「東京バンドワゴン」シリーズ
著者:小路幸也
集英社
これは夫が集めているシリーズで、だいぶ前から家にあるのにもかかわらず、1冊も手を付けていなかったもの。
じつは、「不倫とか異母兄弟とかでてくるし、気に入らないかも」と言われて、ずーっと二の足踏んでいたのでした。
でも先日、友人と話していたらこのシリーズを原作としたドラマ化の話題になって「ハートウォーミングだし、貴女もきっと好きな物語だと思うよ」と言われたのです。そこで、「ちょっと読んでみようかなぁ」と手に取ったのが数日前。6冊一気に読み進めてしました。
夫が今第7弾の「レディ・マドンナ」を通勤時に読んでるので、それはまだ未読ですが。(文庫で集めているので、8冊目の『フロム・ミー・トゥー・ユー』も我が家にはまだありません)
たしかに、大家族が登場し、心温まる「LOVE」なお話です。
古本屋さんという設定も私の好きなトコロですし、小さな謎を解決する日常ミステリとしても面白い。
そして、男女のいろいろも、お婆ちゃん目線だと、こうも柔らかく優しく悟ったように語れるものでしょうか。
今はなき、昭和の香りする「良い人」がいっぱいの物語。これはもう、ファンタジーですね。
で、結局ドラマは見ないことにしました。
頭の中のイメージを大切にしたいので。
私のように映像が記憶に残りやすい人間は、「これは別物」って思えるぐらい、自分の中のイメージが固まってから見るほうがよさそうです。
(思っていたよりも、原作通りのこともありますけどね……。)
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ここからは、ちょっと蛇足ですが。
現実には、パートナーの浮気や親の不倫を受け止めきれる配偶者・子どもなんて少ないと思うのです。
泣いて、悩んで、苦しんで、心や体を病んでしまう人がどれほどいるか……。
このお話に登場する大人たち・子どもたちのような強い受け止め方をできないほうが普通だと思うのです。
とくに女の子は生理的に受け入れられなくて人間不信・男性嫌いになったりという話も聞きます。
やっぱり自分の家族や大切な人の家族を傷つける・いつか傷つけてしまう可能性があることは、「LOVE」で済ませてほしくないなぁと思います。きっちりケジメつけてから新しいLOVEに行けないような優柔不断は、ダメでしょう!
(こう考えちゃうから、「このシリーズは気に入らないかも」って言われちゃったんだなぁ
)