しても冷やしても鮮やかな赤が失われないので、お弁当の一品や料理の付け合せとしても重宝しますよ。
 (ミニトマトの代わりになります!)

 今回はたっぷり43個の万願寺とうがらしを使いました。(ちょっと小さいサイズかな?)
    

(1) まず、ヘタを取って、フォークで2か所ほど穴をあけます。
   
 ヘタは手で取れるのもありますが、取りづらいものはフォークをヘタの付け根に刺すと取りやすいです。
    
(2) 洗った万願寺唐辛子を、少し水分が付いたままフライパンへ。ここへオリーブオイルをかけます。(今回は大さじ2ぐらいかな?)
   
(3) ふたをして火をつけて、中火で「パチパチ」音がしはじめたら弱火にして、何回か混ぜながら、万願寺が柔らかく・しんなりなるまで加熱します。
    
(4) 火がとおった万願寺を容器に移して、味ぽんをかけたらできあがり。(今回は大さじ1ぐらい)
 まんべんなく味が回るように、全体を混ぜてくださいね。

 温かいうちに食べるのもよし。冷蔵庫に入れて冷やして食べるのもとっても美味しいです。
 (冷蔵庫に入れるときは、粗熱をとってから。冷やしている途中でも混ぜてくださいね)
 我が家では、ふたのあるガラスの器でたっぷり作って「ホットマリネ」で食べ、余ったら冷蔵庫に入れ、翌日冷えたマリネを楽しみます。
 (美味しくて、余らないことも多いのですが……

 お好みで粗挽きこしょうをふったり、バジルを合わせてもいいですね。
 食べる前に、香りのためにオリーブオイルを少々追加しても。

 シンプルですが、赤万願寺とうがらしの甘さ、美味しさがよく分かる料理です。

<関連記事>
甘味美味! 完熟「赤万願寺とうがらし」 - MOONIE'S TEA ROOM
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『大宇宙の旅』

2015年10月02日 | BOOKS
『復刻版 大宇宙の旅』
荒木俊馬(あらき としま)
恒星社厚生閣


 2冊の『大宇宙の旅』。
 右側は1952年(昭和25年)の初版本を2005年に記念再発行したもので、左側は2006年に文字も打ち直し天文学の新しい知識などを追加して復刻された復刻版です。
 初版が320ページ、復刻版が390ページということで、70ページ増えています。
 荒木先生による「人工衛星の話」、大阪教育大学・福江純先生による最新の天文学、松本零士先生によるあとがきが追加されています。
 「復刻版」の目次

 荒木俊馬先生による本文は、小学生高学年から中学生の天文好きな子なら面白くてたまらない内容でしょう。
 天文学の正しい知識を、ファンタジーの魔法で子どもたちが楽しめる冒険物語にしてくださっています。
 大人の私でも、初めて知った知識がたくさんありました。この本が、小学生や中学生の頃紹介されていたら、夢中になって読んだような気がします。
 読むだけでなくて計算したり考えたり、読者への謎かけもあちこちにあって、きっちり頭を使うことを促してくれます。
 こういう知的な刺激を与えてくれる本って、貴重です。
 
 「本当に知識のある人は、小さな子どもにも分かるように説明ができる」というのは本当なのですね。
 なんと、イラストも荒木先生のもの。復刻版では、イラストがくっきりとして、さらに見やすいです。

 ちなみに、今日10月2日は「望遠鏡の日」。
 秋の夜長。そして星がきれいに見える冬。
 これからの季節、星空を眺める前に是非おススメしたい1冊です。

 
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